猫と法善寺と2人のをんな
道頓堀の劇場へ落語を見に行ったあと、人ひとりがやっと通れるくらいの小路を抜けて、大通りから法善寺横丁の水掛け不動へとたどり着いた。いた。まだいた!
塀の上で白に黒ブチもようの猫がやすんでいた。
ライブが始まる前、まだ日が沈みきっていない時間にここを通ったときにも、こいつはいた。そのときは、爺さんの横で静かに座っていたのだが。
「ツッツッ」と舌を鳴らすと、こちらを見下ろした。
険のない、スンとした目つきが愛らしい。
すっかり夜が更けてしまったのに、ぱっちりと目が開いていて元気