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(49)ニューヨークーーchinko to america by mano

 大学最終学年のシニアになった8月末にソフィアがやって来て、オレたちはすぐに付き合い始めた。ソフィアは、アメリカの学生生活を経験するためにコロンビアの大学を1年間休学していた。ところが、アメリカに来てすぐにオレと出会ったため、アメリカでの暮らしというよりも、「日本人との暮らし」を体験することになった。
「まさかアメリカに来て、日本人の恋人ができるとは思わなかった。私にとって人生で最も素晴らしい大誤算だったわ」
 ソフィアはことあるごとにそう口にする。
 アメリカにやって来てからというもの、オレは自分のちんこに活躍の場面を与えようと必死になって立ち回ってきた。
 最初の2年間は途方に暮れる日々を送るばかりだったが、〝努力〟を続けるうちに少しずつ厚く高い壁が崩れ始め、独自の道を切り開くことができた。最終的にソフィアという恋人と巡り合い、申し分のない生活を手に入れている。気が付けば、大学に入学してから4年近い時間が流れ、あと2カ月少しで卒業というところまで迫っている。
 
 大学卒業後の身の振り方については、すでに考えを決めていた。そのままアメリカに残って就職するという選択肢もあったが、オレは日本に帰るつもりだった。帰国後は、メディア関連の会社か商社を狙って就職活動をしようと考えていた。
 だが、ソフィアとの関係が深まっていくにしたがって、自分の考えに揺らぎが生じてくる。
 2カ月後、オレは大学を卒業し、ソフィアは交換留学の期間を終えてコロンビアに帰る。その時点でオレたちは今の関係をどうすればいいのか……。それを考える必要があった。
 
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