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【2022年度最新情報】NST専門療法士試験 勉強のポイントと出題内容

はじめに

著者は病院薬剤師として院内で栄養サポートチーム(以下NST)に所属しています。今回2022年度のNST専門療法士を受験し、同じ道を目指す薬剤師、看護師、栄養士、多職種の方々に向けて参考になればと思い、実際の試験の内容も踏まえて記事にしました!
途中までは無料公開していますので、ぜひ覗いていってくださいね。

1.NST専門療法士とは

NST専門療法士とは、日本臨床栄養代謝学会(以下JSPEN)が認定する専門資格です。主に静脈栄養・経腸栄養の専門家ということですね。

試験を受ける条件として
①管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、診療放射線技師のいずれかの資格があること
②5年以上、医療・福祉施設に勤務し、当該施設において栄養サポートに関する業務に従事した経験を有すること
③必要単位を30単位以上有していること
④JSPENにより認定された認定教育施設において、合計40時間の実地修練を修了していること
といった条件があります。

引用:日本臨床栄養代謝学会公式HP

この受験資格を得るために、最低5年は必要となります。
上記では詳細は省きましたが、必要単位を集めるためにも最低2年はかかるので長い道のりです…。

2.資格をとるメリット

こんなに大変な思いをして資格をとるなら、さぞかしメリットがあるのでは?と、当初は私も考えましたが…

NST活動をするだけなら、正直ここまでするメリットはありません!!!(持論です)

ええ…じゃあいいです…と踵を返しそうになりますが、特に将来の転職も考えている方!もう少しお付き合いください。

実際にNSTのメンバーとして活動を行い、毎週の算定をとるなら先述した40時間の実地修練は必須です。
NSTの算定要件として、「所定の研修を修了した医師、看護師、薬剤師、管理栄養士からなるメンバーで構成する」と明記されているからです。

私もNSTメンバーとしてやっていくだけなら40時間の実地修練まででよかったのですが、将来転職する可能性も見越して資格をとることにしました。

本題からそれてしまうので端的に言いますと、履歴書の見栄えのためです。
「NST活動に使える研修を受けました!」
というのと
「私はNSTの専門家です!」
というのでは全く印象が違ってきますよね。
他の医療従事者の方も同じかもしれませんが、薬剤師は転職がとても多い職種です。将来を考えたときに、少しでもアピールポイントを作って市場価値を高めておきたい!というのが私の中では大きな理由でした。

単にNST活動を行う中でも、「研修を受けただけの人」と「専門家」では知識や技量の信頼度が桁違いだと思いますし、看板という意味でも専門資格は取っておいて損はないでしょう。

3.試験勉強に使った書籍・具体的な勉強方法

⑴参考書・問題集

おそらく多くの人が同じものを使っているのではないでしょうか。
私もJSPENが発行している王道の書籍を使って勉強しました。
・静脈経腸栄養テキストブック
・日本静脈経腸栄養学会認定試験 基本問題集
・日本静脈経腸栄養学会 NST専門療法士認定試験 過去問題集Ⅰ

の3冊です。
ガイドラインを使う方もいらっしゃるかもしれませんが、普段NST活動に従事している方なら日常的に読む機会も多いと思いますので、わざわざ購入して1から読む必要はないと思います。

注意点としては、当たり前ですが最新版を購入してください!
私は2019年に一度テキストブックを購入していたので新規購入はしなかったのですが、情報が少し古かったのか本番で1問落としました。(たぶん)
現在の最新版は2021年度版です。2年おきに更新されていますのでご注意を。気になる本番についての詳細は後述します。
※基本問題集(2012年度発行)、過去問題集Ⅰ(2016年度発行)の2冊については、2022年11月現在、新規での発行はされていません。

基本の勉強はこの3冊で事足りると思います。
受験セミナーや実地修練でも分厚い資料をもらいますが、正直なところ内容はテキストブックとかなり重複しています。
書籍が増えると勉強の仕方も複雑になりますので、できる限りコンパクトにするのをオススメします!



⑵勉強を始めた時期・勉強法

私が勉強を始めた時期ですが、試験の1か月前からでした。
え、遅くない??と思われそうですが、私自身が試験をなめていたのが原因です。
というのも、
「NSTの試験は合格率70%はあるからね~」(主任栄養士)
「薬剤師はまず落ちんやろ(笑)これ落ちたらお前免許返納しろ(笑)」(主任薬剤師)
といった周囲の声があり、「へえ~簡単なんだ!!」と思い込んでいたからです。
しかしこの話には落とし穴がありまして、この2人どちらも40代の方なんですね。おおよそ20年前の話です。あてになりません。試験当日も、「むずくない!?!?」と心の中で叫びました。

ギリギリから勉強して後悔した身として、2か月~3か月前から勉強を始めるのをオススメします。ネットで情報収集してみたところ、半年前から準備を始めた方もいらっしゃいました。
まず基本問題集or過去問をチラ見してみて、これを解けるようになるにはどれくらいの勉強時間が必要か、平日・休日でどれだけ勉強時間を確保できるかをざっと考え、試験日から逆算して準備を始めてみてください。


続いて具体的な勉強方法ですが、
とにかく3冊の書籍を周回する!!!。これに尽きます。
ただし、取り掛かる順番と書籍を読むポイントはかなり重要で、ここを間違えるとおそらくかなりの時間をロスします。

