全て氷の中に閉じ込めて
全て忘れてしまおうと思っている。最近は本当、全て忘れてしまおうと、忘れるために忘れてもいいようにメモを取り写真を撮っている。
二十歳を過ぎたあたりからずっと「忘れられない今日を生きたい」と願ってきた。そして願いは叶った。願いを行動に起こし続けて、ほんとうに毎日が特別になったように思う。
いつも無い物ねだりの今日を想ってしまうよね。というより、現実はなかなかの解像度でこの身にふりかかってくるもんで、結構むごかったりするんだ。
特別な今日というのは情報量が多い。その情報量を全て抱えようとすると、地に足がつかない心地になってくる。身と心が乖離する。そして自分の性質上、恨みばかりを心に保管してしまうらしい。
面白いって、特別をやるって、結構しんどい。
ぜんぶ忘れようと思ってから、バカになったような気もするが心地良い今日を生きられるようになってきた。
「寝たら全部忘れる」と話す人たちのことがずっと意味不明だったけど、今は私もそんな感じになっている。寝たら忘れるし寝る前に全部忘れている。
揉めた人たちとどうして揉めたのかも、怒りを覚えていたことも恨んでいたことも最近は全部忘れることができる。なんて心地いいんだろう。
子どもの頃からもう人を恨まないでいいように、恨みを反芻して反省会を繰り返す日々だったけど、忘れてしまうのが一番前を向く方法だったな。
忘れられるってなんて気持ちいいんだろう。いずれ年老いて、私が私であることも忘れることができてそして、壊れていくんだろう。安寧が待っている。
全部忘れることができる、全部忘れることができるから、今日に降りかかる苦悩とハイタッチしよう。もう大体全部笑えるね。ありがとうね。
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写真で呼吸する記憶。
日々撮った写真の記録。考えたことの記録。
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