小説(SS) 「これぞ日本のクリスマス」@毎週ショートショートnote #ルールを知らないオーナメント
お題// ルールを知らないオーナメント
ハッピークリスマス。また地獄の福音の鐘が鳴らされる時がきた。毎年ジャパンの歌舞伎町では、ブラックサンタクロース忍者が笑顔で寿司をもみもみといつまでも握っている。それは、挨拶代わりの星型クリスマスオーナメント手裏剣をかわした者にしか手にできないクローズチケットが必要になる。幸いにも血を流さずに済んだマイケルは、ルールを知らぬままクリアした。歌舞伎町の夜には、寿司が飛び交っているが、ワサビもまたそれなりに飛び散っている。これは外国人の涙を積極的に引き出すためである。誰も何の説明もしてくれないが、日本人とは元来、斬り捨て御免の侍文化であることから、感じることができなければ、この町では死んでいるのと同義である。なんて無慈悲なんだ、と多感なマイケルが思ったそのとき、ホワイトサンタクロースが日本刀を持って乗り込んできた。ブラックサンタクロースが投げた太巻きを一瞬にして空中で斬り刻む。そのすべてがソイソースの海に落ちていった。マイケルは驚嘆した。なんて素晴らしいジャパニーズクリスマスアトラクション! 侘び寂びが心に沁みました!
〈了〉464字
*
たらはかにさん、2周年おめでとうございます!
いつも文字数オーバーで参加させていただいて
おります。
おかげさまで、気付けば60を越える
ショートショートを投稿することができました。
今年最後ということで、一年を締めくくるような
小説になっております(?)
いろいろあった一年でした。
来年も参加したり参加しなかったりします。
ではまた、よいお年を!
↓↓ 前回 ↓↓