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プロミシング・ヤング・ウーマンを見た  記:大橋

さまざまな伏線も見事に回収して着地させる。素晴らしい脚本だ。しかし内容がグルーミー過ぎて誰にもお勧めできないのが歯痒い。

----------トラウマの克服と死者の弔い

トラウマというのは癒すものではなく、無関係になるものだと言ったのは村上龍だが、この主人公は代替行為でもってそれを癒そうしてしまう。
そして、不幸になる。

何をしても傷は癒ないし、意識的になることで忘却することも叶わなくなる。
辛い時間が引き延ばされるだけだ。
しかし彼女はそれを止めることはできない。
なぜなら忘れないことが死者を弔う唯一の方法だからだ。

この不幸のコンボを主人公に課しただけでも相当残酷なことなのに、さらに追い討ちをかけるのだから、救いがない。

でも私はこういう出口をコンクリで塞いでしまって、誰もが酸欠になるようなお話が大好きなんです。

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