全国ジュニア・ラグビーフットボール大会 取材メモ(前編)
12月27日、高校ラグビーと時を同じくにして、中学生の日本一を決める全国ジュニア・ラグビーフットボール大会が東京都で開幕し、男女含めて全20チームが熱戦を展開しました。
出場チーム
■第1ブロック
茨城県中学校代表、長野県スクール代表、東京都中学校代表、大阪府中学校代表、大阪府スクール代表、京都府中学校代表、福岡県代表、長崎県代表
■第2ブロック
群馬県スクール代表、神奈川県スクール代表、東京都スクール代表、秋田県中学校代表兵庫県スクール代表、愛知県中学校代表、広島県代表、大分県代表
■第3ブロック
東京都女子代表、兵庫県女子代表、大阪府女子代表、九州北部女子代表(福岡県・佐賀県)
私は第1ブロックを中心に女子の第3ブロックの一部の試合を取材しました。
1日目 試合結果と短評
福岡県代表17-12京都府中学校代表、長崎県代表12-21茨城県中学校代表、大阪府スクール代表57-5、東京都中学校代表12-45大阪府中学校代表、大阪府女子代表7-19九州北部女子代表
1日目に存在感を見せたのは大阪府スクール代表、大阪府中学校代表の大阪勢でした。ともにスキルフルなバックスが素早いパス回しで試合の主導権を握り、前半に大量リードを奪って勝利を掴みました。
特にスクール代表はキックも有効に織り交ぜながら、フォワードとバックスが一体となったアタックで、近年でも一番強力なチームとして参戦してきました。
前年の決勝戦と同じカードとなった福岡県代表と京都府中学校代表の試合は序盤からラック周辺で積極的にファイトした京都府中学校代表がリードを奪いましたが、福岡県代表が風上に立った後半から流れが一変し、ラストワンプレーで勝ち越しに成功して初戦を突破しました。
女子はFWに強みを持つ九州北部女子代表が大阪府女子代表に競り勝ち、決勝にコマを進めました。太陽生命カップは7人制、全国ジュニアは12人制ということもあり、前評判とはパワーバランスが少し異なるようです。
2日目 女子決勝&大阪対決の準決勝 試合結果と短評
2日目は第1ブロックは辰巳の森に会場を移し、準決勝を含めた4試合が行われました。
京都府中学校代表12-10長崎県代表、長野県スクール代表27-33東京都中学校代表
敗れはしたものの競技人口ならびに競技環境が決して恵まれているとは言えない長崎県代表と長野県スクール代表の奮闘は光りました。長崎県代表は毎年、FWとバックスが一体となったラグビーを見せていますが、今年も大柄なFW選手が身体を張り、バックスのアタックに繋ぎました。
長野県スクール代表はハンドリングスキルが高く、初日こそ大阪府スクール代表に圧倒されてしまいましたが、東京都中学校代表との試合では一進一退の攻防で最後まで奮闘しました。
準決勝 福岡県代表25-0茨城県中学校代表
初日の逆転勝利で勢いに乗った福岡県代表が強みのフィジカルで茨城県中学校代表を終始押し込み、シャットアウト勝利。昨年も一戦ごとに勢いに乗ってきましたが、今年も初日の勝利でチームが変化したように見えました。短期決戦ではこういった「勢い」が重要です。
準決勝 大阪府スクール代表19-14大阪府中学校代表
この日のハイライトとなる大阪対決。夏場の数河での関西ジャンボリーでは12-5で大阪府中学校代表が勝利しており、スクール代表にとってはリベンジマッチ。太陽生命カップでベスト4に進出した吹田ラグビースクールのメンバーが合流し、戦力も充実しました。
試合は序盤からスクール代表が主導権を握り、前半立て続けにトライをマークしてリードを奪うと、中学校代表は珍しくバックスラインでミスが続き、アタックが継続できません。
前半終了間際にもトライをマークしたスクール代表が19-0と大きくリード。後半、ようやく立て直した中学校代表は後半12分、16分と立て続けにトライを記録して追い上げますが、スクール代表が気迫のディフェンスで逃げ切りました。
第3ブロック 女子決勝
大阪対決が終了して、すぐさま辰巳の森から第3ブロック決勝が行われる夢の島へ移動しました。
(NTTドコモのシェアサイクルで移動、なかなか快適)
決勝は九州北部女子代表と兵庫県女子を破って進んできた東京都女子代表。
九州が強味のFWでしっかり前に出て、前半2トライを挙げてリード。
後半開始早々、東京が1本を返して3点差に迫ると、一進一退の攻防も東京が押し込み気味。何度もゴール前に迫られながらも九州が必死の守りで逃げ切りました。
九州北部女子代表は初優勝です。
それぞれの選手が自分の強みを活かしたプレーが印象的。特にSHでキャプテンの大谷選手、SOの谷山選手のHB団のゲームコントロールは巧みでした。
臨海特有の強風でゲームマネジメントが難しかったと思いますが「風下はボールキープ、簡単に蹴らないということを確認していました」と戦い方についても理解をできていたことは素晴らしかったです。