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年末調整で喜ぶ日本のサラリーマンは滅びる?

こんにちは!

RYOSUKEです!

「12月は給料の振り込み額がいつもより多くて、うれしいなぁ」・・・
そんなサラリーマンも多いのではないでしょうか?
会社が年末調整をしてくれるおかげですが、
私は、これこそが日本のサラリーマンのお金に対する無知を助長する危険なシステムだと考えています。。。

2000万円以上の給与を得ているサラリーマンや個人事業主は、
基本的に自分で確定申告を行い、税金を納めています。
それ以外のサラリーマンの場合、雇用主が給与から所得税の源泉徴収を行い、さらに扶養控除や生命保険料控除なども含めて年末調整を行なってくれるので、自分で確定申告を行う必要はありません。

この便利な源泉徴収と年末調整の組み合わせは、
日本のサラリーマンの手間を省いてくれる一方で、サラリーマンからお金の知識を得る機会も省いています。
サラリーマンや一般雇用者のファイナンシャルリテラシーが恐ろしく低い要因になっているのです。


日本人の金融リテラシーは先進国で最低レベル


日本人のファイナンシャルリテラシーは先進各国の中で最低レベルです。
アメリカの格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)グローバル・レーティングの調査によると、日本はイタリアの次に低いレベルでした。

この調査は、
「利息の計算ができるか?」「複利を計算できるか?」
「資産分散をどう考えるか?」「インフレを理解しているか?」
を判定する4つの質問群で構成されており、3問正解すればファイナンシャルリテラシーが高いと判断されます。

実際は算数みたいな質問が多いのですが、内容として出てくる
資産分散やインフレについては、学校で教えてくれるものではありません。学校で勉強ができたという人でも、お金について考える機会がなかったなら正解できないでしょう。日本人で3問以上正解できた割合は全体の43%にとどまりました。

この調査で日本人よりファイナンシャルリテラシーが高いという結果が出たカナダ(68%)やアメリカ(57%)では、確定申告を個人がしているのではないでしょうか?

答えは「イエス」一択です。
カナダやアメリカでは給与額などに関係なく、確定申告を個人で行うことが義務付けられています。
会社員の場合、日本と同様に給与から源泉徴収されます。
しかし、年末調整のシステムはないので、自分で確定申告を行い、
税額を確定した上で、自分で支払う必要があります。
したがって、確定申告は義務であると同時に、還付金を得られる会社員にとっては無視できるものではありません。


アメリカでは庶民も「節税」を意識しながら暮らす


カナダやアメリカでは、確定申告で支出の一部を費用として計上し、
「給与収入より実収入が低かった」と申告することもできます。
それにより税率を下げ、支払うべき税金を減らすことができるのです。

アメリカでは、仕事に伴う引越しや教育ローンの利子なども所得控除の対象になります。課税所得額を下げることに加え、「クレジット」により実際に払う税額も低くすることが可能になります。
具体的には、託児所の利用、大学の学費や教材費などは「クレジット」と呼ばれ、対象者であれば払うべき税額からこれらの費用を差し引くことができます。

そのため、税金対策を考慮して引っ越したり、教育ローンを申請したりと、ファイナンシャルプランを考えるのは富裕層に限られたことではありません。年末調整のシステムが存在せず、確定申告が義務付けられているために、使うお金のうち減税対象のものや費用計上できるものを把握することは、個人にとって当然の行為なのです。
アメリカ人との日常の何気ない会話の中でも、節税への意欲の強さを感じることがあります。

年末調整という便利なシステムが日本人のファイナンシャルリテラシーを
下落させているのは間違いありません。

しかし、その解決策として確定申告をすればいいかというと、そう単純にはいきません。なぜなら、日本の確定申告は難しすぎるからです。

日本の確定申告は、特定の人が対象となっているためなのか、
誰でも簡単に記入できるフォーマットにはなっていません。
オンラインで申告できるようになったとはいえ、どれくらいの人たちが使いこなしているかは、不明です。マニュアル説明なども充実しておらず、
参考資料も少ないままです。

私は事業の関係で日本とイギリスで確定申告をしていますが、
日本では税理士に依頼し、イギリスでは自分で申告書を作成して提出しています。日本語を操る日本人なのに、日本の確定申告を税理士に頼んでいるというのもおかしな話ですよね・・・笑
それほど日本の申告が複雑怪奇なのです。
青色申告とか、白色申告とか、そもそも「色」で種類が分かれていること自体、私は変な感じを受けます。


「ふるさと納税」から確定申告に挑戦してみよう!


ただし、確定申告を一回経験すれば、ファイナンシャルリテラシーの本を
10冊読むよりも、リテラシー向上の効果が得られるでしょう。
例えば、「ふるさと納税」や医療費控除は確定申告をする個人が多く、マニュアルも充実したものがありますから、まずはこの辺りからスタートするのがいいでしょう。

私も会社員時代、ふるさと納税しか申告するものがなかった時には自分で確定申告を行なっていましたが、マニュアルに沿えばそんなに難しいこともなかったのが印象です。
自分が税金をいくら払っているかを認識できましたし、自分で確定申告をしたことで、経費計上というのがサラリーマンでも可能と実感しました。
その後、会社員でありながら不動産収入を得たり、副業をしたりするきっかけにもなりました。

確定申告をすることで、自分の資産の種類を整理して(=資産分散への理解度)、得したか損したかを明確にし(=インフレ・デフレの理解度)、住宅ローンなど利子があるかを申告する(=利息や複利の計算への慣れ)など、自分の現実のお金に向き合うことができます。

アメリカでは、アルバイトを始める大学生あたりから毎年1回確定申告を行うようにしています。そこで改めてお金と向き合い、資産分散やインフレの知識、利息の計算が自然と身についていくのでしょう。

皆さんも実践でファイナンシャルリテラシーを上げるために、今年分の確定申告にチャレンジしてみてください。給与所得だけで確定申告するものがないという人は、ふるさと納税だったら年末まで可能です。年末中にふるさと納税を利用し、年明けに確定申告をするのがいいと思います。

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