入り口は人それぞれで、それがベネ。
今回は自分が児童指導員になるきっかけのお話。
私は中学受験をし、大学までエスカレートの私立に通っていました。
そんな恵まれた環境にいながらも中学二年生の時に一回。高校二年生の時に一回。
学校を行かずにサボって繁華街をふらふらしてた時期がありました。
無気力で行きたくない。なにもかもめんどくさくて、人と関わりたくない。ただただ楽な生き方をしたい。
そんな思春期あるあるな時期をなんと二回も体験しました。
元々気にしいで人の目線や考えを深読みしてしまう性格もあったので、自己肯定感も低かったです。
そんな時に、熱苦しい古典の先生と可愛い保健室の先生に救われて、
児童指導員を目指そうと思った・・・・・・
わけではありません(笑)
その時は文章を書くことが大好きでした。
全盛期の時は400字詰めの原稿用紙200まい以上のファンタジー小説を書いたこともあります。
思春期の自分の溜まったパワーを文章に書くことで発散してきたのです。
それを認めてくれたのは古典の先生と【可愛い】保険の先生でした(二回目)。
それもあって、大学に進学した時にサークルに入る時は「文章を書くサークルに入ろう」って決めていました。
しかし、実際に文章を書くサークルは割とマニアックすぎて自分では入りきれない部分もあり、尻込みしてました。
その時に「児童文化研究会」というサークルに出会いました。
そこでは子ども達へボランティアをするお兄さんお姉さんをしたり、人形劇をするサークルだったのですが、更に「絵本や文章を書く」「人形劇の台本を書く」というジャンルもありました。
子どもと関わる事は苦手でしたが間口として広かったのでそこに所属を決めました。
そこで二年生まで子どもと関わる事を避けて文章を書いてきました。
先輩から誘われても当然行かず。
【子どもの目線に合わせてコトバ遣いを変えるのが嫌】
【わがままで自分の主張と歯に衣着せぬ悪口を言う】
【うるさい】
と、今の自分からしたら
「おぃぃぃぃ、子どもなめんなよ‼」
って殴り倒すような画一的な考え方を持っていました。
二年生の秋、いよいよ先輩からの「お前そろそろ顔をだせよ」の圧に負けて、始めて単独の学童クラブへボランティアに行くことになりました。
それでも「終わった後の飲み会がたのしみだなぁ」くらいのモチベーションでボランティアに行く、かなりボランティアに対する意識低い男子でした。
そんなモチベーションで行くわけですから当然自分の居場所はありませんでした。
先輩や同期、後輩まで子ども達が寄っていき、一緒にそれぞれの遊びに連れていかれます。
所在なさげに部屋の隅でぼーっと子どもの遊びを眺めて、完全に乗り遅れた自分は相当テンション低かったんでしょう。子どもが寄ってくるわけもありませんでした。
そうして座っていた時に、スッと膝の上に座ってきた女の子がいました。
「こ、こんにちは」
ぎこちなく挨拶した時その子はニコッと笑って「しんじんー?」そう聞いてきました。
それが私がこの仕事を目指すきっかけの女の子「のぞみちゃん(仮)」との出会いでした。
「こんな自己肯定感も低くて、近寄るなオーラすら出してる自分にさえ、壁を感じずに膝の上に座りに来るんだ」
それが衝撃でした。
「子どもってなんて純粋で素直なんだろう。」
膝の上に座ってもらえた事で「自分を認めてもらえた」気になったのです。
これがきっかけです。
「子どもが好き」
「保育士に自分が憧れた」
「子どもの成長を見守りたい」
そんな尊い理由ではありません。
「子どもと関わる事で自分を認めてもらいたい」
そんな自分勝手で自己中心的で、自分を満たしたい為。
これが理由です。
この「のぞみちゃん(仮)」は彼女が小学校卒業後には縁遠くなったのですが、私が社会人になってから異動した児童館で、高校生の彼女と出会うというありがたいく、奇跡の縁があったりもしました。
それ位縁と感謝しかない出逢いだったのです。
今私は児童指導員として乳幼児親子から中高生まで幅広く関わる仕事をしています。
自己肯定感が低く、どこに吐き出していいか分からないパワーを持て余してきた時期があったからこそ、理解できることもあります。
それで救われた自分だからこそ、そして憧れからは程遠い場所からのスタートだからこそ、私は自己肯定感が低かったり、目指すものが見つからない若者の気持ちがよくわかります。
誰かに認めてもらいたい。
認めてもらうことで自身が持てる。
それは子どもにとって必要な事ではないでしょうか。
自己肯定感。
承認する。
私が感じたからこそ、同じように子ども達を受け止めていきたい。
子ども達に返していきたい。
そう想い、今も子ども達を関わっています。
それが大事なんだと思うようになりました。
これが私の原点です。
入り口は人それぞれ。
でも、そこから学び、成長し、自分の在り方を再構築していき、今がある。
そして、これからもそうあっていく。
大事なのはこれじゃないでしょうか。
「北村はなぜこの仕事を目指そうと思ったのか」
あまり自分を語ってこなかったので改めて自己紹介のようなものも兼ねて。
読んでいただきありがとうございました。