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1.5軍カップルが1つの過ちで崩壊する話  後編

さすがに分かってると思うけどこの作品は後編ですので前編を見てから見るのをおすすめします。
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〇〇が学校を抜け出した日。

教師:大園、ちょっと来てくれ。

玲:はい。

私は放課後、先生に呼ばれて職員室に向かった。

教師:〇〇、どうしたか知ってるか?

玲:それが私にも分かんなくて

教師:今日はいつも通り一緒に学校に来たんだろ?

玲:はい。

教師:そうだよな。体調悪そうとかあった?

玲:いや、私にはそうは見えなかったです。

教師:どうしたんだろうか

玲:私、この後ちょっと〇〇の家行ってきます。

教師:ありがとう。頼むな

私は職員室を出て、〇〇の家に向かう。

玲:〇〇、どうしちゃったのかなぁ

由依:玲、今暇だったりしない?

下駄箱に向かうと、3年生の由依さんが居た。

玲:ごめんなさい。行かないといけない所あって

由依:もしかしてデート?

玲:デートほど楽しいものではないです。

玲はにこやかにそう言う。

由依:〇〇、またおかしくなっちゃった?

玲:まだ分かんないです。もしかしたらおかしくなってるかもです

由依:玲も大変だね。何かあったらすぐ言ってね

玲:はい。ありがとうございます。じゃあちょっと行ってきますね。

玲はすでに結んである靴紐の結びを強くして下駄箱を出た。

由依:ふふ。

由依は玲のその姿を見て少し微笑んだ。

〇〇宅

玲:〇〇、居る?

私は〇〇の家の扉を叩き、呼びかける。

玲:〇〇、居ないの?〇〇?

〇〇からの返事が無い。

私は家の扉の横の黒いボタンに視線がいった。

玲:あ、チャイムあるのか。

何度も押した事がある〇〇の家のチャイムに気付き、私は押した。

玲:居ないのかなぁ

チャイムを何度も押したが、反応がなかった。

玲:仕方ないか

私はあんまり使いたくがないが、〇〇の家の合鍵を取り出して〇〇の家に入った。

玲:お邪魔しまーす。

家に入ると朝と変わり映えの無い景色だった。唯一変わったと自信持っていえるのは机の上にあったみかんが無くなった事くらいだった。

玲:〇〇、居る?

私は下の階のリビングから〇〇を呼びかける。

玲:ほんとに居ないのかなぁ。

私は階段を少しずつ昇る。

玲:〇〇、入るよ?

私はノックをせず、〇〇の部屋に入る。

〇〇:玲、ごめんな

私が部屋に入ると、暗い部屋で〇〇はベッドに死んだような表情で寝そべっており、一言そう呟いた。

玲:〇〇、どうしちゃったの?

私は〇〇の側に駆け寄る。

〇〇:ごめん。今日は帰ってくれない?

玲:嫌だよ。またご両親の事思い出しちゃったの?

〇〇:なんかさ、お母さんってこんな感じで死んじゃったんだろうなって思ってさ

玲:なに言ってるの?

〇〇:合鍵、返してくれない?

玲:な、何で?

〇〇:そもそもその鍵は玲のじゃないだろ?

玲:そうだけど、〇〇が私と付き合うから鍵預けてくれたんでしょ?

〇〇:じゃあ別れよ?

玲:ちょっと何言ってるの?

〇〇:もう嫌なんだ。これ以上怖い思いしたくないんだ

〇〇は玲にそう言う。

玲:〇〇、ほんとに何があったの?

〇〇:ごめん。もう俺の側にいるのはやめてくれ。

玲:だから、ちゃんと理由教えてってば。

私は強く〇〇にそう言う。

〇〇は私の発言を噛み締めてこう言う。

〇〇:もう出てけ。

〇〇は私を怒鳴るようにしてこう言った。

玲:もう知らないから。

私は〇〇の家の合鍵を〇〇の膝の上に置いて、部屋を出る。

〇〇:ごめん。

〇〇はそう呟き、自分の部屋の扉を閉めた。

玲:もうほんと意味分かんない。

私はイライラしたまんま〇〇の家を飛び出した。

イライラしていた。だから、〇〇が部屋の扉を開けたことに気づいたのに気付かないふりをした。

玲:失礼します。

私は学校に再び向かい、職員室の扉を開け、担任の先生を呼ぶ。

教師:どうした?

