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30ML:2024年夏のイベントについての所感

表題のとおり、2024年夏のイベントで遊んだ感想をまとめました。
30MLについてよく知っている人は『4.遊んでみた感想から』読んでください。


1.30Minutes Labelについて

30Minutes Labelとは、バンダイのプラモデル、30Minutes Missions(30MM)と30Minutes Sisters(30MS)の総称である。
この記事を執筆している8月中旬時点ではまだ発売されていないが、30Minutes Fantasy(30MF)も展開予定で、大勢が楽しんでいるプラモデルブランドと言っていいだろう。

2.イベントについて

30MM、30MS共に、定期定期にイベントが開催されている。
テーマに沿った作品をユーザーがX(旧:Twitter)に投稿し、その中からユーザーが選んだ作品や、開発スタッフが選んだ作品に賞が与えられる。
たくさんの人に自分の作品を見てもらえる上に、たくさん高評価をもらえるととてもうれしい。
イベントを介してのユーザーの交流も盛んで、イベントのたびに熱量と盛り上がりを感じる。エキサイティング。

3.2024年夏のイベント

そんなエキサイティングなイベントが続く30ML。
2024年の夏に新たなタイプのイベントが試みられた。
それが30MMにおけるスグミッションズコースと30MSにおける素組み部門である。

30MMも30MSの素組み部門も条件は同じである。
要約すると、「塗装、スミ入れ、トップコートはだめ。」「パーツの組み換えで作品を作ってね!」「切ったり貼ったりはOKだよ」ということ。

30MLのプラモデルの説明書を見ると、公式はそういった組み換え遊びを楽しんでもらいたいのだということがよくわかる。

説明書に示されるカスタマイズ例

つまり、原点回帰ということなのだろう。

4.遊んでみた感想

このイベントが発表されたとき、X(旧Twitter)上では賛否……というかいろいろな意見が散見された。細かなルーリングのこととか。それは置いておいて。素組みルールで遊んでみた感想を素直に述べると、

これは楽しい!実にエキサイティング。

ということで、このスグミッション、素組み部門のよいところを紹介したいと思う。

⑴塗装してはいけない=塗装しなくていい!

30MLにありがちなことだが、凝った作品を作ると使用するパーツ数が多くなり、形が出来上がっていざ塗装!となったときに、「え、これバラすの?」「そしてまた組みなおすの?」ということがある。
塗装しないということは、この問題から解放される。
パーツの組み合わせを考えながら組み上げていけば、形になったときにもう作品は完成しているのだ。

あと、塗装部屋に空調がない僕にとって、異常に暑い今年の夏は塗装部屋で作業をするのが難しかったので、塗装しなくていいというのはありがたい話であった。

⑵限られた選択肢の中での試行錯誤が楽しい!~色編~

選択肢となるのは「色」と「形」である。
まずは色の話をしよう。

30MLの最初の商品と言えば、30MMのアルトとポルタノヴァ。
アルトもポルタノヴァもネット販売の商品も含めると10色も展開されている(それぞれ局地戦仕様も含めると、もっとカラーバリエーションがある)。
が、年を重ね様々な機体が展開されるに伴って、1機当たりのカラーバリエーションは減ってきている。それでも2,3色展開してくれるし、ユーザー投票「カラバリグランプリ」で過去の機体もカラーバリエーションが増えることがあるのはうれしい。

それでも当然パーツによっては無い色もあるので、泣く泣く他のパーツを使うことを検討しなくてはいけないこともある。
これにストレスを感じる人もいるかもしれないが、パーツの箱をひっくり返して代わりのパーツを探すのは意外と楽しい。

ひっくり返しすぎには要注意

⑶限られた選択肢の中での試行錯誤が楽しい!~形編~

次に「形」について。
これは色とほぼ同じ内容で、「この形のパーツが使いたい!でも、この色が無い。」ということはよくある。そんなときはパーツの箱をひっくり返すといい。

あとは「うまく接続できない」という問題。
これについてはジョイントパーツを活用して、どうすればうまく接続できるか試行錯誤するのがとても楽しい。キットは基本的に3mm軸、3mm穴になっているのでジョイントパーツを介することで、様々なパーツを接続することが可能だ。
意外なところにジョイントパーツがはまることもあり、そんなときには非常に自己有能感が高まる。

左膝、ジョイントパーツで3mm穴を増設

⑷素組みをより楽しむなら30MS!

