後から泣いた
「頑張ってください!応援します!」
茨城なまりのその人は、若くはないのに、なんとなく男子学生がスーツ着ているかのような、ちょっと微笑ましい風貌で、真っ赤な顔で、相談者に名刺を渡していた。
その時は、横目で見て、微笑んだ程度だったのに、帰宅してどういうわけか、その時のことを思い出して、感動している自分がいた。
下手な加減なしの、全出しの魂がそこにあったからなのか?
自分でもわからない。熱い思い、のような物がじんわりと伝わってきた。
自分も頑張って、無理を実現できたから、同じような人を応援したい。
そんな熱い思い。
社会保険労務士、というのは、合格率が低く、極めて難しい国家試験らしい。
それを3-4年かけて、合格し、さらに行政書士まで、取ったという。
「どうして、社労士になったんですか?」
と聞いたら
「自分、7年前までは、工事現場の土方でした」
と。驚くことを話し出した。
最初は30分も、椅子に座っていることすら、苦痛でできなかったという。
社労士というのは、会社の人事や雇用に関する様々な事務手続きを代行する契約をして、会社の事務方を専門的に支援する。
社会保険、年金、などは、その業務範疇だ。
工事現場の肉体労働から、書類商売へのキャリアチェンジ。
周りは生え抜きの職人気質ばかりで、みんなに反対され、理解されなかった。
それでも、闇雲に勉強し、労働について、雇用について学んだ。
なんだか、後からじんわり突き上げてきた。
熱い思い、というものは、必ず残るのだろう。
そして、人に伝わっていくのだろう。
とっても美しい豊かな世界を、垣間見せてもらった。
あの時の熱量を、伝え切れない自分のボキャブラリーが、もどかしい。
けど、あの熱量に立ち会えて、本当に良かった。
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