退職を目前にして
はじめに。ネガティブな言葉遣いや文章を目にしたくない方は、この記事をスルーしてくださいね。
明日、退職する。
職場に、ありがとう。
資格取っただけで実務をなんにもできなかった私を雇ってくれて仕事を教えてくれた所長に、ありがとう。
仕事を教えてカバーしてくれた同僚達に、ありがとう。
お客様がたに、ありがとう。
言っても言っても言い尽くせない「ありがとう」。
そして
職場に、ばかやろう。
言うに言えなかったけど、心の中にあって決して消え去りはしなかった黒く淀んで渦を巻く感情。
ばかやろう!
あのときのあれは、私のせいなんかじゃねえ!
捏造するな!
本人のいないところで、あることひとつに対して、ないことをきゅうじゅうきゅうの割合で作り話をするんじゃねえ!
自分のやらかしたミスを、ナントカも百回言えばホントになると言わんばかりに作り話で塗り固めて従業員のせいにするんじゃねえ所長!
大人どころか、古希をとうに過ぎたじいさんだろうよ。ごめんなさいぐらい言えよ!ごまかして、その『ごまかし』を、自分がいちばんに信じて記憶の上書きをして、何度も何度もしゃべりつづけることで自分に言い聞かせるのはみっともないと私は思う。
ばかやろう
ばかやろう
ばかやろう!!
……こんなことを考え続けている時間はとってももったいなくて。
だけど考えずにはいられなくて。
労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)は、2022年4月から、中小企業にも義務化された。
私の職場も例外ではないのだが。
精神的暴力
個の切り離し
個の侵害
所定時間を過ぎてからの業務命令をしながら、所定時間以内に仕事を完了させていないと本人がいないところで言うのはダブルバインド、過大な要求ではないのか?
パワハラの六類型のうちの少なくとも四つを軽々と満たしているなんて。
でも、大切な時間を過ごした。
素晴らしい時間を過ごした。
楽しい時間を過ごした。
所長を、ベテランの同僚達を、尊敬し、学ばせてもらった。
一緒に笑った。
一緒に喜んだ。
互い違いに現れる感情。
好感情だけでもなく。
悪感情だけでもなく。
つらかった気持ち、やりきれないくやしさを、なかったことにはできない。
嬉しかったこと、感謝していることがほんとうであるのと同じに、つらかった気持ち、やりきれないくやしさもほんとうなのだ。
きれいなものだけ見て、きれいじゃないからと見ずに蓋をして押し込めることは、心をむしばんでいくのだ。
私は、職場が大好きだった。
だけど私は、職場に怒っていた。
どちらもほんとうだった。
かたっぽだけしか認めないのは、嘘だ。
今日、電話に応対中、
「…あの…マンネンロウさん。
あと、1日ですね…。
寂しいです」
と、ほんとうに寂しそうに言ってくれたお客様。
嬉しかった。
仕事なのだけど、心がつながることを幾度も感じたお客様だった。
…………………ありがとう。みんな。
そして、よくやったよ私。
私が私であることを大事にするかぎり、大丈夫だ。
この職場での日々は、無駄にはならない。
私が、価値あることだと感じることを大切にするかぎり、ここで得たものは消えてなくなりはしないだろう。