これは単純に使えるパーツのプールの話。
30MSは30MMのパーツが使えるが、30MMには30MSのパーツが使えない。
30MSの方が選択肢が多いのだ。

また、ジョイント穴を隠すパーツがグレーもしくはホワイトのみな30MMに対して、30MSには様々なカラーがある。これがカラーアクセントとして使えるのもよい。

小さな赤や黒のパーツが30MSの穴塞ぎパーツ

女の子の形をしたプラモデルって少し敷居が高いかもしれないが、新しい扉を開いてみるチャンス。

5.問題に感じた点

塗装なし、素組みのというこのレギュレーションは十分に楽しかった!
30MLの新しい楽しみ方を確認できたので、とても満足度が高い。
ただし、問題に感じる点もあったので以下にまとめておく。

⑴資産が必要

資産というのは「パーツ資産」の話。
お金の話ではない……と言いたいところだが、パーツをそろえるとなると結局お金が必要なので、ほぼ同義か。

選択肢を増やすにはたくさんのパーツが必要なので、思いっきり楽しむにはたくさん商品を買わないといけない。

脚部側面に注目

例えば、この脚部に使っている緑色のパーツ。
ラビオット(グリーン)の腰部の部品で、1つのキットに2つしか入っていない。
写真ではこの部品を6つ、3キット分使っている。
定価換算で約4500円。
30MLの未来のためにと購入したが、一応フリマアプリでパーツ単体で購入できないか調べたことはバンダイには内緒だ。

⑵レアなキットの存在

2019年に販売が開始されたのだから、昔のキットに関しては一部手に入りづらいものもある。
袋に入ったオプションアーマーとか。

袋入りオプションアーマー

定期的に再生産してくれているキットもあるのでありがたいのだが、人気のキットはみんなが欲しいので手に入りにくい。
前述のラビオット(グリーン)なんて、欲しいと思ったときには周辺のお店にもネット上にも全然なくて、店で見つけったラビオット(ホワイト)を握りしめて、「素組み部門をあきらめて、もう塗装するしか……」と死んだ目で葛藤したのはこの夏の思い出。

あとプレミアムバンダイ(プレバン)のキット。
このキットでしか手に入らない「形」と「色」のパーツが存在するのだ。
これはもう素組み勢には大問題。
「欲しけりゃ買え!」なのだが、欲しくてもタイミング的に買えない、ってこともある。

まあ「無ければあきらめろ!」ってことで、無くてもそれ以上の組み合わせや表現を見つけようと、試行錯誤することを楽しめばいいと思う。

⑶ルールの改善

ルールの中に、
・パーツの切削や加工、接着は可
・ランナー及びプレート、印刷物(パッケージ及び取り扱い説明書)等パーツ以外の素材の加工はだめ

というのがあるのだが、この線引きが非常に不明瞭
何がだめで、どこまでOKなのかをもう少し具体的に説明してほしい。

何分初めてのイベントなので、今回の応募作品を参考にぜひ検討してもらいたい。

ちなみに、僕はルールから外れるのが怖くて一切切り貼りしませんでした。

6.おわりに

素組みを推奨した遊びを公式がイベントにする、できるっていうのは30MLの強みであり、楽しさであると思った。
資産が必要という話もしたが、最初に買ったキット、作ったキットを少しずつ改修していくのも楽しみ方のひとつだと思う。
また、近くに一緒に楽しめる人がいるのなら、トレードして必要なパーツをそろえるなんてこともできるのではないだろうか。

楽しみ方はいろいろだと思うので、自分が楽しいと感じられる30MLの遊び方をぜひ見つけてほしい。

30MM賞をもらいました!

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