みんなが今さら聞けないボジョレーヌーボーについて少し書きます。
今日は11月の17日。
ボジョレー・ヌーヴォー解禁日ということで、本日から自身のワインショップと居酒屋ではボジョレーイベントをしております。
日本では一時期、一大イベントとしてテレビでもたくさん報道されていましたが、だいぶ下火になってきた印象があります。
ただ、とは言ってもワインを生業としているものとして、ボジョレー・ヌーヴォーは昨年も今年も仕入れて販売をしております。
明日は自身の居酒屋も予約満席ですし、本日も何組かボジョレー・ヌーヴォを求めて予約が入っております。やはり腐ってもボジョレー・ヌーヴォ。
せっかくだから飲むか!となる方は多いです。
(僕もそう思っているので仕入れています。)
どの地域でも毎年ワインを造っているにも関わらず、なぜボジョレー・ヌーヴォのみがここまで注目されたのか。
実はボジョレー・ヌーヴォの生産量の半分くらいは日本で消費されています。
世界一のボジョレー・ヌーヴォ消費大国であるにも関わらず、その国の人間がボジョレー・ヌーヴォについて説明できないっていうのはちょっとあれだと思うので、皆が今さら聞けないボジョレー・ヌーヴォについて少し書いていこうかなと。
このnoteを読んでおけば、ボジョレー・ヌーヴォについてしっかり説明できるようになるようになるはず。
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ボジョレー・ヌーヴォとは
まずボジョレー・ヌーヴォとは、フランス・ブルゴーニュ地方の南部、ボジョレー地区で造られる新酒のこと。ヌーヴォーは新酒という意味です。
品種はガメイという品種を使用しています。
もともと、ボジョレー・ヌーヴォーはボジョレー地区の地酒でしたが、美味しいとの評判が少しずつ広まり、やがて世界中で愛飲される人気のワインとなりました。
人気に火が付き始めた当時は解禁日などは設けていなかったが、どこよりも早く売り出そうと、ワイナリー達が競争し始めた結果、まだ熟成していない品質の悪いヌーヴォが市場に出回るようになってしまった。
(お金に目がくらむと良いこと無いね!)
この状況を見かねたフランス政府が、1967年に11月11日に解禁日を設定。
日付を指定すると毎年曜日に左右されるため、1985年に11月の第三木曜日に設定され、今に至ります。
とりあえずここまで理解できてれば大方大丈夫です。
もう少し詳しく書いていきます。
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ボジョレー・ヌーヴォーの味わい
味わいはフルーティで渋みが少なく、非常に飲みやすいのが特徴。
理由は2つあって、1つは使用している『ガメイ』という品種の特徴であること。
もう一つは特殊な醸造方法『マセラシオン・カルボニック』です。
ここは覚えなくて全然良いと思いますが、知りたい人のために超簡単に説明。
通常の赤ワインは葡萄を破砕し、皮と種も一緒にマセラシオン(漬け込む)して造りますが、マセラシオン・カルボニックは炭酸ガス浸漬法と言って、タンクの中にブドウを房ごと入れて、ブドウの重みで下のブドウが自然に潰れ、アルコール発酵が徐々に行われる製法のこと。
種を漬け込む工程を行わないため、渋みの少ない味わいに仕上がるんだが、
この製法は厳密に説明しようとするとかなり難しいので今回はパスで。
僕もまだまだマセラシオン・カルボニックについては勉強中ですが、そのうち書いていこうかなと。
とりあえず「ボジョレーは通常の赤ワインと少し違った製法で造ってるんだよね」くらい覚えておけば万々歳かなと。
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ボジョレー地区でなぜガメイ種が使われているのか
もともとガメイはブルゴーニュのコート・ドール地区(ブルゴーニュワインで最も有名なエリア)で栽培されていました。
しかし14世紀頃、ブルゴーニュ公国を統治していたフィリップ2世は酸味の強いワインが苦手で、コート・ドール地区でのガメイの栽培を禁止。
(鬼の独裁政権やん!)
行き場を失ったガメイをボジョレー地区に移植したところ、「え!めっちゃうまいガメイになったやん!」と土壌、気候、品種がマッチしたのがいきさつみたいです。
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2022年のボジョレー・ヌーヴォーは?
今年2022年は気候に恵まれ、ブドウの生育は順調。良質なボジョレーヌーヴォーになっているので、VT的にはグッド!
ですが、記録的な円安とエネルギー価格の高騰で輸送コストも上昇。
昨年と比べるとかなり価格は高騰しています。
ただ、レストアでは小売価格+抜栓料1.000円で飲めるのでなんとか許容範囲内かと。グラスでも飲めるので、グラスで今年の味わいを体験してみるのも良いと思います。
ボジョレー・ヌーヴォーのこと理解できたでしょうか。
知っておいて損のないワインの教養かと思います。
では皆さん本日レストアで会いましょう!
ではまた!