遅刻癖がある天然で可愛い僕の彼女はメンヘラっぽいです。
乃木坂駅。午後13時
〇〇:大丈夫かなぁ。何かあったのかな
僕は遠藤〇〇。僕は彼女の真佑を待っている。今日の集合時間は乃木坂駅に10時。真佑はよく遅刻してくるがここまで遅刻してきたのは初めて。電話をかけても出ない。僕は真佑に何かあったのかと心配です。
??:〇〇君、ごめーーん。
遠くから甘〜い声が聞こえてきます
〇〇:あ、来た。
真佑:ほんとにごめん。お待たせ
僕の彼女の田村真佑。約3時間遅れで到着した。
〇〇:大丈夫だった?
真佑:うん。
〇〇:どうしたの?人身事故?変なのに絡まれてた?
真佑:い、いや違くて
真佑は気まずそうな顔をしている
〇〇:どうしたの?
真佑:寝坊しちゃった。
〇〇:え?寝坊?3時間も?
真佑:ほんとにごめん。
〇〇:いつもの真佑で良かった。
真佑:え?
〇〇:俺、真佑が事故に遭ったんじゃないかってめちゃくちゃ心配だったからさ。寝坊とかで良かったわ
真佑:もう〇〇〜
〇〇:ん?
真佑:〇〇君が彼氏で良かった。ほんと大好き
〇〇:俺も真佑が無事で良かったよ。でも、許した訳じゃないからね?
真佑:え?
〇〇:嘘だよ。冗談。じゃあ行こっか
僕が真佑の手を取ろうとすると、真佑はその場に顔を下げて突っ立ている
真佑:〇〇君、やっぱ怒ってるんだよね?
〇〇:え?いや、怒ってないよ?
真佑:でも、さっき許してないって言ってたよね?
〇〇:いやいや、あれは冗談だよ。
真佑:嘘でしょ?〇〇君、怒ってる。顔が怒ってるもん
真佑は僕の顔を指さしてそう言う。
〇〇:え?そう?怒ってないよ。
真佑:嘘。絶対怒ってる
〇〇:ほんとに怒ってないよ?ほら、行こ?
真佑:〇〇君、私の事嫌いなんでしょ?
〇〇:は?何でそうなんだよ?
真佑:いつも寝坊して遅刻してくるから。もう嫌いなんでしょ?
〇〇:嫌いな訳ないだろ?真佑の事はこの世の人間で1番好きだって
真佑:ほんと?
〇〇:うん。ほんとだよ。
真佑:ほんとのほんと?
〇〇:うん。ほんとのほんと
真佑:やった。良かった。
真佑に笑顔が戻る。
〇〇:真佑は笑ってた方が可愛いよ
真佑:え?笑ってない時は可愛くないの?
〇〇:いやいや、そういう訳じゃないけど
30分後
〇〇:真佑はいつでも可愛いけど、笑ってる顔が個人的には1番好きって意味だからね
真佑:あぁそういう事か。勘違いしてた。
〇〇:良かった。でも、真佑の怒ってる顔もやっぱ可愛いかった
真佑:ほんと?
〇〇:うん。
真佑:えへへ。嬉しい。
〇〇:可愛い。
真佑:ねぇギュッして?
〇〇:え?ここでは嫌だよ
真佑:えぇ何で?私の事嫌い?
〇〇:違うけどさ。ここ駅で公共の場だからさ。
真佑:私たちの愛は公共の場に負けちゃうの?
〇〇:は?何言ってんだよ?
真佑:ねぇ〇〇君がギュッしてくれないと私ぐずるからね
〇〇:え?それだけは勘弁してくれ
真佑がぐずるとめんどくさい。
真佑:じゃあギュッして?
〇〇:はいはい。分かったよ。
真佑:やったぁ。
〇〇:おいで。
真佑:うん。
真佑は僕に抱きつく。
3分後
〇〇:真佑、もう良いんじゃない?
真佑:まだ。やぁだ。
〇〇:ちょっと苦しいよ。
真佑はどんどん強く抱きしめる。
〇〇:くるじぃ
真佑:えへへ。可愛い。
真佑はハグを辞める。
真佑:えへへ。あれ?みんながこっち見てるよ?
〇〇:そりゃあんなにハグしてたらみんな見るよ
真佑:私たちに嫉妬してるって事?
〇〇:違うよ。変なカップルだと思われてるんだよ
真佑:えぇ何が変なの?〇〇君、変だなぁ
〇〇:はぁ変なのは真佑だよ。
真佑:とりあえずデート行こ?
〇〇:うん。そうだね。
僕は真佑と手を繋いで駅を出る。予定よりも4時間くらい遅れてデートが始まった。
〇〇:今日さ、真佑がデートの計画決めてくれたじゃん?
真佑:うん。そうだね。
〇〇:今からどこ行くの?
真佑:海だよー
〇〇:え?海?
真佑:うん。今から行くの
〇〇:そうなんだ。久しぶりに海行くな
真佑:ほんとは朝にバッティングセンター行って映画見て可愛いカフェ行って海行く予定だったんだけど
〇〇:真佑が寝坊したからもう行けないと?
