いつも隣に居た幼馴染が他の娘にデレデレしています。
櫻高校
玲:〇〇、行こ〜
私は幼馴染の〇〇を迎えに行き、学校に向かう。
〇〇:行こっか。
私の名前は大園玲。高校3年生。そして、一緒に居るのが幼馴染の遠藤〇〇。
玲:今日の英単テスト大丈夫?
〇〇:え?今日、火曜日だよ?
玲:〇〇はほんとに話聞いてないね
〇〇:え?
玲:明日は私たちのクラスだけ研修で学校に居ないから今日するって言ってたじゃん
〇〇:うわ完全に忘れてた。まぁ何とかなるでしょ
玲:そうやっていつも何ともなって無いじゃん。
〇〇:別に大学行かないし、英単テストの成績悪くても良いもん
玲:でもさ、いっつも夜遅くまで再テストやってるでしょ?
〇〇:うん。でも、別に苦じゃないもん。むしろ楽しんだよ。
玲:そんなんじゃダメだってば。ほら、登校の間だけで良いからLEAP読んで勉強して
〇〇:LEAPって何だっけ?
玲:もう何言ってんの?私たちの学校はLEAPっていう英単語帳使ってるでしょ?
〇〇:あぁそうだったか。もう久しく読んでないから忘れてた。
玲:ほんと酷いね。
そう言い、私は〇〇に英単語帳を渡した。
5分後
〇〇:無理だ。
玲:諦めたらダメだってば。
〇〇:だって、訳分かんないもん。大体さ、英語覚える意味無くない?
玲:いや、覚えた方が良いでしょ。
〇〇:何で?だって俺、海外行く予定とかないよ?
玲:そうかもだけど、日本に海外の方が来た時とかに喋りかけられた時、おどおどしてたら恥ずかしいでしょ?
〇〇:俺さ、ずっと思ってたんだけどさ
玲:なになに?
〇〇:日本人はさ、海外行ったら頑張って知ってる単語使って話すでしょ?
玲:うん。それが?
〇〇:海外の人も日本来たら日本語頑張って話せよって思わない?
玲:はぁ。じゃあ勉強しなければ
私は英単語帳を取り返そうとすると、、、
〇〇:ダメ。ちゃんとやる。
玲:ふふ。頑張って。
私は〇〇との登校の時間がとても好きだった。
私は幼馴染の遠藤〇〇の事が大好き。それは人としてでもあり、異性としても。
〇〇もきっと私の事が大好き。私以外の異性と話してる姿を見た事がない。
私は〇〇の告白を中学校から待っている。
3年2組。
玲:おはよ〜
保乃:おはよ。今日ね、転校生来るらしいよ?
玲:え?そうなの?
保乃:ほら、〇〇君の隣の席空いてるでしょ?
玲:うん。
保乃:あそこの席に来るんだって
玲:へぇそうなんだ。でも、〇〇大丈夫かな?
ガラガラガラガラ
教室の扉が開く。
教師:よーし、英単テスト始まるぞ。席着け。大園ー
玲:何ですか?
教師:ちゃんと〇〇に勉強教えてあげたか?
玲:いや、〇〇全然私の言う事聞いてくれないんです。
教師:おい〇〇。
〇〇:違うんすよ。玲がもうめちゃくちゃ厳しいんです。ほんと小林先生くらいスパルタなんですよ。
教師:小林先生に言っとくからな。
〇〇:まじで勘弁してください。
クラスはやや笑いが起こる。
少し離れた席で玲は薄目で僕を睨みつけるようにして見ていた。
僕は目を合わせないようにして、俯いた。
10分後
英単テスト終了
玲:〇〇、出来た?
〇〇:全く出来んかった。
玲:もうだから言ったじゃん。
〇〇:もう俺には無理だよ。
玲:でもさでもさ、〇〇は勉強すれば頭良いじゃん。
〇〇そんな事無いって
玲:そんな事あるよ〜。だって、私と同じ高校入れたじゃん
〇〇:いや、それはたまたまだよ。
玲:そんな事無いと思うけどなぁ〜
教師:お前ら、皆知ってると思うけど今日はこのクラスに転校生が来てるから紹介するな。
〇〇:なんか日本語変じゃない?
玲:言わないの。
教師:〇〇、なんか言ったか?
〇〇:いえ、何も言ってないです。
教師:なら、良い。よし、入ってきて良いぞ。
??:はい。
女性の甘く高い声が聞こえてくる。
〇〇:女の子なんだ。
??:失礼します。
クラスはざわざわしだす。
??:守屋麗奈です。よろしくお願いします。
教師:皆、仲良くしろよ。
〇〇:めちゃくちゃ可愛いじゃん。
教師:じゃああそこの空いてる席、座ってくれ。分からない事があったら〇〇に聞いてな
麗奈:はい。
守屋さんは〇〇の隣の席に座った。
玲:大丈夫かな
私は妙な胸騒ぎを感じた。
麗奈:〇〇君、よろしくね。
〇〇:え?何で俺の名前知ってんの?
