月と六文銭・第十四章(47)
工作員・田口静香は厚生労働省での新薬承認にまつわる自殺や怪死事件を追い、時には看護師、時には生保営業社員の高島都に扮し、米大手製薬会社の営業社員・ネイサン・ウェインスタインに迫っていた。
彼との情事を2度経験したが、分析用の記録映像は、物事にあまり動じない田口でも赤面するほど恥ずかしい自分の姿を記録したものだった。
~ファラデーの揺り籠~(47)
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都は恥ずかしさで顔を真っ赤にしたまま気を取り直して、もう一度画像を戻して、電磁波の動きを観察した。電磁波はガッと