子供同士の約束
「お正月に〇〇ちゃんと△△ちゃんと、
遊ぶ約束したんだけど...!」
ニヤニヤしながら、娘がそう私に伝えてきた。
「ねえ、遊んでもいい?いいでしょ?」と、
確信犯的に私の表情を伺いながら聞いてくる。
「えっと....お正月って1月1日のこと…?」
そう聞くと、
娘は分かってるのか分かってないのか
「そう、お正月だよ」という。
流石に元旦は相手の親御さんも
ゆっくりしたいだろうし、
ウチもそう。
そんな訳で、お正月ではなく、
「お正月休みの間のどこかで、どうだろう?」
そう提案する。
「ウンウン、わかった、わかった!」と
日にちのことよりも、
許可が出たことが嬉しかったらしく
鼻歌交じりに去っていった。
*
こんな形でのやり取りを
何日も何往復も娘と行い、
やっと概要が決まってきた。
「1月〇日の9時に△△公園で」
・・・
9時ですか….?
ちょっと早くないですか?
公園、まだその時間、寒くないですか….?
我が家だけだったらまだいいけど、、
他のお友達や親御さんまで
巻き添いになるのは
ちょっとどうかと思い、
別の時間帯を提案してみる。
でも、「みんなで決めたから」
と、娘の「9時」への決意は変わらない。
**
そして昨日、
約束をしているお友達のお母さんと
保育園ですれ違うタイミングに出会う。
一瞬、例の「9時待ち合わせの件」を
聞いてみようか....。
そう思うも、結局そのまま
やり過ごすことにした。
きっと親同士でその話をした時点で、
その約束は
何らかの形で「答え」が出てしまう。
それに、お正月休みはそれぞれの予定、
家庭の事情というものがある。
無理に「朝9時の待ち合わせ」を
強制する形になってしまう恐れもある。
だからこれ以上は介入しないでおこう。
***
来年早々、我が家は朝9時に公園へ行く。
誰一人として来ないかもしれないし、
もしかしたら、誰か来るかもしれない。
どちらにしても、
恐らく極寒に震えながら、
小一時間か二時間か
公園で遊ぶことになる。
どんな結果であっても、
子供たちが相談して決めた約束だから
納得がいくまで付き合うつもりだ。
だからせめて、
ヒートテックと手袋と、
ニット帽にマフラーと
ブーツを履いて、その日に挑もう。
子供達の約束は、唐突であやふやで、
沢山の遠回りもあるけれど、
なんだかとても楽しそう。