真佑:そうゆう事。
〇〇:分かった。じゃあ海行こっか
真佑:うん。
〇〇:歩いて行くの?
真佑:うん。
〇〇:あのさ真佑って海好きだったけ?
真佑:えぇ何で?
〇〇:いや、真佑が海行こなんて言うの珍しいなぁって思ってさ
真佑:うーん。まぁ別に特別好きではないけど、〇〇に見せたい物があってね
〇〇:見せたい物?
真佑:うん。何だと思う?
〇〇:えぇなんだろ?海と関係してるの?
真佑:うん。関係してるー。〇〇君の大好きな物
〇〇:え?俺の好きな物?
真佑:うん?分かんない?
〇〇:ちょっと待って。考えてみる
真佑:ダメー。もう時間切れー
〇〇:えぇ早いな。で、何なの?
真佑:正解はー
〇〇:うん。なに?
真佑:私の水着姿だよ。
〇〇:え?
真佑:〇〇君、私の水着姿好きでしょ?
〇〇:ま、まぁ好きだけど。
真佑:好きだけどなに?
〇〇:他の男に見られたくないなって
真佑:え?どうゆう事?
〇〇:この前さ、プール行った時、真佑水着着てたじゃん?
真佑:うん。着てたね
〇〇:あの時真佑が可愛すぎてみんなが真佑の事見てたんだよ?
真佑:えぇそうなの?
〇〇:え?男からの視線に気付かなかったの?
真佑:うん。全然気付かなかったよ
〇〇:はぁほんとに真佑はあざといなぁ
真佑:えーあざとくなんかないよー。
〇〇:まぁあざとい女は自分があざといって分かんないからね
真佑:えへへ。私ってあざといの?
〇〇:うん。めちゃくちゃあざといよ。
真佑:えへへ。〇〇君はあざとい真佑は嫌い?
〇〇:好きに決まってるじゃん。
真佑:えへへ。やったぁ
〇〇:あ。海ってあれ?
真佑:うん。
〇〇:意外とすぐ着いたね
真佑:そうだね。〇〇君と一緒に居るとすぐだった
〇〇:俺もだよ。じゃあ海行こっか
真佑:ねぇ〇〇君、脱いでも良い?
〇〇:は?え?ほんとに水着になるの?
真佑:え?そうだよ?
〇〇:あ、本気なんだ。
真佑:えぇ辞めた方が良い?
〇〇:い、いやどうしてもって言うなら水着になっても良いけど
真佑:見たいくせに
〇〇:う、うるさいな
真佑:じゃあ着替えるね?
真佑は服を脱ごうとする
〇〇:ちょっとちょっと。なにしてんの?
真佑:え?着替えてるんだよ?
〇〇:更衣室で着替えてきなよ。
真佑:もう水着着てるんだよ?
〇〇:え?もう着てるの?
真佑:うん。着てるよ
〇〇:はぁ何で着てるんだよ。
真佑:えーほんとは気づいてたくせに
〇〇:は?え?気付いてなんかないよ
真佑:さっきハグした時に当ててたのに
〇〇:はぁやっぱあれわざとか。なんか柔らかいの当たってんなって思ってたわ。
真佑:やっぱ気付いてたんだー
〇〇:もうほんとにあざといなぁ
真佑:じゃあ着替えるね
〇〇:うん。良いよ。
真佑は水着姿に着替える。
真佑:どう?
〇〇:うん。可愛いよ。
真佑:えへへ。良かった。あのさ〇〇に渡したい物があるんだよね
〇〇:え?渡したい物?
真佑:はい。
真佑は紙袋を渡す。
〇〇:なにこれ?
真佑:袋から出してみて
〇〇:う、うん
袋の中にはスカーレット色の指輪のケースが入っていた
〇〇:え?これどうゆう事?
真佑:私、〇〇と結婚したい
〇〇:え?プロポーズ?
真佑:うん。
〇〇:ちょっと待ってよ。何で水着姿で?
真佑:水着姿だったら成功確率上がるかなって
〇〇:はぁ。そんなのダメだよ
真佑:え?ダメなの?
〇〇:うん。
真佑:はぁそっか。
〇〇:こういうのは男からプロポーズするもんでしょ。
真佑:え?
〇〇:真佑、俺と結婚してください。
真佑:〇〇君。
真佑は涙を流す。
真佑:よろしくお願いします。
僕はまた真佑とまたハグをした。
周りの海に来てるカップルたちは拍手や歓声を送っている。
〇〇:真佑。
真佑:なーに?
〇〇:これさ、ケースの中身なにも入ってないじゃん
真佑:えへへ。やっぱバレた?
〇〇:うん。どうゆう事?
真佑:一緒に指輪買いに行こ?
〇〇:そういうことね。じゃあ行こっか
真佑:うん。
〇〇:とりあえず着替えてきて
真佑:えー
〇〇:水着で指輪買いに行くアホがどこに居るんだ
[終]
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