POETRY 3
身体の中の工場は縦横無尽に巡る森のワイヤーと赤いパイプが青ざめて入り組んだ世界の両端を結んでいるそんな世界が僕を衝動に駆り立てる時もある
妊婦のようなアンバランスな欲望に黒く焦げた顔がもたれ掛かって陽が暮れれば眠ってしまう必要以上に気持ちを察して僕の怒りは途方もない
時には取り戻す大洋のような束の間の穏やかさをそれでも海鳥は蹂躙する蝋の海面に億の穴があく
古い歩調で象は歩く
朽ちた木の幹を踏み壊して
僕は消えたい
瞳から零れる一滴の涙のように
夕陽に包まれる地平線のように
(2012年 5月。POETRY1からの連作の最終章なんだけど特に関連もなく、僕は消えたいって言いたいだけなんじゃないか。)