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父か母の宝物を、私は隠れて持ち出した

一人暮らしの家に、密かに持ってきたもの

私は18歳で家を出ました。
大学へ進学し、一人暮らしをするためです。

その際に実家から持ってきたものがあります。
親にも内緒で。

それは、古い小さな詩集です。

ボロボロの封筒に包まれた小さな詩集

実家の本棚に隠すように保管されていた詩集

この本は私が小学生のときに、
実家の本棚から見つけました。

両親もそこまですごく読書家というわけではありませんが
それでも、時には本を買って読んでおり
そういったものが本棚に置かれていました。

大抵はミステリー小説だったので
小学生の私には少しむずかしい内容でした。

その中にふと、
茶色い封筒にはいった、何かを見つけました。

恐る恐る封筒を開けてみると
古い小さな詩集がありました。2冊。

なんとなく、中身が気になって
その詩集を開きました。

そこから、一気に読みました。
流れる涙を止めることなく。
私は読み続けました。


父か母、
どちらが買ったかもわからない。

いつ、買ったのかも、

なぜ、隠すように、

それでも、大事にしているように、

茶色い封筒に入れて
本棚の奥の方に保管していたのかは、

何もわかりません。

ただ、言えることは
私には、この詩集が必要で、
出会って以降は、
私の宝物にもなった、
ということでした。

実家を出るまでの間は
保管場所を変えず

ただ、何かあるごとに
こっそりと、その詩集を開き

数ある詩の中から
今の自分に必要な詩を読み
涙を流し、
心を癒やしてきました。

そして、実家を離れる時、
これから歩む先の長い人生に、
どうしてもこの詩集が必要だと思い
私は持ち出すことを決めました。

親にも内緒で。ひっそりと。

ひとりぼっちの愛の歌

古い小さな詩集2冊

その時々、
自分の置かれている状況によって
心の琴線に触れる詩が変わるので
面白いなと思います。

恋に苦しんでいる時、
孤独を感じている時、
自分の人生に不安を感じてつぶれそうになった時

そんな時にこの詩集を開きました。

思わず涙を流してしまう
まるで今の自分の心を表しているような
そんな詩がたくさんありました。

noteを書くようになって一ヶ月ほどですが、
何を書こうか迷い、
自分の心と向き合うことが多くなりました。

そうなると、久々にこの詩集を開きたくなりました。

かわいいイラストと共に添えられた詩のものや
詩だけのものとが混在しています。

そんなたくさんの詩の中で、
今の私にはこの詩が必要だったようです。

つらい人生

こんなにつらい人生を
送ってきたのだもの
幸福なひとときがなければ
わたしが可哀そうです
ほんの少し
そよ風がわたしの髪を
とかしてくれるような
ほんの少し
愛する人のうでの中で
ねむることが出来るような
ほんの少し
わたしの心が生きていてよかったと
叫んでくれるような
ほんの少し
そんなひとときがなければ
つらい人生で傷ついてしまっている
わたしの心が
可愛そうです

ひとりぼっちの愛の歌第3集より  著:須永博士

号泣

改めて、この詩集のインパクトを実感しました。

号泣です。

あぁ、わたし疲れていたんだな、と
改めて実感しました。

20歳の父か母には、どの詩が響いたのかな

詩集の後ろを見てみると、
この詩集は昭和48年、49年に出版されていました。
当時父もしくは母は20歳前後です。

20歳前後の父母には、
どの詩が心に響いたのでしょうか。
どの詩を励みにしていたのでしょうか。

一生聞くことは出来ないけれど
なんだかそんなことを想像するだけで
両親のことを身近に感じます。


50年近く経っている詩集

親子分、まとめて感謝を伝えたい

調べたところ、
この須永博士さま、
まだご存命とのこと。

熊本で美術館をされており、
インスタグラムも開設しておりました。

インスタグラムを拝見する限り、
やはり須永博士さんの詩に出会い、
支えに生きている方が多くいるようです。

調べるのが大変遅くなりましたが、
間に合うならば、
是非直接お会いして
親子分まとめて、
感謝を伝えたいなと思っています。



最後までお読みいただきありがとうございます。
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