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いやー、強烈だよね。ALSの患者は全員覚えてるよ。
※医療者ではない方のために
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは簡単に言うと身体が動かなくなっていって最終的に呼吸筋も動かなくなる病気です。だから呼吸が止まっちゃいます。でも、脳は衰えない。思考力、精神活動は全く正常です。って凄い病気ですよね。
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神経内科の部長が言いました。
「いやー。強烈だよね。ALSの患者は全員覚えてるよ。」
神経難病を診ている医師はみんなそう思うんじゃないかな。看護師もそうです。ALSの患者さんは全員覚えてます。それくらいパワーがすごいんです。ほんとに強烈。
ほんっとに強烈。
今日はその強烈話をしようかな。
私は以前まで脳外科で働いていたんですが神経内科も一緒に看ていました。外科も看ながら同時に内科も看れて、スピーディーな看護だけでなくとことん向き合わなければならない看護を学べたのは本当にありがたかったです。
手術をしてどんどん良くなって退院していく人を看ながら、どんどん体が動かなくなっていく人を看る。
それはそれは貴重な体験をしたなと。
ALSは思うように動けないわけですから、私みたいなへっぽこ看護師に看護されてさぞかし怖かっただろうと笑。今になって申し訳なさが込み上げてきます。
さて。
冒頭で言ったようにALS患者さんは強烈です。
なぜか。
単純なことから上げていくと
ナースコールがめっちゃ多いんです笑
当たり前ですよね、だって思考力や精神活動は私たちと一緒なんだもん。
かゆいところはかゆいし、痛いところは痛い。
自分で痒いところはかけないし、体勢もかえられないからちょっとしたことでナースコールが多くなってしまうんです。これは私たち看護師が頑張ればいいだけのことですから大きな問題ではありませんが、めちゃくちゃ印象には残りますよね。あのナースコールの早さったらもう忘れられません笑
まだまだ理由はあります。
なぜALS患者は強烈か…。
私はこう考えています。
その人たちのそもそもの性格が強烈。
なんでか分からないんですが、ALSという疾患の経過に怯むような人達ではないんですね。
あれは一体何故なんでしょう。
みーんな強いです。
ALSでありながらもきちんと自分の人生を送るんです。凄いですね。本当に凄いです。
だから患者さんのイメージとしては
ALSの〇〇さん。
ではなくて
〇〇さんがALSであるだけのこと。
って感じなんですよね笑。疾患なんかよりも〇〇さんがきちんと存在しているわけです。
だから私もその人にただただ関わろうと思うんです。ALSという疾患に関わっているわけではないんです。それはもうドクターがやってくれますから笑
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朝、部屋に入って挨拶をして
今日のニュース見たー?って話して
何時に身体拭きするー?
《リハビリのあと》
おっけー。リハさんに何時に来てって言っとく?
《10時に来て》
分かった、言っとくねーん。
ねぇ、10時になってもリハさん来なかったらさ
ナースコール押してもらってい?
私言うの忘れちゃうかもだから
ほら、あたし忘れっぽいでしょ?笑
《ははは、わかった》
ありがとうね。
今、テレビみる?カーテンと窓は?
どっち向く?痰引く?
《テレビみる。カーテンと窓開けて、左向き。痰引く。》
了解っす!
《ははは》
じゃ、今日も一緒に頑張ろう!ハイタッチー!
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挨拶して、
一緒にスケジュール立てて、
時にはポンコツな私の力になってもらって、
日常を一緒に過ごすようにその人と関わることが
すっごく大切なんです。
それがALSという疾患と関わるんじゃなくて患者さん自身と関わるってことじゃないかな。
過去に受けもたせてもらった強烈な方々が教えてくれました笑
みんな強いからそうじゃないと
怒られちゃうんだよな笑
長々とした文章をここまで読んでくださりありがとうございました。