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ひかると休日に山の頂上で愛を叫びあった。

〇〇:ん?もうこんな時間か

僕は眠い目を擦りながら時計を確認する。

僕は携帯で好きな芸人のラジオを流し、再び眠りに入ろうとすると、、、

??:〇〇、起きて〜

〇〇:うるせぇ

??:うるさいじゃないよ。もう朝だよー

そう言い、ちっちゃい身体の彼女は僕に飛びついてくる

〇〇:んお

??:〇〇、起きて?

僕に飛びついてきた彼女の名は森田ひかる。僕の幼馴染で現在、同居中の森田ひかる。

〇〇:今日、休みだよ?

ひかる:休みやけ、寝てばっかりじゃ勿体ないやろ?

〇〇:俺は寝たいと

僕はひかるを無視して、再び目を瞑る

ひかる:もう起きて

ひかるは閉じている僕の目を手で無理矢理開けようとする

僕もひかるに負けじと目を全力で瞑るが、

ひかる:もう寝れんやろ?

〇〇:はぁ。もう諦める。

ひかる:よっし。じゃあ早く起きて

〇〇:はいはい

僕はベッドから出て、ひかると一緒にテーブルに座る

〇〇:それで何すると?

ひかる:え、そんなの知らんよ〜

〇〇:なんかしたい事があるけ、起こしたんじゃないと?

ひかる:ううん。別に。

〇〇:まじで言っとる?

ひかる:だって、1人で起きとるのが寂しかったんやもん

〇〇:あ、そう

ひかる:あー今、可愛いと思ったやろ?

〇〇:思ってないです

ひかる:思っとるくせに〜

〇〇:あ、ひかる

ひかる:ん?

〇〇:映画観に行かん?

ひかるほんと、すぐ話を誤魔化すんやけ

〇〇:どうする?

ひかる:何の映画観るか決まっとると?

〇〇:映画館行って決める

ひかる:分かった〜。準備してくるけ、待っとって

ひかるは洗面台に向かう。

〇〇:じゃあ俺はもう一眠りしてくるけ、準備出来たら起こしてね

ひかる:ちょっとだめよ

〇〇:えー何で?

ひかる:〇〇にも手伝ってもらわんといかんもん

〇〇:え?何を手伝うとよ?

ひかる:メイクとか髪型とか

〇〇:え?俺、メイクとかしきらんばい

ひかる:そうゆう事じゃなくて

〇〇:じゃあ何を手伝えば良いと?

ひかる:髪型とかメイクとかを〇〇に決めてほしいと

〇〇:俺に頼むなんて珍しいね

ひかる:たまには〇〇が好きな私で居たいけさ

〇〇:別にどのひかるでも好きやけどなぁ

ひかる:何が良い?

〇〇:うーん。あ、ちょっと待って

僕はスマホを寝室から持ってきて写真フォルダを漁る

ひかるは不思議そうな顔で僕を見つめる

〇〇:あ、これだ。

ひかる:どれ?

僕はひかるに高校時代の写真を見せる

〇〇:これがめちゃくちゃ好き

ひかる:えーこんな髪型もう出来んよ

〇〇:えーじゃあ何でも良い

ひかる:え?こんだけ一緒におって好きな髪型これしかないと?

〇〇:この髪型が俺の中で殿堂入りで他の髪型が全部一位みたいな感じなんよね

ひかる:えーじゃあこの髪型にしよっかなぁ

〇〇:え?ほんと?

ひかる:うん。でも、〇〇言ってくれた事あったっけ?

〇〇:あーひかるの前では言った事無かったかもしれん

ひかる:え?他の人の前では言った事あると?

〇〇:え?あるよ?

ひかる:え?ほんと?

〇〇:うん
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高校3年生の体育祭

夏鈴:そろそろひかるの走る出番じゃない?

〇〇:うん。めちゃくちゃ緊張しとる

夏鈴:何であんたが緊張するの?

〇〇:あ、きた

ひかるが走路に入る

その瞬間〇〇は立ち上がる。

〇〇:ひかる、愛してるぞー。何やその髪型〜可愛すぎるやろうが

ひかるは〇〇の声に恥ずかしそうにしながら、一緒に走る女子に謝る

夏鈴:〇〇、落ち着いて?

〇〇:あ、ごめんごめん

僕は周りに小さく頭を下げ、座る

名前も知らない1つ下の学年の男の子がスタートの合図をする。

スタートの合図が鳴った瞬間、ひかるは颯爽と駆け出した。ひかるが一位で帰ってくる事は絶対。そう思っていた

しかし、ひかるは転んでしまった

夏鈴:〇〇、転んじゃった。あれ、居ない

夏鈴の横に居たはずの〇〇は既にひかるの元に向かっていた。

〇〇:ひかる、大丈夫?

ひかる:ちょっと何しよると?

〇〇:ひかる、助けに来た

ひかる:もう恥ずかしいけ、やめてよ

〇〇:よし、行くぞ

僕はひかるをお姫様抱っこで抱えて走り始めた。

〇〇:軽すぎでしょ

ひかる:〇〇、抜かせ〜

ひかるは開き直り、僕にそう言った。

僕はひかるを抱えて全力疾走した。一着に入る事は出来なかったが、3着でゴールする事が出来た。
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ひかる:懐かしい

〇〇:ひかる、知らんと思うけどあの後体育の先生にでたん怒られたけね

ひかる:え?そうなん?

