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草庵のお蕎麦
蕎麦を食いに行った。これはもう立派なオトナである。青年期から成人期への移行が最も顕著に現れるのが蕎麦である。身体的変化や精神的成長ではない。もう一度言う、蕎麦である。
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私は成年期に足を踏み入れるのが恐らく遅かった。拉麺と饂飩の二択はあれどその場に蕎麦の席は無論ない。オトナのフリをしたコドモだったのだ。ギクッとした君、はやくコッチ側に来たまえ。僕は待ってるよ。
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口内に広がるオトナの色気。蕎麦は拉麺や饂飩と違う。コドモの彼らはこれ見よがしにお下品な言葉遣いで笑い合う。もう一度言う、蕎麦は違う。触れるべきでないトコロはオブラートに包んで、ウィットに富んだ語りを見せたかと思えばクスッと笑う。そう、オトナなのである。
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それでも蕎麦よ。同じ麺類、皆で足並みを揃えるのもオトナなんじゃあないのか。何も一人だけオトナ料金で入ることはないじゃあないか。ええ?それなら来るな? ヘ、ヘイ...