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不自然な花粉という自然

山の中には多様な植物が生えているという当たり前のことを無視して数世代前の人間が異常に杉を植え付けたせいで子孫のわたしたちの街には異常に大量の花粉が飛んでくるという、よくよく考えたら予想できたはずの、そして杉を植え付けた当時に誰一人として予想しなかった未来が毎年順調に訪れています。

予想を超えていたのは花粉の量と同時にそれがアレルギーを引き起こすという斬新な病気の出現でした。

わたしは花粉症ではないですが、なぜかこの季節はクシャミが止まらないことが多いです、おかしいな、花粉症じゃないのに。

花粉症かどうかなんてどうでもいいです、わたしは花粉を徹底的に無視するスタイルを貫こうと思っているのでどんなにクシャミが出ようとも花粉症ではないと断言して生きる予定です。

異常な花粉に反応する身体の反応は自然です。

クシャミとは副作用ではなく異常を察知した身体が元に戻そうとしてるだけだからです。

トランプの側近だったバノンというアメリカのおじさんが今日テレビに出ていました。

辺野古の埋め立てに7割の日本人が反対しているがどう思うか?という質問に、バノンおじさんは

「アメリカは無条件に日本を守るわけではない、日本人は中国の軍事力を考えていない、中国は今年から国防費が増大していることを知っているか」

と答えていました。

本当に、人間はどこまでいっても自分の見たいものしか見れないようになっているのだと思いました。

たとえばわたしは辺野古と聞いて、沖縄のあの美しい青い海に黄色い土砂を投入する無残さ、そこに生きる生命のことを考え、そういう視点で埋め立ての様子を見ているわけですが、同じ辺野古と聞いてもバノンおじさんの眼球には習近平と全人代しか見えてないわけです。

海の美しさ、生命のすばらしさに最上級の価値があると考えるわたしと、世界の経済と軍事と政治とやらに最上級の価値があると考えるバノンおじさんとは、話しも趣味も何もかもが合わないのは当然です。

バノンのおっさんは来世はエビか何かに生まれ変わり、海の中で楽しく暮らしていたらある日突然やってきた人間がひっくり返した砂に埋もれて死ぬ体験でもしない限り、海を人間が泥まみれにすることの何がいけないのか永久に理解できないから仕方ない。

バノンだけじゃなく、世界の権力ポジションにいる人はみなそう考えているわけです。

だから地球の自然をブチ壊して平気の平左なのです。

数世代前の先祖たちがまわりの山の多種多様な木々を見渡して、杉だけを植えるのって変じゃないか、とごく当たり前のことを思わなかったばっかりに、子孫はクシャミが止まりません。

しかし先祖がゴメンゴメンとそれを謝って元に戻してくれることはなく、どんなに理不尽と思ってもいまを生きる自分たちの世代が直していく以外にないのです。

花粉が悪いのでしょうか?

杉はただ、古代から受け継がれた遺伝子のまま生命の営みをくりかえしているだけです。

花粉が大量に舞った時だけあらわれる花粉光環は、とても美しい虹の輪です。

人はかつて自分たちのやったことが原因であることも忘れ、この美しい自然現象を「それだけ花粉が飛んでいるのだ」と忌み嫌います。

見たいものしか見られない。

思ったものしかあらわれない。

人の行った自然破壊の象徴を提示するときでさえ、自然とは人に向かってこんなに美しいものを見せてくれるのだということに、ただ感動します。

#日記 #エッセイ #花粉 #自然現象 #自然破壊 #花粉光環 #虹



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