POETRY 2
12桁の母よ
182個の原子の表紙よ
32767頭の半身不随の北極熊よ
氷の上にあらゆる不本意な税は縷々として一つのウスベドリの呼称を答えようと喘ぐ
呼び掛ける最後の犬は藍玉の大波に呑みこまれた八朔の結末を知らない
シマウマたちの怒涛の逃走をスーパーマーケットの屋上から見下ろすわずか7名の害なき市民たち
耳聡い紙袋たちからは朝日がこぼれ出す赤いトリケラトプスの頭と壁にピン止めされた頭脳のアイソレーション強かに星を揺り動かすその手には血が通っているのか
廓廖たる空に金色の思想は贖罪のダンボール箱と黄土色の毛蟹を召喚した
夢を見た栞が山鳥の電子部品にトマトを寄付したお揃いのマスキングテープで口を塞がれたこれ以上何が起きるというのか
やがて夜が明けると積み木の城は真新しいブナのテーブルに放られ捕虜のニシキヘビはげに100年ぶりの絶頂を体験する絹の地獄に耐えられない
みすぼらしいみすぼらしいみすぼらしいゲームボーイの阿修羅よ
一生不犯のエバーノートの象よ
善男なる驚きのコカ・コーラインターホンから見える審美眼電卓の上の種子植物マグネットの星たちコンバースの沙羅双樹たいしたことない鮮魚の律令俳諧のヨークシャー・テリア次から次へと燃えうつる節足動物はハツカネズミが地球を回しているのを見た永遠のヒグラシがまっしぐらに。
(2012年 5月。最初の節がわざとらしくてダサいけど最後らへんのコカ・コーラインターホンってとこがいい。)