【保育においてボケとツッコミの力は偉大‼】
皆さん、お笑いは好きですか?
私は「ダウンタウンのごっつええ感じ世代」です(笑)
彼らの漫才は見たことなく、コントを見て死ぬほど笑って育ちました。
その番組内で、与えられたシチュエーションに対してボケて落とす「ボケましょう」という番組内の企画を中学生から高校生にかけて放課後、学校やコンビニ、ゲームセンターやビリヤード場等で所かまわずふざけて笑って、ボケ倒して遊んでいました(公共の場では迷惑行為になるのでやめましょう(笑))
今でも仲の良い仲間とは、通常のまじめな会話はしません。
話を振られたらいかに面白く返すか、そして面白いフリをいかにするか、オチをつけるか、ということに終始頭を使った会話ばかりしています。関西の人はこれがスタンダードなのでしょうが、私は東京育ちでなのでなかなか社会に出てこの会話をすると引かれたり、「よくわかりません」と言われたりします(笑)
前フリが長くなりましたが、私がこれは特に子どもとのコミュニケーションに必要なスキルだと思っています。
児童館というのは不特定多数の児童が来館します。
特に小学生高学年や中高生は最初が肝心。
学校の先生でもない、自分の親でもない大人と関われる場所。
そこで最初に「児童館のルール」だったり「監視や見守り」を前面に出す大人がいたら当然居心地は良くないですよね。来てくれた子ども達にとっての居場所にはなれません。
その為にはこちらの「ノリ」や大人の持つ「私は大人です」という雰囲気を少しでも無くすことが大事です。
そこで必要なのは「ツッコミ力」です(やっと本題)
昔児童館に来た数人の中学生男子がいました。
中学生男子が団体で来ると大抵のスタッフは引いてしまうのです。結構威圧感ありますよね。声かけても「うるせえ」感を出してくる中高生も少なくありませんし、たくさん見てきました。私はそういう中高生と距離を詰めるのが楽しくてコミュニケーション取りに行っちゃうんですけど(笑)
一人のスタッフが血相を変え慌てて私に報告しに来ました。
「北さん、中学生が乳幼児のベビーベッドに入って遊んでいます‼」
そのスタッフからしたら「もう信じられない、中学生なんて」という感じもありましたが、すでに私は頭の中でベビーベッドに入っている中学生を想像したら面白くなっていました。絶対に入ることのない世代がベビーベッドに入って寝ているなんて面白くないですか?
ただやはり使う対象は乳幼児の親子ですし、怖がらせてしまう可能性があります。共存することでお互いに良い刺激になるので同じ空間にいるのは私は必要だと思いますが互いに迷惑をかけることは違います。
なので声をかけに行きました。
案の定一人がベビーベッドに入って、他の男子が乳幼児のおもちゃで遊んでいました。中学生が乳幼児のおもちゃで遊んでいるっていうのもなかなかシュールで面白いですよね。
ベビーベッドに入っている中学生でなく、そのそばではしゃいでいる中学生に私はこう声を掛けました。
北村「すみません、保護者の方ですか?赤ちゃんずいぶん大きいですねー。何か月ですか?」
中学生は最初キョトン、としていましたがその後笑い始めました。
中学生「めっちゃウケる‼」
北村「ちょっと育ちすぎて大きすぎてベッドの重量オーバーなので抱っこしておろしてもらませんかー?」
中学生「(笑)じゃあ抱っこしてやるよー」
そういってふざけながら寝ている中学生を抱きかかえておろしてこう言ってくれました。
中学生「先生おもしろいなー」
北村「いや、面白いのはそっちでしょ。でも降りてくれてありがとう」
結局その後どこの中学なのか、普段何をしているのか、今後中高生対象にないかやりたいんだけどやりたい事ないか、をがっつり話すことが出来ました。
それから彼らは児童館に来るようになり、小一緒にバスケしたり、中高生限定のイベントでたこ焼きパーティーしたり、小学生のドッジボール大会の練習のスパーリングまでしてくれたりするようになりました。
関係を築く最初の一歩でしたが私は「勝った‼」と心の中でガッツポーズをしていました。
警戒を解き、距離を縮める事が出来たからです。
本来なら「ベビーベッド乗るのだめだよ」「は、うるせぇな(分かってて面白いからやっているんだよ)」のやり取りになり、距離が縮まることはありません。
そこを最初「面白い事やってるなー。一回こっちも乗るか」という想いでボケてツッコミを入れて、乗っかる。
これは私は中高生だけではなく、あらゆる世代で通じると思っています。
ボケたりツッコミを入れて「何言ってるの?この先生」という顔するのまでを想定して笑いに変え、自分が笑う。
会話はテンポでもあります。
特に小学生高学年、中高生は頭の回転が速いし、面白いことに対するアンテナがビンビンになり、あらゆる面白い情報を取り入れています。
それが身近な大人にもいたらどうでしょうか。
こちらもコミュニケーションが取れ、本当に伝えたい事が伝わる。
向こうも先生でもなく親でもない「大人」がいて、信頼できるんだ、と感じて居場所として認識してくれる。
「保育者だから」、と真面目に丁寧な言葉で正論をいう事だけが正解ではありません。
この感覚、身に着けてみませんか?
今まで苦手だった対象がもしかしたらコミュニケーション取れるようになるかもしれません。
自分を明るく、盛り上げたりふざけたりするのが苦手な人もいるかもしれません。
でもお笑い見て笑いますよね?
一緒に笑うために自分がどうアプローチするか、それを考える事が大切です。
そして私は「ボケとツッコミ」をコミュニケーションのツールとして使うようになりました。
皆さんもチャレンジしてみてはいかがですか?
(本当はただふざけるのが好きなだけで、ツールとか関係ない、なんて言えない…(笑))