〇〇:絶対に怒るべきは俺に抜かれた3人やと思うんやけどなぁ

ひかる:確かに。あの抜かれた3人何しよったとやろ?

〇〇:俺の見解言っても良い?

ひかる:おー良いよ?

ひかるはちょこんと座る

〇〇:多分ね、ほんとに運動が苦手なんやと思う

ひかる:ほうほう

少し沈黙があり

ひかる:え?それだけ?それが見解?

〇〇:うん。

ひかる:アホ弁護士だ

〇〇:誰がアホ弁護士や

ひかる:そんな見解聞かんくても良かった。

ひかるはそう言い、洗面台に向かった。

〇〇:どうしよっかなぁ。AEONに行くかダイエーに行くか

僕がスマホで映画の上映スケジュールを確認していると

ひかる:なんか観たい映画あると?

ひかるは洗面台から顔だけ出して僕にそう聞く

〇〇:なんか映画館で映画が観たい気分やったけさ、言ったけど全然観たい映画無かった

ひかる:じゃあさ、六ヶ岳行かん?

〇〇:は?今から?

六ヶ岳とは地元の山である

ひかる:うん。やまびこしたくなってきた

〇〇:まじで言ってる?

ひかる:うん

〇〇:人生でやまびこしたくなった事とか無いんやけど

ひかる:えーだめ?

〇〇:別に良いけど

ひかる:やった。じゃあ準備してくるね

〇〇:はーい

25分後

僕はひかるを助手席に乗せ、六ヶ岳に向かった。

〇〇:何叫ぶか決めとると?

ひかる:えー何にしようかなぁ

〇〇:俺は決まっとるよ

ひかる:なんて叫ぶと?

〇〇:それは頂上に行ってのお楽しみやな

ひかる:じゃあ私も内緒にする

そう言い、ひかるはシートベルトを両手で持ち、前を向いた

六ヶ岳にて

〇〇:久しぶりに登るなぁ

ひかる:私も高校生の時以来かも

〇〇:気合いで登るか

ひかる:うん

僕とひかるは登山を始めた

登っている人は居なく降りてくる人とすれ違うばかりだった。

〇〇:年寄りしかおらんな

ひかる:休みの日のお昼に山登りしてるカップルなんてどこ探してもおらんよ

〇〇:まぁそりゃそうか。どう考えてもおかしいもんな

ひかる:多分、私たちとすれ違ったお年寄りの方たちは全員尊いなぁって思ってると思うよ?

〇〇:年寄りに尊いっていう感情ないだろ

ひかるは謎にツボにハマった。

30分後

〇〇:落ち着いた?

ひかる:うん

ひかるの笑いがやっと収まり、僕たちは再び登山を始めた。

1時間後

僕とひかるは重い足取りでやっと頂上に登り詰めた。

ひかる:はぁはぁ

〇〇:疲れたね

ひかる:やまびこしても良い?

〇〇:良いよ?何言うか決めた?

ひかる:うん。私から叫んでも良い?

〇〇:良いよ?

ひかるはゆっくりと歩き

ひかる:〇〇、好きだーーーーーーーー

ひかるは今までに無いくらい大きな声でそう叫んだ

〇〇:ひかる、恥ずかしいって

ひかる:誰も居ないから良いじゃん

〇〇:まぁそうだけど

ひかる:じゃあ次は〇〇の番ね

僕はひかるの方に向かい

〇〇:ひかる、好きだーーーーーーーー

ひかるは僕がそう叫んだ後、すぐにこう叫んだ

ひかる:ありがとうーーーーーーーー。これからもよろしくねー

〇〇:ありがとう

ひかる:次は〇〇の番だよ?

〇〇:もう無いよ。

ひかる:えーじゃあ私が言っても良い?

〇〇:まだ叫びたい事あるの?

ひかる:うん。ヤッホーーーーーーーーー

〇〇:え?最後に叫ぶのがそれ?

ひかる:うん。やっぱヤッホーが1番良いもん

〇〇:そうだね。

そう言い、僕とひかるは下山した。

帰りの車

〇〇:やまびこってめちゃくちゃストレス発散になるね

ひかる:うん。来て良かったでしょ?

〇〇:良かった。ひかるから久しぶりに好きって言ってもらえたし

ひかる:お互い愛が冷めたって思ったらやまびこしに行こ?

〇〇:そうだね。喧嘩したらやまびこしに行こうか

ひかる:うん。後さ、もう一つ提案なんだけどさ

〇〇:うん。なに?

ひかる:今度はさ、山の麓でやまびこしない?

〇〇:は?どうゆう事?

ひかる:登るの疲れたでしょ?

〇〇:うん。疲れた

ひかる:だから、山の麓で今度はやまびこしよ?

〇〇:うん。考えとく

僕はそう言い、アクセルを少しだけ強く踏んだ
[終]

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