月と六文銭・第十四章(12)<先行公開>
田口静香の話は続いていた。厚労省での新薬承認を巡る不思議な事件に武田は引き込まれ、その先の展開に興味を示していた。
厚生労働省とパイザーの新薬承認を巡る交渉でパイザー側は担当の課長補佐・友田泰弘と事務官・服部昌子を狙って行動を起こした。
~ファラデーの揺り籠~(12)
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服部は立ち上がりにくいのか、少しためらってからファイルを腹の前に持ち直して、軽く会釈して左を向いた。そのまま事務室に繋がっている扉に向かって歩き出した。
ウェインスタインが音は出さなかったもの