東海道阿野三島満願成就膝栗毛 初日。三河国 岡崎宿。岡崎市内に残る唯一の一般公衆浴場である「龍城温泉」。
この場所に到着したのはちょうど四時頃だった。それまで銭湯の中では何か催し物が行われていたらしい。ギターを使ったコンサートだったようだ。
銭湯の営業は四時から。コンサートが終わり、入れ替わり立ち替わりで開店する直前である。男湯女湯の暖簾を出す女将。
炎天下の膝栗毛で汗だくだ。「ちやうどいい。ひとつ、風呂を浴びて行かう」と思ったのであった。
五十年以上時間が止まっている銭湯の中の様子。
あんま機。故障してから何年が経過しているのだろう。壊れてなさそうな方も本当に動くのか。
サウナ室。一人用。脱衣所の真ん中に設置してある。というより置いてあるだけ。入ってみようと思ったが止めた。
ロッカー。扉の上には手拭掛がある。下は何か。灰皿かもしくは石鹸置きか。
料金は380円。愛知県下は420円に統一されているが、何かの事情で380円になっていると番台の女将が教えてくれた。詳しいことは忘れた。女将の話では水はたしか水道を使っているということだった。そのため、採算はギリギリだという。井戸水ならかなり楽になると嘆いていた。