あなたに首ったけ顛末記<その2・鑑賞は生に限るが生き霊はイタダけない>【小説】
あなたに首ったけ顛末記<その2>
◇◇ 鑑賞は生に限るが生き霊はイタダけない ◇◇
(7300字)
<1>御崎十緒子は生を謳歌する
(2670字)
まつ毛、長いなあ。
いつものように、首からあごにかけてのラインを舐めまわすように観たあと、私は彼のまぶたをぼんやりとながめていた。
彼の部屋のベッドの上。
横向きになって眠る彼の顔に向かい合うように、私も横になった。
触れることは、できない。
触れようとしても、弾かれてしまう。
だから、観てるだけ