フィリピン現地採用の光と闇②(生存戦略)

前回の話をまとめると、1、現地採用についてはいろいろな境遇の人がいろいろな感想を言っており鵜呑みにしない2,製造業は給料安いから避けるべし、となる。

では商社や広告代理店を狙えばいいかというとそう単純ではない。
(念のため付言すると、この話はフィリピンのみならず東南アジア、欧米でも特に日系企業で働く限りは変わらないと思われる。)

というのも、商社や代理店など日本で有名、好待遇な企業でも現地法人となるとやはり薄給だから。例えば博報堂とか三井物産のような企業の求人票を見たが、地方の製造業者の待遇とほとんど変わらない。

これは現地採用の給与水準が決定されている仕組みに関わる。現地採用では労働市場で競争があまり働かない。ただ、慣習と微調整によって、例えばフィリピンでは月給8万~11万ペソ程度と決まっている。
せいぜい数百社程度の日系企業が、ちらほらやってくる就職希望の日本人を受け入れる。おそらくその過程で最適化されたシステムなのだろう。

現地採用で好待遇を得たければ、A、経理などの要資格の仕事、B、特定の経験が必要な専門職を探すべし。特に経理や会計はどの会社も必要な反面、日本人の獲得が極端に難しい。簡単に平均以上の給与のオファーが手に入るだろう。金融やコンサルなどの専門職的な仕事も、営業よりかは良い待遇が見込める。

しかし、上記を満たしても待遇はせいぜい日本円で年収700万(東南アジアでは)までが限度であろう。これより上を目指すならば、欧米企業に転職するか、自営業者になるしかない。営業の人は特に欧米企業への転職を狙うべし。

現地採用として1,2年働いたら、次の仕事を探すのが良い。企業は、少なくとも海外での就労が問題なく可能で、現地人とのやり取りも問題ないとみなしてくれるだろうから、給料も多少上げてくれるだろう。

そもそも、こんなふざけた待遇が一般化してしまったのは、これまで現地採用として働いてきた人たちが、そういう待遇に甘んじてきたからだ。待遇に少しでも不満があれば転職すべし。個人個人がそうすることで、自然と労働力の相場は上がっていく。 続く

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