【オギャー番外編3】
もう続き書いてえらい!マんナカです。
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あの夜から
続いてBさん…と全員を紹介されても皆んな興味なくね?と冷静なリトルマんナカが囁くので、"私が泣くことをやめたきっかけ"について触れようと思います。
お隣のSさん
ある日の夕飯後。
同室全員のカーテンが空いていて、なんとなく皆でゆっくり話をする、そんな流れになった。
それぞれ事情を話す。
個々抱えているものがあってしんみりとした話が続いた。
私の隣のベット、Sさんの番が来た。
同室6人の中で唯一初産ではなく、上に5歳くらいの女の子がいるママだ。
幼稚園生の娘ちゃんはたまにお見舞いに来ると、体をぴっとりくっつけ甘えていた。二人でゴニョゴニョ話をし、10分くらいすると一緒に来た家族に促され帰ってしまう。ママの体と同室の人への気遣いだろう。
帰った後、とても寂しそうな顔をしているのを隣で見ていた。
Sさんは、少し前に読んだ本の話をしてくれた。
親のエゴだっていうのはわかっているんだけど、というのを前置きして。
「よく子供は親を選べないって言われてるけど、本当は親を選んでやってくるんだって。この人なら!ってやってくるんだって。それを読んだ時に頑張ろうって思ったんだ。」
それを聞いて考えた。
もし私を選んできてくれたんだとしたら?
まだ1,000gにも満たない小さいお腹の子が、逃げ場もなくお腹の中で誰より苦しんでいるお腹の子が、もしかしたら苦しむことをわかっていて、そんな思いまでしてきてくれたんだとしたら?
あぁ、私泣いてる場合じゃないな。
その日から私は泣かなくなった。
約1ヶ月毎日泣いていたのに、その話をきっかけに泣くことをやめられた。
親に苦労してる人もいる、欲しくても恵まれない人もいる、悲しいニュースもたくさん聞く、今回のは読んで苦しくなる人もいるかもしれない。ごめんなさい。
選んできてくれたわけじゃないとわかってはいても、それでもその時はそう思いたかったし、そう思うことで自分を保った。
少なくともあの時の私は助けられた。