筋肉、美容、健康にも!良質なたんぱく源、卵の選び方🥚②
こんにちは!
管理栄養士の板西まいこです!
今回は「卵」の話、後編です。
前編はこちら☟
食べたものからできているのは、卵も一緒
"You are what you eat."
あなたは、あなたが食べたものでできている
このフレーズをあなたも一度は目にした事があるのではないでしょうか。
まさにその通り、鶏も鶏が食べたものででき、その食べたものからできた鶏から、卵はできています。
そしてその卵からまた鶏が産まれ…という命の循環ですね。
さて、鶏たちはどんなものを食べて(どんなものでできて)いるのでしょう。
採卵鶏のエサは、海外の遺伝子組み換え作物(トウモロコシ等)がほとんどでです。
さらに、こういった作物はポストハーベスト(収穫後にかける農薬)で、防カビ剤や殺虫剤がかかっています。これは輸送時の状態保持のためです。
そして、前編でも触れた抗生物質。
さらに鶏は、冬になるとあまり卵を産みません。でも市場価格や在庫数は大して変わりませんよね?
価格は相場価格で多少の動きはある様ですが年間を通してkgあたり10円前後の動き幅だそうです。
養鶏所はどうやって年間を通して卵を産ませているのか、聞いてみました。
現在の大型養鶏場はウインドレス鶏舎で窓が無く空調設備の整った作りになってます。更に点灯も24時間昼夜点灯で夜が無い状態で、ひたすら餌を食べ卵を産み続ける日々で1年が経つと廃鶏という流れです。ー取材より
本物の太陽の日差しや温度、外の季節も感じることなく、夜も来ない箱の中で卵を産み続け、ぼろぼろの身体になって1年で棄てられるそうです…
わたしたちは普段、そんな卵を買っていたのです。
卵の黄身は濃いのが美味しい?
これはあまり議論されていないテーマなのですが、
卵の黄身は、どんな色のものが美味しいと思いますか?
オレンジに近い、濃いほど良い卵なんだ!おいしいんだ!
というイメージはありませんか?私は以前なんとなくそう思っていました。
実は、色の濃さと栄養の豊富さやおいしさは無関係です。
卵の味や色も、鶏の餌によって変わります。
しかし、この「黄身が濃い方が美味しい」というイメージが知らず知らずのうちにメディアなどで定着し、過去の私のようになんとなくそう思っている方も多いのです
その結果どうなったか。
卵の黄身を着色しなければ売れなくなりました。
トウモロコシを中心に食べれば黄色くなりますが、そのうえパプリカ粉や赤色の着色料などを混ぜて、鶏が産む卵の黄身の色を濃くしているのです!
流通センターや宅配業者によっては、養鶏農家さんに「もっと卵の色を濃くしてくれ」と要望を出すそう。消費者が求める(売れる)からですよね。そんな私たちの声で、着色料を食べる鶏は増えているのです。
ちなみに、着色もなく、米を中心に食べた鶏の卵はこんな色をしています。
レモンイエローです。こんな卵、食べたことはありますか?
「食べたものからできている」を本当に実感できますね!
平飼い農家さんを訪ねてみた
見学させてもらったのは、奈良県山添村の石井農園さんです。
一言で表すと、平飼い有精卵の米たまごです!
石井農園さんでは、米と卵の生産で「循環型農業」に取り組んでいます。
こうして持続可能な循環システムを構築されていました。
※生産の米は主食米が無農薬栽培、鶏に与える飼料米は除草剤1回使用。
餌は、遺伝子組み換えのものや輸入トウモロコシを使用せず、自家栽培の玄米を中心に、無農薬の野菜や海藻、魚粉などを独自に配合。国産飼料にこだわっています。もちろん、抗生物質や添加物も使いません。
自家製玄米を中心に、餌をブレンド
鶏たちは平飼い鶏舎で雌雄共に暮らし、とっても自由に飛び回って生活していました。
鶏舎上部に止まり木があって、鶏ってこんな高さまで飛べるんだな…と驚き
私が鶏舎に入っても警戒せず、人懐っこくて可愛らしい鶏さんたち。ストレスなく穏やかに生活している様子がよく分かります。
卵の特徴は黄身が白っぽいこと。米を食べて育っている証です。
そして、卵の白身がとっても濃厚で、卵かけごはんにも好評です!!
実は私が栄養教諭として勤めていた時、学校給食にこちらの卵を使用させていただいていました!
生き物としての鶏、そして自然環境。
健康な鶏が、健康で美味しい卵を産む。当たり前のことですが、忙しい日々の中で、つい忘れてしまいそうになること。
もう一度気づかせてくれる環境が、石井農園にはありました。
石井さんの思いや人柄、そして卵のおいしさにすっかり魅了されてしまいました。
皆さんも一度、こだわって卵を選んでみてはいかがでしょうか?
石井農園の情報はこちらをチェック!
*置いている店舗
共同購入やマルシェ(不定期)などでも購入できます!
まとめ
≪卵の選び方≫
1.どのような環境で生活している鶏の卵か
2.どんなものを食べている鶏の卵か
私たちが店で手にする卵1P百数十円の中には、、鶏の餌代や鶏舎の経費、人件費、配送料、販売店の利益…などが含まれているのです。
ケージ飼いで面積当たりの生産効率を上げて、餌は少しでも安く済むように遺伝子組み換えの輸入飼料…となるのは当たり前の流れなのではないでしょうか。
それでも、卵が数百円すると高いと思ってしまう私たちの感覚。
そこには、品質を重視することが出来ない薄利多売の市場が存在しています。
この記事は、何が良い悪いという話ではありません。
食品の本質を知ることで何が自分にとって大切か、そうでないかを見極めることが出来る。そして、私たち消費者の選択によって生産は変化する。
という事が伝われば幸いです。
そして、健康な食べ物は、健康で幸せな私たちを作ってくれますね♡
それでは!