玲:もう〇〇は学校に来ないと思います。失礼します。

私は教師に一言そう言い、下駄箱へと向かう。

由依:ちょっと玲、何してるの?

玲:あ、由依さん。お疲れ様です

由依:え?タイムリープしてる?

由依は笑いながらそう言う。

玲:〇〇の家いってきました。

由依:あ、もういってきたんだ。それで何でここに居るの?

玲:私、〇〇と別れました。

由依:え?何で?

私は由依さんに先ほど起きた事を全て話す。

玲:それで部屋の鍵閉められました。

私は怒りを押し殺しながら由依さんに話した。

由依:ねぇ〇〇の家ってここからどれくらい?

玲:走って10分かからないくらいですかね。

由依:案内して。

玲:え?何でですか?

由依:あんた〇〇とどれくらい付き合いあるの?

玲:えーっと結構あります。

由依:じゃあ分かるでしょ?

玲:何がですか?

由依さんは靴紐を結びながら私にそう言う。

由依:助けにいくよ。

玲:何でですか?もう〇〇の顔見たくないです。

由依:もう何で2人はそんなに素直じゃないの?

玲:どうゆう事ですか?

由依:〇〇は玲に助けてほしかったんだって

玲:でも、出ていけって言われたんですよ?

由依:だから、それは〇〇が素直じゃないから。ほんとは助けてほしいんだって

玲:でも、

私が由依さんに言葉を放つ前に、、、

由依:じゃあ何で部屋の鍵閉めてなかったの?

由依さんは強く私にそう言う。

玲:え?

由依:家の鍵は閉めてて部屋の鍵開けてたのは玲に助けてもらいたかったからでしょ?〇〇の家の合鍵持ってる人が他に居るの?

玲:居ないと思います。

由依:ほんとめんどくさいカップルだな。

玲:ごめんなさい。

由依:早く助けにいくよ。

私と由依さんは急いで〇〇の家に向かった。

玲:由依さんって〇〇とどんな関係なんですか?

由依:え?今さら?

玲:はい。あんま知らなくて

由依:私のお母さんと〇〇の亡くなった母親は昔からの親友でその繋がりで〇〇とずっと一緒だったの

玲:あぁそうだったんですね。私、〇〇の事全然知らなかった。

玲は目に涙を浮かべそう呟く。

〇〇宅にて

由依:あ、〇〇ここに住んでるんだ

玲:知ってるんですか?

由依:うん。ここは〇〇の元々の実家じゃなくて確かおじさんの家なんだよ。

玲:そうだったんだ。

由依:玲、鍵貸して?

玲:いや、合鍵〇〇に返しました。

由依:え?じゃあ家の中入れないの?

玲:いや、ちょっと待ってください。

私はドアを開ける。

由依:え?何で空いてるの?

玲:多分、私が〇〇の家を飛び出してから〇〇は自分の部屋から出てないんだと思います。

由依:あーそういう事か。

玲:入りますか?

由依:〇〇に気付かれないように静かに入ろ?

玲:え?何でですか?

由依:私たちが来た事に気付いたら多分部屋から出てこないから

玲:分かりました

由依:私たちはリビングでゆっくりしてよ?

由依さんにそう言われて、私は由依さんと〇〇が部屋から出てくるまで下の階のリビングで待っていた。

3時間後

由依:〇〇、全然出てこないね?

玲:出てきませんね。

由依:トイレくらいしに出てくると思ったんだけどなぁ

玲:寝てるんじゃないですかね

由依:ちょっとお腹空かない?

玲:いや、大丈夫です

ぐーー

玲のお腹の音が鳴る。

由依:ふふ。減ってるじゃん

玲:ごめんなさい。

由依:ちょっとご飯買いに行ってくるね

玲:大丈夫です。私が買いに行きます。

由依:だめ。〇〇が出てきた時に私が居たら嫌でしょ

玲:いや、そんなことは

由依:まぁ良いからさ。〇〇が出てきたら支えなよ

玲:は、はい。

そう言い、由依はご飯を買いに家を出て行った。

玲:〇〇、大丈夫かな

私は1人になり、不安が押し寄せてくる。

玲:ちょっと様子見てこよ

私は由依さんの忠告を無視し、〇〇の部屋に向かう。

玲:〇〇、大丈夫?

