なにがなんだかパラレルワールド
ある会話のメモ。
聞いていてわけがわからなくなってきた。
「早く3回目しないと…」
「あら、早くすればいいじゃない」
「うん、なかなか都合がつかなくて。早くしないと、『間があけばあくほど良くない』って説明書に書いてあるしね」
「そうそう。そうらしい。韓国でちょっと前に感染者がすごく増えたのも、供給が追いつかなくて間隔があき過ぎたかららしいって言うし」
いや…?間隔って、けっこう恣意的な決め方されてるよね。
「今はもう、わざわざ予約しなくても大丈夫だし」
………え? それって、避けてる人が多いってことじゃ………?
「なんだっけ、ノバ…バックス?新しいヤツ。あれも選べるって」
「ああ、副反応がないっていう…」
「ね〜。副反応全然ないって」
え…?ない?
「同じ会社で揃えないで会社を変えたほうが効果が高いらしいし」
「そうそう!」
いや…。
ばらばらのを打つって、
それ、治験せずに言われてる話でしょ?
「副反応って、あるぞあるぞって思ってると、思ってるせいで出るっていうよね。」
「うん、6割くらいはそれだって聞いた」
え………?
いや………?
私、12月にグランキューブで実際に体験を聴いたけど………。
ろくわり?ろくわりぐらいはって………?誰がそんな。
そんなにきちんとデータ出されてたっけ。
報告あがっているものだって氷山の一角。
まだ治験中、特例承認。
不思議なのは、感染症の後遺症は喧伝されるのに、そっちを心因性呼ばわりしようものなら不謹慎(決して感染症の後遺症を否定しているわけではない。さまざまな感染症に、後遺症はある)と糾弾されるが、治験中の劇薬の後遺症はこうもあっさり心因性にされるという、扱いの不均衡。
「………だったんだって。そのことを知り合いの医師に話したら、『4回目はやめたほうがいい』って言われたって聞いた」
「ふーん?まあ、医師もうるさく文句つけられたらめんどうだと思ったんでしょ」
「そうよねー」
同じ空間、同じ社会と思っていたけど、ここはパラレルワールドが交叉する世界だったのかもしれない。