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ボリンジャーバンドとは?初心者向けにやさしく解説

ボリンジャーバンドは、価格の「振れ幅」を視覚的に表示してくれるテクニカル指標になります。簡潔に説明すると「大体の価格がこの線内に収まる」ということです。
ボリンジャーバンドは米国の現役テクニカルアナリスト、ジョン・ボリンジャー氏が1983年に考案したテクニカル指標で、相場の「過熱度」「トレンドの変化」を見極めるのに役立ちます。この記事では、ボリンジャーバンドの仕組みや見方を初心者向けにわかりやすく解説し、最後に代表的な活用方法を紹介します。

ボリンジャーバンドの基本構造

ボリンジャーバンドは、3本のラインから構成されています。
各ラインの詳細を下記にまとめました。(日足基準)

  1. 中央のライン(移動平均線)別名ミッドバンド
    通常、20日間の単純移動平均線(SMA)を使います。相場の基本的なトレンドの方向を示します。

  2. 上のライン(プラス2シグマライン)
    移動平均線に価格の標準偏差を2倍足したもの。価格がここに近づくと、上昇が「行き過ぎ」になっている可能性があると考えられます。

  3. 下のライン(マイナス2シグマライン)
    移動平均線から価格の標準偏差を2倍引いたもの。価格がこのラインに近づくと、下落が「行き過ぎ」ている可能性があると考えられます。

ここで覚えてほしいポイントは中心線が移動平均線と
上下の線が「標準偏差」と呼ばれるもので、「σ(シグマ)」と言います。

標準偏差って何?

標準偏差とは、ある一定期間のデータの平均値から、どのくらいのばらつきがあるかを計算した数値のことを言います。
つまり、平均値からばらつきが大きいほど、標準偏差の数値も大きくなり、価格のボラティリティも大きくなるということです。
また、各シグマの範囲内で値動きする確率が下記になります。

・±1σの範囲内で推移する確率:約68.3%

・±2σの範囲内で推移する確率:約95.4%

・±3σの範囲内で推移する確率:約99.7%

例えば、ボリンジャーバンドを±2σに設定した場合
価格が+2σに近づく95.4%の確率でその直後に反転するということです。

ボリンジャーバンドの特徴

ボリンジャーバンドは、ボラティリティが高い(価格がどれくらい振れやすい)かを視覚的に確認するために使用されます。
バンドの幅が広がったり狭まったりすることで、相場の変動性やトレンドの転換をつかむことができます。

  • バンドが広がるとき
    ボラティリティ(価格の振れ幅)が大きくなっている状態。
    価格が大きく動き出す(トレンド)可能性が高まります。

  • バンドが狭くなるとき
    ボラティリティが低く、価格が小さなレンジ内で推移している状態。
    次に大きな動き(トレンド)が起こるかもしれません。

    また、この広がったり狭まったりすることをFX用語では、「スクイーズ」と「エクスパンション」といいます。

    • スクイーズ(バンドの収縮)
      バンドが狭まっているとき、相場は落ち着いている状態(レンジ)にあるため、次に大きな動きが起こる可能性があります。この状態を「スクイーズ」と呼びます。

    • エクスパンション(バンドの拡大)
      価格が急に大きく動き始めると、バンドが一気に広がります。このような急激な動きの後は、価格がさらに強い方向に進む可能性があるので、トレンドに乗った順張りトレードが有効的になります。


青枠がスクイーズ、赤枠がエクスパンション


ボリンジャーバンドの見方

では、実際にボリンジャーバンドはどのように見ればいいのか?
ボリンジャーバンドの見方は大きく分けると順張りか逆張りかによって見るポイントも変わってきます。

1. バンドウォーク(順張り)
価格が上昇または下降しているとき、価格がバンドの上限(+2σライン)に沿って動くことがあります。これを「バンドウォーク」と呼びます。バンドウォークが起きているときは、強いトレンドが発生している証拠で、トレンドの方向に順張りするトレードが効果的です。

バンドウォーク

2. バンドからの反発(逆張り)
価格がボリンジャーバンドの上限(+2σ)や下限(-2σ)にタッチした後、反発することもよくあります。これは「バンドにタッチした価格が行き過ぎている」ために、一時的な逆張りのチャンスとして見られることが多いです。

  • 上限タッチで反発:価格が上限(+2σ)に到達したら、売りのチャンスと考えられることがあります。

  • 下限タッチで反発:価格が下限(-2σ)に到達したら、買いのチャンスと判断されることが多いです。

反発箇所が赤⚪︎

ボリンジャーバンドを使った具体例

では、ボリンジャーバンドを使ったトレードの具体例を見てみましょう。

例:バンドウォーク中の順張りトレード

  1. 状況
    価格が上昇トレンドにあり、ボリンジャーバンドの上限に沿って動いている状態(バンドウォーク)。

  2. ボリンジャーバンドの確認
    バンドウォークが継続しているため、トレンドが強いと判断。

  3. エントリー判断
    バンドウォークが確認できたため、トレンドに従って買いエントリーを行います。

  4. 結果
    価格はさらに上昇し、トレード成功となる。

例:反発狙いの逆張りトレード

  1. 状況
    通貨ペアの価格が急落して、ボリンジャーバンドの下限(-2σライン)に到達。

  2. ボリンジャーバンドの確認
    下限にタッチしてからすぐに反発し始めたので、売られすぎと判断します。

  3. エントリー判断
    価格が下限から反発したタイミングで、買いエントリーを行います。

  4. 結果
    その後、価格が回復し、トレードは成功となる。

まとめ

ボリンジャーバンドは、相場のボラティリティを視覚的に捉え、トレンドや反転のタイミングを見極めるのに非常に便利なツールです。特に、バンドウォークや反発、スクイーズからのブレイクアウトなど、いくつかのパターンに従うことで、初心者でも効果的なトレードが可能になります。

ボリンジャーバンドを使う際は、他のテクニカル指標や分析と組み合わせて、より確実な判断を行うことが大切です。まずはチャートでボリンジャーバンドを試し、相場の動きとの関係性を掴んでいきましょう!

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