週刊少年ジャンプ2022年50号感想!

とりあえず、noteでは今週の個人的TOP3の作品について感想を書いていきます。その他の作品についてはTwitter(https://twitter.com/manga_daisuki_d/status/1592017091233828864?s=20&t=6MIHMapbFUsoLhtedsmo6w)で書いてますのでよければそちらも見てみてください。

第一位:一ノ瀬家の大罪

いやぁ、面白すぎる!!設定としては『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』に近いのかな?とは思ったけど、まあ作風は全然被ってないし、こんなのでいちいちパクリだなんだの言ってたら漫画なんて一生描けないので黙っておきましょう。いや、たぶん一生漫画は描かないけど。
それにしても、導入からとても綺麗だった。お兄ちゃんと呼ぶ妹らしき少女のカットから、目覚める主人公、心配そうに囲む家族っぽい人たち。お、こういう系か、と思う読者の気持ちを代弁するかのような「ドラマの中みたいだ」という独白。あーやっぱり記憶ないのね、なんて思ってたら、全員記憶喪失なんかい!!ここで一気に作品に色がついて、惹き込まれる。ワクワクしながら読んでいると、妹ちゃんとのひと悶着で冒頭のカットも回収、一山越えてよかったね。いい1話やん、、、って思ってたらなんやあのラスト!!もう一山あったのね!?タイザン5先生は、タコピーが有名になりすぎてこの展開は予想通りって人も多いと思うけど、『ヒーローコンプレックス』とか、あったかい家族を描くのも非常にうまい人なんです。まあ今作はタイトルからしてただのホームコメディじゃないとは思ってたけど、いったん起承転結を描いて油断させてからの落差はくるとわかっててもとてつもない衝撃でした。家族はみんな明るくしてるけど、内心不安でたまらんだろうし、来週以降はどうなるのか。疑心暗鬼でばらばらになるのか、それでも家族一丸頑張っていこう!ってなるのか。本当に予想がつかないし、どっちに転んでも面白そう。

第2位:PPPPPP

今回、やけに短い気がしてわざわざページ数数えたんですよね。そしたら、19ページ。いつも通りでした。台詞が少なくて見開きが多かったのが原因だと思うんですけど、ファンタの演奏はとても短くて言ってしまえば少し物足りないように感じてしまいました。じゃあなんでアンケート入れてるんだという話ですが、これは打ち切り回避の応援の側面が強いです。もちろん面白いからいれたってのも嘘じゃないですけど。今回もぞくぞくするところめちゃくちゃありましたよ。例えば最後の煽り文「最後まで楽しませるのが彼の価値だから―…」ってこれ、やばい。もう鳥肌。前話で一気にファンタの弱い所というか、人間臭いところを見せて、決別したはずのママンに揺さぶられ、唯一無二なはずの自分の演奏は運にコピられ、同じ「天才」でもソラチカには敵わないと痛感する。そんな心ボロボロの状況でも、彼はお客さんのことを第一に考える。それが彼の価値だから。彼はそう信じているから。彼には似合わない言葉かもしれないけれど、僕は彼をとても「健気」だと感じました。同時に、自分が信じた自分を、裏切り、否定する勇気は彼にはないのだろうと、少し寂しいような気分になりました。ファンタ編の終幕も近いと思うけれど、どんな着地をするのかしら。とても楽しみです。

アオのハコ

辛いなあ。雛が辛いのはもちろん、大喜も辛いやろう。「今までの関係が壊れること」を恐れるのは必ずしも告白する側だけじゃなくて、でも「仲良しの友達」から「告白の返事待ち」に変わってしまったことは事実で、それにどうしようもなく罪悪感を感じている。雛からしてみれば、「今返事されること」=「振られること」なのはわかっているから、返事は要らない、ほしくない。大喜は今のなあなあの状況が雛を傷つけると言っていたけど、それはあくまで振る側の、好かれている側の論理。もちろんそれは正しいのだけれど、好きな人に振られることは、その人しかいない世界の喪失。慢性的に傷ついても、決定的に傷つかないならそれでいい、それがいい。そんな振られる側の論理は、伝わらない。
そして菖蒲ちゃん。経験豊富そうにみえて実は恋愛初心者の彼女は、雛の恋愛をある種「教科書的な、理想的なもの」と捉えていたのかもしれない。正しい恋は、実るべきだ。だから彼女は、安易に、愚直に、シンプルに、雛の恋を応援していたのだろう。しかし、恋は実らなかった。しかも自分がその結末を作ってしまった。菖蒲にはその理由がわからないのではないだろうか。大喜に対し、なんで?どうして?と詰め寄るかもしれない。繰り返しになるが、彼女は恋愛初心者だ。教科書に書いてある方程式が間違っているなんて、想像もできないだろう。いい意味でも悪い意味でも、彼女は場を引っ掻き回す。ここ数週ですっかり雛に共感(あるいは同情)させられてしまった我々は、これ以上雛が傷つかないことを祈るばかりだ。頼むぜ、菖蒲ちゃん。

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