ドラゴンボールは発明の宝庫!
こんにちは、マンガナイトの木嶋です。
さてさて、マンガピットの月1定例イベント、3月は「鳥山明先生がくれたもの」を語る会でした。
鳥山明先生の他の作品の話もありましたが、メインはやっぱりドラゴンボール!ということで今回は「ドラゴンボール作品のどこがすごかったのか」を中心に話は進んで行きました。
そんなイベントの様子をレポートでお送りします。
■ 元々イラストレーター志望
まず参加者が驚いた話として出てきたのは、キャリアの話。
「鳥山明先生は漫画家志望ではなく、イラストレーター志望だった」からこそ、他の漫画家さんとは一線を画す作品を生みだせたのではないかという話があり、画角だったり構成だったりが一枚の絵として完成されていることや、メカの描写についても「本当にありそうな」描かれ方がされていることはなるほどなという点でした。
■ 孫悟空のわかりやすさ
そして、主人公・孫悟空のキャラクターのわかりやすさ。
「戦いのことしか考えていない」キャラを際立たせるためなのか、例えば子ども(孫御飯)の学校の話や子育ての話、出産の立会なんかのシーンはすべて他人事。あのベジータでさえ、地球のピンチでもブルマの出産に立会おうとするシーンで「かまうもんか!」と言ってしまう悟空。。自分の周りにいたら困ってしまうけれど、マンガの中の話として描き切っていることが「逆にすごい」という話もありました。
■ 海外での反響
海外での知名度も他のマンガ作品とはレベルの違う影響があり、南米では訃報を受けて大合唱が生まれたりニュースにもなっています。海外で人気の日本の作品として思いつくものを出してみたらやっぱり「ドラゴンボール、ワンピース、ポケモン」というイメージで、世界で受け入れられた背景として「どこの世界にも当てはまりそうな世界観」を描いていたこと、例えば小さな島国のシーンがあったり、砂漠のど真ん中だったり、アジア・中華風の建築や西洋風の都会のシーンなどが描かれていたことも受け入れられた要素にあったのでは、という話が出ていました。
■ 話の流れ、終わらせ方
そしてこれは僕の感想でもあるのですが、僕は鳥山明先生のドラゴンボールのどこかのインタビューで「ワクワクさせながら話を終わらせることを意識している」と話していたのが一番印象に残っていて、自分が企画をするときにもいつもそれを意識しています。イベントの告知でもなにかを伝えるときにも、それがこの先のどんな楽しみにつながっているかをチラっと伝えることで人のワクワク感は増えていったりしますよね。これが、僕が鳥山明先生にもらった一番のものだったなとずっと思っています。
そんなワクワク感の持たせ方も含めて話の流れをつくるのがとてもうまく、次に出てくるいろいろな発明もアクセントになって驚きや夢をたくさん持たせてくれた漫画家さんだったなと改めて思いますね。
■ 発明の宝庫であるドラゴンボール
そして、昨日一番盛り上がった話がこちら。ドラゴンボールにはそれまでになかった概念やツールがたくさん!「なんでこんなこと思いつくの!?」という発明の数々は、聞いてる方も楽しめる面白い話題でした。^^
ドラゴンボール:
まずは7つ集めると願いが叶う不思議な球という「ドラゴンボール」をつくったことが一番すごいよね!と。ホイポイカプセル:
これもすごかった!あんなに手軽に持ち運べて、元に戻せるものがあったら便利すぎる!どこでもドアと並ぶ発明だったのではないかと。死んでも生き返る設定:
これも他のマンガにはなかった概念!「死んだら終わり」「死んだと思ってたのに生きていた」はあったものの、「生き返る前提だから自爆が戦術として成り立つ」「ドラゴンボールで生き返らせるという作戦がみんなの合意を得られる」のは新しい設定でしたねと。神様も上には上がいる世界観というか宇宙観:
神様で終わりではなく、その神様の上にも神様が何人も何層もいて、地球も何個かあってみたいな壮大な宇宙観はドラゴンボールらしさ。「そんなのあり!?」「自分の見えている世界はなんて小さいんだ」と思うスケールの大きさでした。髪の色で強さを変える:
白黒ベースのマンガなのに髪の色が金髪から赤、青、白と変わっていきながら強さが変わっていくところ。スカウターと戦闘力:
強さをはかるために数値化し、それをスカウターで計測できるようにしたというのも新しかったですね。どっちが強いのか、どのくらい桁違いに強いのかがわかるようになったのも、計測不能でスカウターが壊れる、というのも強すぎる敵を表現するのにとてもわかりやすいなと。元気玉:
みんなの力を集めるのが最強の武器、というわかりやすい必殺技。仙豆や超神水:
豆ひとつで瞬時に全快!とか設定がすごい。精神と時の部屋:
これも普通は思いつかないですよね!こんな部屋があったら…話のつじつまを一気に合わせられる夢の概念!
などなど。ここの話は「あれもあった」「これもあったよね」とかポンポン出てきて盛り上がりましたね~!ドラゴンボールがみんなの共通言語であり共通の概念となっていることを改めて感じた時間でもありました。楽しかった~!^^
■ 内容がない!?
と、ここまで褒めたたえてきたドラゴンボールですが、実は意外と「印象的なセリフはあっても、人生訓とするような名ゼリフはないかも」という話も出ていました。「クリリンのことかー!!」「今のは痛かったぞー!!」「弾けて混ざれ!!」「私の戦闘力は53万です」みたいな「あれね」で通じるセリフはあれど、「ドラゴンボールのあのセリフで人生変わった」的な話はあんまりないかもねと。で、その話の流れで出てきたこちらの記事中で書かれているこの部分。
"「内容がないのが好き」という鳥山さんと、「感動的で人間的なエピソードを入れたい」という桂さんの間で、さまざまなやりとりがあったことが語られている。"
「内容がないのが好き」って言いきれる鳥山明先生もすごいよね、と。この記事を共有しながら、参加者一同そういうセリフが少ないことを納得させられたのでした。
他にも、悟空が一気に成長して、いきなり悟飯が生まれてたりしているのは鳥山明先生が恋愛シーンや描きたくないものを描かずに話を進めるためだったりして、逆に後からそこに設定を付け足せる余白になっているので、かえって好都合だったのかもね、なんて話も出たりしていました。
■ おやつはカカオ工房トリビュート
そんな昨日は、参加者がトリビュートのチョコレートを持ってきてくれたのでそちらをおやつにしながら楽しんでました。
こちらのチョコ、甘さ控えめなもののにがさもなくてとてもおいしいチョコでした。いろいろ種類がある板チョコタイプなので食べ比べをしながら楽しめて、こういう集まりの際にオススメです。ぜひ東長崎に足を延ばして、立ち寄ってみてくださいね。^^
今回の月1定例イベント、盛り上がった「鳥山明先生のくれたもの」を語る会はそんな感じで閉会となりました。
ご参加いただいたみなさん、どうもありがとうございました!
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