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ハワイで猫を拾った話

タイトル通り、先日猫を拾った。

歩道に置かれたみかん箱でなく、
車道のまんなかで。

車で移動中、旦那さんが道の中央に猫がいるのを見つけた。
よたよた歩いていたその猫は、通りすがる車に何度か轢かれそうだった。

「 何やっとんねんあいつ!!」とハラハラする私。

旦那さんがうまく避けてくれ、私たちもそのまま通りすがろうとしていた。
用事もあり、やや急いでいた。

猫を通り越して数秒後、引き続き気になって後ろを見続ける私に
「 引き返す? でも君の予定もあるしねぇ… 」と聞いてくれる旦那さん。

少し迷って、私は引き返すようお願いした。猫より大事な用事などない。
私はアイコンを猫にするくらい、猫が好きなのだ。


ヤツはまだ道路のまんなかをウロウロしてた。危なすぎるやん。。

かけ寄ると、ヤツはビビって逃げようとした。

ただよく見ると、歩き方が変。
足に外傷は見当たらなかったが、捻挫か骨折してるようだった。

変に抱えて悪化させたらどうしようと不安で、すぐには捕獲できなかった。

幸い車通りの少ない住宅地の道路だったので、追いやるかたちで、猫にがんばって歩いてもらい、どうにか歩道に誘導。
毛も汚れてて野生ぽかったので、そのまま逃がそうかと思った。車にひかれるのは回避しても、それ以上その子に手を出すのはどうかなと。

ただ、歩道に着いてからは、なぜか逃げるそぶりを見せない。
「この子、飼い猫なんじゃない?大人しいし」と旦那さん。

首輪もなく顔も毛も汚れ気味で、ガリガリだったので、私は正直疑問だったけど、
仮に飼い猫なら、治療後飼い主さんが見つけてくれるかもしれない。

そう思って、ペットシェルターに連れて行くことに。
急に暴れないようフェイスタオルで猫の身体をふんわり包み、車に乗せた。

なぜ車にフェイスタオルがあったのかは謎。



しばらく猫とドライブ。
運転歴30年近い旦那さんも「 猫を車に乗せるなんて人生初だよ 」と。
猫は私の膝で大人しく、しまいにはゴロゴロ喉を鳴らし始めた。

猫のゴロゴロは骨折の治りを早くする効果があるらしい。
ただ、心地よい時だけでなく「ストレスから心を落ち着かせようとしている時」や「具合の悪い時」にも鳴らすことがあるとか。
ソース:猫がゴロゴロと喉を鳴らす理由は? ゴロゴロ音の仕組みや効果について

なので、彼女が心地よかったのかは定かではない。。



15分ほどでペットシェルター( Hawaiian Humane Society )に到着。
事情を話すと、猫を引き取ってくれた。
ちょっと寄付をして、私たちはシェルターを後にした。


翌日には、webサイトの"Stray Cats"のページにその子のプロフィールが掲示されていた。
心底、飼い主さんが見つかることを願うばかりだ。

ただ、来年もまだそこに掲示されていたら、引き取りたい。
その子は若くない。せめて最期は、ふかふかベッドで眠らせてあげたい。

…と思っていたけど、猫は死ぬ前に姿を消すと聞いたことがある。
猫は人間じゃない。死期を看取られる方がむしろ鬱陶しいかもしれない。

シェルターでどんな待遇を受けているのかはわからない。良いかも悪いかも。
ごはんも寝床もあって、そこそこくつろげるのかもしれない。


彼女にとってのベストなんて、いくら想像しても私なんぞには知り得ないのだ。
仮に野良だったのなら、そもそも人間が手を出してる時点でどうなのか。
飼い猫だったなら…うーん…

そのまま車にひかれる方がよかったのか、なんても一瞬思ってしまった。
野生動物なら、怪我して死ぬのは普通じゃないか。

人間は、自分たちの気持ちや"常識、通念"を動物たちに押しつけて、彼らに良いことをしている、と思い込む節がある。私も含めて。
なんて身勝手なんだろうなぁ、と、悔しさと情けなさがじんわり。


アメリカではペットにマイクロチップが埋め込まれるのが一般的らしく、それで迷いペットの飼い主が見つかることも多いとか。

最初は「 動物の身体に異物仕込むなんてどうなん…? 」と思ったけど、今回の件でそのメリットを知った。

せめて彼女が飼い猫なら、どうか飼い主さんに見つけてもらってほしい。



死が悪いこと、嫌なこと、避けるべきこととは思わない。
むしろ、自然なことだ。命を救う = 善とは限らない。人間の勝手な思い込みだ。
ゴキブリや蚊は容赦なく殺すのに。

ただ20年近く猫に触れてきて、彼らには感情があると私は思う。
特定の人に甘えることもある。一緒に寝たり、くつろいだり。

誰かに愛されて最期を迎えることが、死ぬより嫌でなければ、
他に誰もいなかったら、私たちがその時間や場所を提供させてもらいたい。
私が彼女を違う環境に移してしまったから。
少しでも心穏やかな時間を過ごしてほしい。
これも、本当に自己都合だけれど。何が心穏やかじゃ。
彼女の言葉を聞けたら、好きなように選んでもらいたいのだけど。


とにかく、勝手ながら、あの猫の幸せを願ってる。
"何も知らないあんたが勝手に私の幸せを定義するなんておこがましい"と怒られるだろう。猫の気持ちがわかったらなぁ。

ささやかながら、シェルターへの寄付金用のLINEスタンプを作りはじめた。
申請が通ったらこちらでお知らせします。


ちなみに写真の猫はその子でなく、他の日に見かけた猫。
日本ほどでないけど、ハワイにも意外と猫がいる。

読んでくださりありがとうございます!頂いたサポートも、巡り巡ってあなたに返っていきますように!