私は〇〇の部屋の前に立ち、そう言うが、返事はない。

玲:あのささっきはほんとにごめん。私もなんかイライラしててさ。ほんとごめんね。私らしくないよね。

私は〇〇の反応が無い事を確認してリビングに戻ろうとすると、、、

玲:あれ?開いてる。

〇〇の部屋の扉の鍵が閉まっていなかった。

玲:もしかして〇〇家に居ない?

私は恐る恐る〇〇の部屋の扉を開ける。

これでもし〇〇が家に居なかったら私と由依さんは誰も居ない家で3時間居ない人を待って居た事になってしまうのでそれだけは避けたいと思いながら〇〇の部屋に入った。

玲:〇〇、失礼するね〜

部屋に入ると、〇〇は顔を壁側に向け、ベッドに横たわっていた。

玲:あ、よかった。〇〇、さっきはごめんね?

〇〇から返事はない。

玲:〇〇、ごめんってば。

私は〇〇の肩を叩く。

それでも返事が無かったので、私は、、、

玲:〇〇〜ほんとに別れるよー。良い加減にして

私は無理矢理〇〇の身体をこちらに向け、顔をこちらに向かせた。

玲:〇〇?

〇〇の表情を見て、私はすぐに理解できた。

〇〇の机の上には私宛の手紙が残されていた。

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5時間前

玲:もう知らないから。

玲は僕に一言そう言い、僕の家の合鍵を膝の上に置いて、部屋を出る。

〇〇:ごめん。

僕はそう呟き、自分の部屋の扉を閉めた。

〇〇:こんなんじゃだめだ。まだ玲と別れたくない。

僕は少しのプライドを捨て、部屋の扉を開け玲を追いかけようとするが、、、

谷口兄:俺はあいつの女抱いた事あるから。おあいこだ

夏鈴:いやぁまじでやばいよね。なんか後輩に媚び売るってのがちょっと気持ち悪いよね。

ひかる:私もあんまり好きじゃないしね。

今日、学校で僕に向かって言ってきたか分からない言葉が僕の脳内を駆け巡る。

〇〇:はぁはぁ。無理だ。もうだめだ。

そして、僕は玲を追いかけるのをやめて再び部屋に戻り、机の椅子に座った。

僕は玲に向け、手紙を書き母親が自殺に使った薬を大量に服用してベッドに横たわった。  

2時間後

僕がベッドに横たわっていると、玲ともう1人女性が入ってきた事が分かった。

〇〇:助けて。死にたくない。

しかし、玲ともう1人の女性は僕が死ぬまで助けに来てくれる事はなかった。

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玲:〇〇、ごめん。気づけなくて

私は涙を流しながら〇〇を助けれなかった罪の重さに耐えられ無かった。

玲:〇〇、今から行くから。

1時間後

私は目を覚ますと、一つの病室に居た。

玲:え?ここどこ?

由依:やっと起きた。大丈夫?

玲:え?何で?由依さんが?

由依:私が救急車呼んだの。玲が倒れてたから

玲:〇〇は?

由依さんは静かに首を横に振り、涙を流した。

====================================2日後

〇〇の葬儀が行われた。

そこには学校からたくさんの生徒が来た。

夏鈴:何で?〇〇。

天:〇〇、帰ってきてよ。玲、ごめん。ちょっとハグさせてもらうよ。

夏鈴と天は涙を流しながら、棺桶越しから〇〇にハグをした。

谷口先輩は〇〇に怒っていた。そして、妹の愛季は過呼吸になるくらい号泣していた。

〇〇は皆から愛されたまんまこの世を去る事になった。

玲:はぁほんとにごめん。

私は葬儀が終わった後、病室に戻り、天に向けてそう言った。

[終]
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約9ヶ月間ありがとうございました。最後になる可能性もあるので一応ここでもお礼を言わせてもらいます。垢は消さないのでもし良ければ僕の作品を最後に紹介させてください。

残り30分で自殺する女の子を止めます(遠藤さくら)

夏の海で逆ナンしてきた女は僕がずっと会いたかった幼馴染でした。 (田村保乃)

約束を無視して男装してきた幼馴染に僕は想いを伝えることにしました。(森田ひかる)

誰も乗ってないバスで僕と君はなぜか隣同士で座っている。(川崎桜)

これらの作品は妄ツイ師の方からも褒められたものですので、良いと思います。ぜひ読んでください。

最近始めた妄ツイ師の方も紹介します。
よーちゃんとあんちゃんときーちゃんとあんちゃんと鰈さんを知らない方は僕のフォロー欄にいますのでぜひ読んでみてください。長々と失礼しました

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