麗奈:え?さっき先生が言ってたから
〇〇:あ、そうか
麗奈:ふふ。しっかりして。
守屋さんは僕の目をキラキラな目で見つめながらそう言った。
放課後
〇〇:再テスト行くか。
僕は案の定、英単テストの再テストを受ける事になった。
玲:〇〇〜、一緒に帰ろ?
〇〇:玲、ごめん。俺、再テスト行かなきゃいけない。
玲:あーそっか。
麗奈:え?再テストって何?
僕は麗奈に諸々説明した。
麗奈:えーそうなんだ。私も受けに行こうかな。
〇〇:え?行かない方が良いよ。
麗奈:何で?
〇〇:めちゃくちゃめんどくさいよ?
麗奈:えーでも、もうちょっと〇〇と一緒に居たいもん。
〇〇:え?な、何言ってんの?
麗奈:ふふ。冗談だよ。でも、この学校が今どこら辺か知りたいし、受けに行くね
〇〇:麗奈は真面目だな。
麗奈:じゃあ行こ?
〇〇:行くか。玲、じゃあな
麗奈:大園ちゃん、バイバイ。
玲:う、うん。
〇〇と守屋さんは2人で楽しそうに教室を出て行き、再テストの教室に向かった。
玲:はぁ。どうしよう。
私は帰る準備をして1人で教室を出て行った。
玲:〇〇、楽しそうだったなぁ。しかも、麗奈って呼んでた。
優:玲さーん。どうしたんですか。
玲:あ、優ちゃん。
後輩の村井優ちゃんが1人で帰る私の元に来た。
優:今日、〇〇さんは居ないんですか?
玲:再テスト受けてる。
優:相変わらずですね。それで何で落ち込んでるんですか?
玲:え?
優:え?じゃないですよ。後ろから見たら哀愁が凄いんです。
玲:何言ってんの?
優:何があったんですか?
玲は優に今日起きた事を全て話した。
優:玲さんにライバルが出来たのか。でも、1日で〇〇さんを恋に堕とすなんて凄い方ですね
玲:もう感心してる場合じゃないってばぁ。
優:ごめんなさい。でも、どうするんですか?
玲:どうするって言われてもなぁ。どうすれば良いかな?
優:思い切って告白しちゃえば良いんじゃないですか?
玲:え?そんなの無理だよ。後さ、私は〇〇から告白されたいんだもん
優:でも、もうそんな事言ってられないですって
その日の夜。
玲宅にて
玲:あ、明日の研修のバス誰の隣に座るか決めないと。〇〇にLINEしよ。
玲LINE:〇〇、明日のバス、隣同士に座ろ?
13分後
〇〇LINE:あーすまん。麗奈と座る事になったんだ。また今度誘ってくれ。
玲LINE:分かった〜。またよろしくね〜
私はため息を吐きながらそうメッセージを送った。
玲:終わった。
私はその日の夜、眠る事が出来なかった。
次の日。
玲:え?
学校にて。
玲:ねぇ〇〇どうゆう事?
〇〇:いや、ごめん。
玲:何あのLINE。何でもう私と一緒に学校に行けないの?
〇〇:いや、それは別に
玲:ねぇちゃんと教えてってば。
麗奈:〇〇、早くバス乗ろ?
〇〇:う、うん。じゃあ玲、また後でな。
玲:ちょっと待って。
私は大きな声で〇〇を呼び止める。
〇〇:どうした?
玲:私が〇〇の隣に座る。
〇〇:は?何言ってんだよ。
玲:私はずっと〇〇の隣って決まってるの。席に座る時も学校に行く時もバスの隣もこれから先も私は〇〇の隣って決まってるの。
〇〇:玲、どうしたんだよ。
玲:私と付き合ってください。
〇〇:まだ朝だぞ?朝に告白する奴がどこにいんだよ。
玲:別に良いでしょ。私は〇〇が好きなの。朝昼晩一緒にいたいの。隣に居たいの
〇〇:玲。
麗奈:保乃ちゃん、一緒に座らない?
保乃:え?
麗奈は保乃に一言そう言う。
保乃:うん。
保乃はその言葉を受け止め、笑顔でそう言った。
〇〇:麗奈、ごめん。
麗奈:ううん。大丈夫。でも、これからも友達で居てね。
〇〇:うん。
玲:じゃあバス乗ろ?
〇〇:分かった。
玲は〇〇の手を取り、バスに乗り込んだ。
〇〇:玲、凄いな。
玲:ん?何が?
〇〇:ほんとはああいうのって俺が言わなきゃいけないんだよな。
玲:そりゃそうでしょ。〇〇は私の事好き?
〇〇:うん。好きだよ。
玲:ありがとう。私の隣から離れたらダメだよ?あと、他の女の子にデレデレするのも禁止ね。
〇〇:は、はい。
玲:絶対だからね。
玲は〇〇の手を握って、見つめながらそう呟いた。
前の席では
保乃:麗奈ちゃん、また新しい恋見つけようね
麗奈:え?何の事?
保乃:〇〇君の事好きだったんでしょ?
麗奈:え?全然。
麗奈は他人事かのような顔でそう言った。
[終]
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