必ず基本問題集・過去問→テキストブックの順番で読んでください。
そして問題集の解説部分とテキストブックは、1周目は細部まで丁寧に読んでください。

テキストブックを先に読んで、全容を理解してから問題に取り掛かりたい!という方もいらっしゃるかもしれません。私もどちらかというとそっちのタイプです。いきなり問題を解いて間違えまくるのが怖いから。
しかし問題に挑んでからテキストを開いたほうが、情報の吸収力は明らかに高いです!
問題でどこを問われるか?何を重点的に覚えたらいいのか?情報の要・不要、学習のポイントを事前に整理できるからです。
テキストブックは600ページありますので、前情報なしでやみくもに読み進めるのは非常に効率が悪いでしょう。日々の業務をこなしながらの勉強になりますし、限られた時間は有効に使っていきたいですね。

また、問題集・過去問の解説部分は丁寧に読んでください。
学生時代には問題と答えを覚えて定期試験を通過する人たちがいましたが、そのやり方だと確実に落ちます。当然、過去問がそのまんま出題されることはありません。
解説部分は試験で問いたいポイントがぎゅっと凝縮されていますので、まずはここを理解しておきたいです。
その後テキストブックを開いたときは、太文字でない部分もしっかり読みましょう。太文字でもなんでもない、ちょっとした1行から出題されていることもあります。ページ数が多いからと太文字部分だけを追っていると、これもまた落ちると思います。問題集を解いた後なら、太文字じゃないけどなんとなく大事そうだな…と感覚的にわかりますので、しっかりマークしておきましょう。

ここで参考までに、私の1か月のスケジュールをご紹介します。
1週目:基本問題集と過去問を1周する。
2週目:テキストブックを1周する。(ここで気になるページに付箋)
3週目:もう一度基本問題集と過去問を1周する。
4週目:基本問題集・過去問・テキストブックの付箋ページをとにかく周回する。
といった感じでした。
テキストブックが600ページ、基本問題集が150ページ、過去問が200ページありますので、いかにギリギリだったかがよく分かるかと思います…。

さてここからは、気になる当日の様子、予想合格率、実際に出題された問題についてお話ししようと思います。


3.試験当日の会場の様子

2022年度の試験会場は、京都国際会館でした。毎年ここで行われていると思います。
私はイベントホールでの受験だったのですが、京都国際会館にはホール会場が複数あります。受験会場として使われていたのは、イベントホール・ニューホール・アネックスホールの3か所でした。誘導係の方が複数人、大声で声掛けされているので迷うことはまずありませんが、受験票に記載された試験会場とアクセスは事前にしっかりチェックしましょう。

その後受付レーンに進むのですが、長蛇の列です。
試験開始が13時、受付開始が12時15分からとされていたので12時20分くらいに受付に行ったのですが、10分ほど時間がかかりました。

そして会場入りして驚いたのが、ほとんどの人がすでに着席していたこと!
12時15分からの受付じゃなかったんですか…??
おそらく受付時間より前に行っても中に入れます。この事前情報はできれば欲しかった…。

もうひとつ注意点としては、12時35分の時点で全員着席・机上を空にさせられることです!
12時30分に席につき、荷物をおいてトイレの列に並ぶと途中でタイムアップになりました。受験者は女性が大半なので、トイレは超・超・大行列です。
トイレは試験中にも行けますが、事前に済ますか早めに会場入りしましょう。私は泣く泣く諦めて、試験終了まで我慢しました…。
席についてからも少し復習できるかなと思っていたのですが、思ったより時間がなかったです。

また、会場まで持っていく勉強資料ですが、私は過去問と基本問題集に絞りました。テキストブックは重いし、電車の中で広げたりしづらいからです。
その代わりテキストブックの中で重要と思われるページをスマホで撮っておきました。移動中の電車内や、なんならトイレ待ちの列でも見ることができるのでオススメです。

4.会場規模・過去情報からみた予想合格率

NST専門療法士の試験は合格率、合格ラインともに非公開です。
そもそも合格の基準が点数なのか、はたまた上位者から順に一定の割合で足切りするのかも分かりません。試験中、だいたい何割とれてそうだから大丈夫だなとか、感触で推し量ることもできないのが怖いところです。

そこで、過去3年分の合格発表データから、大体の合格率を予想してみました!

JSPENの公式HPで毎年合格者の番号が公開されているため、大体の受験者数を予想し算出してみました。多少のブレはあるかもしれませんがご容赦ください。

2021年度:受験者680名、合格者480名→合格率70%
2020年度:受験者630名、合格者405名→合格率64%
2019年度:受験者1100名、合格者872名→合格率79%

以上が直近3年間のデータとなります。
2020年度と2021年度は、コロナの影響もあってか受験者がぐんと減っていますね。合格率にブレがあるので、一定の割合で足切りするというより点数で合格ラインが決まっているのではと予想します。(分母がだいぶ違うのでデータとしての正確性には欠けますが)

2022年度の受験者数はといいますと、私が受験したイベントホールには縦20~30名の座席が20列ほど並んでいました。会場の形がきっちりとした四角形ではないので、縦列の人数には多少のブレがありそうです。おそらく400名程度がいたと思われます。
そして同じような規模のホールを3つ使っていましたので、全体としては1200名ほど、2019年度と同程度の規模ではないかと推察しました。
(入口に受験者番号を記した案内板があったので、撮っておけばよかったと猛烈に後悔しています…。)

合格率は年度ごとの難易度にもよるでしょうが、上記のデータを見る限り70%前後はありそうでしょうか。
(意外と20年前から変わってない…???)

そしてここからが一番気になるところ!2022年度本番の出題内容です!
有料にしておりますが、2000文字に渡って詳細に記載しております!気になる方はぜひご一読ください。

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