あなたに首ったけ顛末記<その14・耳目は貪欲に見聞し勝手に塞ぎこむ>【小説】
あなたに首ったけ顛末記<その14>
◇◇ 耳目は貪欲に見聞し勝手に塞ぎこむ ◇◇
(15900字)
<1>御崎十緒子は掃除する(1)
(3200字)
「んん、じゃあこの部屋はお願いしちゃうから。あとで見てあげるし、適当にやってみて~」
華緒ちゃんはそう言って、この部屋から出ていった。「ええ、ちょっ、待って華緒ちゃん、」と言いかけた私の目の前で、ドアが閉まる。間を置かずに、隣の部屋のドアが開く、きしんだ音が聞こえてきた。
築4、50年とかいう、年代物の二階建て