シリアルナンバー入りのカードを手に入れた話
1.憧れのシリアルナンバー
昨年くらいだっただろうか。MTGでダブルレインボウレアというレアリティが誕生した。特殊な加工のFOILカードで、シリアルナンバーが振られており、世界に限られた数しかないというのが大きな特徴だろうか。当然、特殊な加工、限られた数しか存在しない、さらに人気のあるカードとなれば価格は高騰する。晴れる屋さんで調べてみると、一番高いカードは《一つの指輪/The One Ring》で、販売価格はなんと100万円。
逆に一番安いカードは、《風雲船長ラネリー/Captain Lannery Storm》の1万円。
100万円と比べると1万円は安く感じるが、この《風雲船長ラネリー/Captain Lannery Storm》、通常版の価格は50円なのだ。ダブルレインボウになることで、価格が2万倍になる。
まさに「ダブルレインボウはステータスだ!!希少価値だ!!」なのだ。
これはMTGが世界で遊ばれているTCGであると同時に、コレクションとしての価値もあるからだろう。そして、最近は新しい商品にも必ずシリアルナンバー入りのダブルレインボウレアが収録され、パックの開封を盛り上げている。
2.MTGだけのものではない
シリアルナンバー入りのカード、というのは何もMTGだけのものではない。過去に発売されたTCGでもこのようなカードは存在している。その中のひとつが『サンデーVSマガジンTCG』だ。
「なんだそのTCG!?」という人が大半だろう。なんなら僕もうまく説明できない。なぜなら、パックは買ったけど遊んだことはないからだ。
…今回調べて初めてゲームデザインが中村聡さんだと知りました。すげーやNACさん。
この「サンデーVSマガジンTCG」には、サイン入りのレアカードが存在する。サインと言っても別に直筆サインではなく、サインが箔押しされているのだが、この箔の色が赤、青、銀、金と4種類もある。そのうち金が一番希少価値が高く、金のみシリアルナンバーが刻印されている。そして同じカードの金サイン入りは、世界に50枚しか存在しない。
3.シリアルナンバーホルダー
そんな世界に50枚しかないカードの内の1枚が先日僕の実家から発掘された。それがこちらだ(シリアルナンバーは伏せさせてもらいます)。
週刊少年マガジンで連載されていた「エア・ギア」の主人公、南樹のカードに作者の大暮維人先生のサインが箔押しされている。大暮維人先生は「エア・ギア」の他に、「天上天下」や最近だと漫画版「化物語」でも有名な漫画家だ。
4.カードの価値は
さて、こうなると気になるのはこのカードの価値である。ストレートな話をすると、「いくらで売れるん?」ってことだ。大暮維人先生も「エア・ギア」も僕は好きだ。だけど、高く売れてそのお金でMTGのカードが買えるならそっちの方がいい。
調べてみると、メルカリにナンバーの違う同じカードが出品されていた。販売価格はなんと100万円。え。100万なら売るよ?
…まあ、この100万円という価格はあくまで売り手が希望している価格なので、正確な価値であるとは考えていない。《一つの指輪/The One Ring》はカードとしても強いし、コラボ元の「指輪物語」も人気がある。だから100万円なのだ。
ではこのカードの適正価格はいくらくらいなのか。様々な観点から考えてみたいと思う。
⑴希少であるか
TCGにおけるカードの価値を決めるファクターとして一番わかりやすいのがレアリティである。レアリティが高いカードは刷られている数が少ないので、レアリティが高ければ高いほど価格も高くなると考えていいだろう。そういう意味で言えば、このカードは非常に希少なカードである。なんせ世界に50枚しかないのだから。
⑵需要があるか
次にTCGがゲームであるという観点から考えてみよう。レアリティが高かろうと弱くて使えないカードは価値が低くなる傾向にある。MTGでも使えないレアカードより、使えるアンコモンの方が価格が高いことがよくある。
この観点において、このカードの価値は非常に低い。なんせ「サンデーVSマガジンTCG」が遊ばれていない。強いとか弱いとか以前の問題なのだ。ゲームに使うカードとしての価値は、現在皆無と言ってもいいだろう(現役で遊んでいる人がいたらごめんなさい)。
⑶人気があるか
ただし、弱くても価値が付く場合がある。それは有名なイラストレーターが描いていたり、描かれているキャラクターそのものに人気がある場合だ。
この観点で考えると、このカードは有名な漫画家が描いた、アニメ化までされた人気漫画の主人公のカードである。そこそこ人気はあるだろう。…と言いたいところだが、連載が終了した2012年から10年以上が経過していることや、女性キャラではなく男性キャラであることを考えると、人気がある!とは断言しづらい。大暮維人先生の人気に賭けるしかない。
⑷似たような例は?
すでに終了しているTCGのサイン入りカードという同じような例も調べてみた。調べるにあたり、下記のショップを参考にさせていただいた。「トレーディングカードゲームは何でも買います!」ということなので、機会があればぜひ僕のカードも査定してもらいたい。
こちらのショップでは「サンデーVSマガジンTCG」の後継である「ヴィクトリースパーク」のサイン入りカードが販売され、そして売れている。
売れていたのは「ToLoveる ダークネス」の金色の闇というキャラクターのカードでこちらも箔押しサインが入っている。アニメ版の担当声優のサインが。販売価格は8万円。
「エア・ギア」の南樹よりこちらの方がキャラクターとしての人気は高い(性的な意味で)。そして、作者よりも声優の方が人気はあるだろう。
ということは、この価格より高くはならないだろう。というのが私見である。
5.高く売りたい!
長々と述べてきたが、「高く売ってしまいたい!」というのが僕の気持ちである。幸いなこと…かどうかは判断しづらいが、今年「サンデーVSマガジンTCG」の販売元であるブシロードが開催する「カードゲーム祭り2024 in 東京」において「サンデーVSマガジンTCG」の大会が開催される…らしい。
そりゃ、らしいと付けたくもなる。令和の時代に、平成に幕を閉じたTCGの大会が開かれるなんて、疑いたくもなる。カード揃えられるの?大会成立するの?
まあ、これを機会に需要や人気が上がって、価格が上がれば僕的にはうれしい。幸い。
もし「このカードを探していました!」という人がいらっしゃいましたら、コメントでも結構ですので申し出てください。
お待ちしております。