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(44)chapter 8ーーchinko to america by mano

 大学に入学してから三度目となる夏休みも終わり、9月に入ると秋学期がスタートした。シニア(4年生)に進級したオレは、いよいよ学生生活の最終年を迎えた。
 この3年間、オレはこれまでに想像もしていなかったような世界を見てきた。その主たるものは、やはりエリンやダニエラ、アナ、クレアに関することだった。
    目を閉じると、すぐに彼女たちの姿が鮮明に瞼に浮かび上がってくる。こうなると、もうオレはどうすることもできない。彼女たちが無性に恋しくなり、胸の内が急に締め付けられていくのだ。
 
 どうにもならない苦しさに苛まれながら、いまだに叶っていない状況に思いを馳せる。オレが心の底から渇望していたのは、正真正銘の恋人を作り、その女性を愛することだった。
 エリンやダニエラ、アナ、クレアと親密な関係になれたものの、結局オレは情夫のような存在でしかなかった。彼女たちにどこまでものめり込み、すべてを欲するようになったとしても、それを手に入れることは叶わず、最後にオレの中に残されるのは、彼女たちに対する愛おしさと別れだった。
 この状態から抜け出すには、パートナーのいない女性と巡り合い、恋人同士になるしかない。だが、それはとてつもなく難しかった。大きな壁が目の前に空高くそびえ立ち、オレはなかなかそれを越えらずにいた。

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