「舞台版 コケシ・セレナーデ」のレビューで今を奮い立たせるもの。
先日公演した「舞台版 コケシ・セレナーデ」。
生観劇とオンライン観劇を行ったんですが、オンライン観劇をして頂いたお客様でもあり友人でもある方がレビューをあげてくれた。
演劇は演る人間より観てくれるお客様がどう捉えて感想を持たれるかが本軸。演者の想いは時に伝わらないし、伝わらないと思うのは傲り。だからこそ演じる方がぶれてはならない。評価を気にするあまり本意でない芝居をするのは本末転倒。
しかし、このみーるんさんのレビューは自分達が想う以上の想いが伝わりこちらが泣きそうになった。
先程、「評価を気にして自分自身がぶれてはいけない」と書いたが、正直、芝居をすること、演じることが怖く、辞めようかと思う事もある。特に今回の「舞台版 コケシ・セレナーデ」は映画のファンの方、脚本を舞台用に書き下ろしてくれた同映画の監督でもある松本大樹氏のファンの方、また沢山の関係の方など、どのように作品を捉えられてしまうのか、今までとは違うプレッシャーが凄かった。「評価を気にしてはいけない」とは相反するようだが、信じて演る芝居が否定されるのはやはり辛くもあり怖くもなる。しかし演者はそれをやらなければならないしその為のメンタルも必要なのだろう。自分にはまだまだ足らないと自覚した今回の舞台。
そんな中で松本大樹監督から「思い切りやって下さい、それが伝わらない訳がない」との言葉に励まされた。「そっか。観てくれる人がどう捉えようがそれはその人の価値観であり意見。自分の信じるものを伝える事に集中しよう」と迎えた本番。
そして、このようなレビューを頂けると、「辞めなくてよかった」と素直に今、改めて想う。
舞台は正直怖い。けど、それ以上に楽しく刺激的。
車椅子で演技をする事にまだ全く抵抗がなくなった訳ではない。まだまだ大変でしんどい事の方が多い。では何故このような状態でも芝居を演るのか?それは多分、好きな事をやるのに自分自身に言い訳をしたくないからに他ならない。状況に言い訳をしたくないから。
それに、こんな役者でも楽しみに待ってくれる方がいる。
なら僕は続けよう。
いつか抵抗がなくなるまで。