苦手なこと

人付き合いが苦手だ。子供のころから集団生活が苦手というか、ポツンとしていた。
父親がコミュ障だったのでそれを受け継いだのだと思うが、母からは同じようになるなと口をすっぱくして言われ続け、それで人と関わるように人に話しかけたり、学校も文系を選んだりして人と関わりの多い方を選んできたが、まったくダメだった。空気読めないというか、気持ちのキャッチボールがうまくいかず、自分は出来損ないなのだと思っていた。普通の人が息をするように簡単にできることができない。
そんな感じで生きてきて早50年。出世どころか正社員にもなれずの日々。もういいや、食べていけさえすればいいや、それならプライドより×を付けられない仕事にしておこうと思った。評価基準が明確であること、それを頑張れば平均点以上とれる仕事内容のところにしよう。
それで紹介されたのが今の職場。覚えることはあって大変ではあるのだが、特に職人さんとやり取りが楽しい。学校出てるとあまりかかわりを持つことがない世界の人たちだったのだが、彼らは大抵コミュ障。けれど電化製品を取り付けたり直したりする仕組みにはとても詳しい。とても素直に話を聞いてもらえるしひどく感謝される。
わが父は元々大工になるのが夢だった人で、電化製品にも家を作ることについても詳しかった。だからか職人さんと話をしていると、父のみようみまねで色々やってた頃を思い出してとても楽しかった。
今まで父親みたいにならないように、って避けてた仕事だったんだけど、でも結局、それの方が向いてたみたいです。
もっとも職人って下に見られることが多いから、人から尊敬される会社員になれってのは話としては判るのだけど、今や文系大卒なんて有り余って血みどろの戦い。勉強は楽しかったけど、プライドが付いちゃうのがよくないよな~。
そう思えるようになったのは、独り立ちして札幌で長く暮らして親の考えに毒されないようになったのが大きい。結論、親離れは重要。そういう風にできているんだろうね。
けど、今の世の中親との距離感が全体おかしいよね。50、60になっても親がべったりくっついて親孝行ないいお子さんですね、ってなるし、男は全員母親大好きって風潮。親は淋しくなくていいかもしれないけど、子は親が死んだらどうするのか。そもそも親の庇護にあったら自分の人生を生きてる充実感もないし、家族を持てる喜びもない。社会もくるしくなる一方。
いい年して自分で何も決められない人が多いんですよ。今まで親に決めて貰ってたんだろうけどね。
ともあれ、独り立ちは早くしようねって話でした。自分を幸せにできるのは自分だけ。

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