
コンサルタントで「どんぶり勘定」を採用した話
先日息子からカンチョーを受けてしまった森です。
子供のカンチョーはヤバいです。
指は細いので、バッチリ突き刺さりしばらく悶絶してしまいました。
始めて我が子に殺意を抱きました。。
さてさて、みなさんは飲食店のコンサルタントと聞くとどんなことをイメージしますか?
材料費をきちんと計算して、利益を出すには価格をいくら以上に設定して......というようなキッチリカッチリしたものをイメージする方も多いかと思います。
でも今回はあえて、「どんぶり勘定」を採用したエピソードをご紹介します。
特徴のない居酒屋
とある海鮮居酒屋のリニューアルのご依頼がありました。
現状を聞いてみると、言っては悪いですが特徴のない居酒屋。看板メニューがあるわけでもなく、特別美味しいわけでもない。
ただ以前の状況を聞いてみると、これがなかなか攻めた経営をしていたことが分かりました。
どんぶり勘定
話を聞いてみると、なんと以前は月に1億円(!)もの売上があったとのこと。すごい!!
北海道の食材をテーマに人気を集めていたという事ですが、一番の理由は儲かる儲からないを度外視した、とりあえずやっちゃおうというチャレンジ精神。お客さんが喜んでくれるなら、原価をよく計算しないまま刺身を盛り盛りにしちゃうようなことをやっていました。僕、森もこういうの大好きです。
でも利益がないというわけでなく、これを面白がってお客さんがやってきてたくさんのファンがいたといいます。
その後、経営者が代わります。
もともと人気を集めていたお店だったのでうまくいくかと思いきや、そういうわけでもありませんでした。
これまでが、悪く言えばザルな経理であったため、きっちりするようになった結果、原価100%のようなメニューはなくなり、現在の何の特徴もないお店になってしまったのです。
どんぶり勘定×きっちり経理
ヒアリングをしてみた結果、
「そんなに人気のサービスがあったなら復活させるほかない!」と感じました。
そこで作った新メニューが原価100%の刺し盛り!
「またどんぶり勘定じゃないか!」
と思われそうですが、きちんと利益のでるような戦略を立てています。
利益を出すためのメニューとして、雪国をイメージしたドリンクや、出来たてのフライドポテト、ポテトチップスなど、北海道をテーマにした新メニューを開発。クオリティにもしっかりこだわりました。
これを「舟盛りがすごいらしい」とやってきてくれた方に一緒に注文してもらうことができました。
勢いで作った原価100%のメニューと、戦略的に作った原価10%のメニューが一緒に注文されるという、ある意味文系と理系のいいところを組み合わせたようなバランス。
こうして以前のやっちゃえ精神を復活させ、新たなお客さんに喜んでもらうことができました。
ちょっと調子にのりすぎて、舟盛りを客席に運ぶときには鐘をならしながら「舟がでるぞー!」の掛け声で盛り上げちゃったりも。
以前からこの店に勤めていた従業員の方には「あの時の楽しかった店が戻ってきた」と言ってくださいました。新しく加わったメンバーも楽しんでくれているようです。
お客さんから好評だった「どんぶり勘定」を復活させつつ、きっちりと数字を使った経営をしたというお話でした。