筋肉、美容、健康にも!良質なたんぱく源、卵の選び方🥚①
こんにちは。管理栄養士の板西まいこです!
今日は「卵」のお話。
プロテインやサプリメントを検討する前に、
一度この記事を読んで試してみてほしい。
決してサプリ等を否定するわけではありませんが、良いものを見極めるにはさらに知識が必要ですし、コストもかかる。
そこで、相談者に対して、まずは基礎的なところを見直してみては?と提案することが多いです。
良質なたんぱく源として卵はとても優秀。そしてコスパが良い。
しかし、卵にもいろんな卵がある。
いつも言うが”質”が大切なのである!
実際、質を重視してたんぱく質を意識的に摂取(※)するようになり、ずっと消えなかった自身のアトピーの傷跡(アミロイド苔癬)が薄くなってきました。右腕は消失。
※たんぱく量を概ね算出し食事に取り入れたうえ、その他の要素ももちろん考慮した結果です。これだけ食べればいいなんて話は基本ない。
まずは、タンパク質のお話
私たちの身体は約60%が水分というのは皆さんよくご存じだと思います。
タンパク質は、全体の15~18%。
筋肉、臓器、皮膚、骨、髪など、身体構造の主要なものであると共に、ホルモン、酵素、抗体などの材料でもあります。
とにかく、タンパク質が無ければ私たちは個体でいられるかすら怪しいところです…
タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、うち9種類は体内で作り出すことができない「必須アミノ酸」です。
つまり、食べ物から取り入れなければならないということ。
さらに、「アミノ酸の桶の理論」のように、体内で十分なタンパク質が生成されるには特定のアミノ酸だけを摂取するのではなく、全てをバランスよく摂る必要があります。
「アミノ酸スコア」と「プロテインスコア」
9種類の必須アミノ酸のバランスを表す指標として、「プロテインスコア」や「アミノ酸スコア」というものがあり、100が最も良いとされます。
アミノ酸の評定パターンが改訂された経緯などがあり、現在はアミノ酸スコアが主流となっていますが、従来のプロテインスコアの方が人体が求めている比率に近いと論じている医師もいます。
そしてさらに、消化吸収性も加味したとされるPDCAASという指標も登場しました。(これらの改定には大人の事情が示唆されている意見も)
まぁ、難しいことは置いておいて、
御覧の通りすべてを満たしているのは、卵なんです。
卵はどんな環境で産み出されている?
さて、卵がタンパク源としていかに優れているかが分かったところで、さらに深めていきましょう。
みなさんは、スーパーに売られている卵がどのように生産されているかご存じですか?
現在の日本では9割以上が「バタリーケージ」という飼育方法を採用しています。
バタリーケージとは、ワイヤーでできた金網の中で鶏を飼育する方法です。
上下に積み重ねられ、自由に動くことも、羽を広げることもままならない状態で、ひたすら卵を産み落とします。
相当なストレスでしょうね…😢
そもそもの衛生環境や、ストレス状態が続くと免疫低下でさらに感染症のリスクは高まります。
そこで、感染症予防のため、抗生物質を日常的にえさに混ぜて投与します。日本では、家畜用の抗生物質使用量はヒト用の2.5倍です。
その実態として、厚生省が行った調査より、抗生物質耐性菌が国産鶏肉から69%も検出され、採卵鶏のフンからも見つかったとのこと。(2018年3月)
抗生物質とは、抗菌生物質で、菌の増殖を止めます。
しかし、生物には良い菌も悪い菌も存在し、抗生物質によって腸内細菌も死んでしまいます😢
そして、耐性菌は名の通り、抗生物質に耐性を持った細菌。細菌も生物ですから、死のリスクに晒され続けると種の保存のために抗いますよね。(つまり進化する)
私たちは菌を殺す事が安全だと思ってしまいがちですが、むやみに殺菌することで細菌に進化する機会を与えてしまうのです。
日本でも平成8年に学校給食での集団食中毒事件がありましたね。
その原因となった病原性大腸菌O157も、抗生物質を混ぜた飼料によって発現した耐性菌だと言われています。
海外ではこのようなバタリーケージはすでに2000年代あたりから規制の流れが見られ、禁止やケージに条件をつける国が多く存在します。
スイスでは、バタリーケージの使用はすでに0%です。
EUではバタリーケージの規制と共に、治療目的以外での家畜への抗生物質利用を禁止しています。
それに比べ、日本は未だバタリーケージの規制はありません。飼育環境的要因のもと、耐性菌が高確率で検出されていることから抗生物質の投与も日常的に行われていることが伺えます。
ケージ飼いの養鶏所に行ったことがある方や働いている方がいらっしゃいましたら、現状を教えていただきたいです。
さて、この記事は長くなりますので、前半と後半に分けたいと思います!
後半では、
・鶏たちがどんなものを食べて育っているか
・実際に平飼い農家さんを訪ねたお話
・取材から分かった養鶏の事情
・卵を選ぶ時のポイント
についてまとめたいと思います!
→飼育状況が分かると、自然と卵の選び方が分かります。
お楽しみに~!
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