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SNSのフォロワー数分、値引きされる店でR18の垢を見せたらその店員が元カノでした

〇〇:いただきまーす

あやめ:いただきまーす

僕の名前は川崎〇〇。そして、この女は僕の親友の筒井あやめ

〇〇:今日は俺の奢りだから沢山食べてよ

あやめ:ほんとに良いの?

〇〇:うん。良いよ

あやめ:やった。じゃあ遠慮せずに沢山頼むね

あやめはそう言い、最初に来たお通しに手を付ける。

1時間半後

〇〇:ご馳走様でした

あやめ:ご馳走様でした

〇〇:じゃあお会計するか

あやめ:ねぇほんとにご馳走になって良いの?

〇〇:急にどうしたんだよ?

あやめ:だってさ、いっつもご飯食べに行く時、割り勘ってルールにしてるじゃん

〇〇:そうだけどさ、今日は俺に奢らせて?

僕とあやめは2人で食事に行く時、お会計は割り勘にするというルールがある。

でも、今回は僕の奢り。特別な日とかあやめが誕生日とかそういう訳ではなく普通の日。それなのに僕が奢る理由。それは、、、

あやめ:ねぇこの店面白いね?

〇〇:ん?何が?

あやめ:Twitterのフォロワーの人数分、値引きされるんだって

〇〇:へ、あ、そうなんだ

僕は知らぬフリをしたが、あやめに奢る理由はこれだ

あやめ:YouTuberの人とか沢山来そうだね

〇〇:まぁそうゆう人達が広めてくれるからこういうのやってるんだろうね

あやめ:そうだよね。私たちにはこうゆうの全く関係ないもんね

〇〇:だな。そもそもTwitterやってないし

あやめ:うん。私もやってない。

あやめは携帯を見ながらそう呟く

〇〇:ちょっと伝票取っちゃらん?

あやめ:うん。

あやめはそう言い、値段をチラッと目で確認して僕に伝票を渡す

〇〇:じゃあ会計してくるから先に外出てて良いよ?

あやめ:ちょっとお腹痛くなってきたからお手洗い行ってくる

〇〇:分かった。じゃあ先に会計済ませとくね

あやめ:うん。ありがとう

そう言い、あやめはトイレに向かった

僕は、すぐさまTwitterを開く

〇〇:どうしよっかなぁ

先程は知らないフリをしたが、僕はTwitterのフォロワーが3,000人居る。そして、もう1つの垢では5,000人居る。

しかし、その5,000人の垢はR18要素がある垢なので店員さんに見られるのも少し気が引ける。

〇〇:でも、5,000円の値引きはデカすぎる。

僕はR18要素のある垢を開いてレジに向かった。

〇〇:すいません。お会計お願いしまーす

??:はーい。

店の奥から女の人の声が聞こえてきた。

〇〇:お会計お願いします。

僕は顔を見られないように垢を画面真っ暗な状態で店員さんに見せた。

??:5,000人凄い。

〇〇:あ、ありがとうございます。

??:じゃあこの店のツイートを確認させてもらってもよろしいですか?

〇〇:え?

店員さんにそう言われ、僕は咄嗟に顔を上げると

??:やっぱ〇〇じゃん

〇〇:え?和じゃん

その店員は高校の時の元カノの井上和だった。マスクをしていた事と前髪があったので僕は全く気づかなかった。

和:さっきの女の子ってあやめちゃんだよね?

〇〇:あーそうそう

和:付き合い始めたの?

〇〇:いや、あやめとは結構2人でご飯食べ行ったりしてるんだよ

和:そうなんだ。

〇〇:ってか、あやめの事知ってるの?俺、教えたっけ?

和:え?覚えてないの?

〇〇:なんか言ったっけ?

和:私と付き合ってるのに、あやめちゃんと連絡取ってて大喧嘩になったじゃん

〇〇:あ、そんな事あったな。

和:他の女と連絡とか喋るのだめってルールだったのに〇〇はすぐ破ったもんね

〇〇:あやめとは長く居すぎて女の子っていうのが無かったんだよね

あやめ:失礼だね?

あやめがそこにやってくる

〇〇:あやめ、居たんだ

あやめ:和ちゃん、久しぶり

和:久しぶり。

あやめ:もうお会計終わったの?

〇〇:いや、まだだけど

和:あ、忘れてた。〇〇、ツイート見せて?

あやめ:え?ツイートどうゆう事?

〇〇:い、いや何も無いよ?あやめは先に外に出てて良いよ?

僕はあやめの肩を押し、店の外に出そうとする

あやめ:え?ちょっとどうゆう事?

〇〇:もう少し和と話す事があるってだけ。じゃあすぐ行くから

あやめ:は?う、うん。分かった

そう言い、あやめは店の外に出る

和:ねぇ何でフォロワー5,000人も居るの?

〇〇:別に良いだろ。なんてツイートすれば良いの?

和:この店の店名をハッシュタグにして後はこの店の感想を呟けば良いだけ

〇〇:それだけで良いのね

僕はツイートをする

和:あやめちゃんと付き合えば良いのになぁ

〇〇:あやめは可愛いけど、別に女として見てないからなぁ

和:私は女として見てくれたって事?

〇〇:まぁそういう事なんじゃない?

僕はツイートをしながら和とそんな会話をした。

〇〇:これで良い?

ツイートを和に見せる

和:取った〜

和は僕の携帯を取る

〇〇:おい、和返せ

僕は和から携帯を取り返そうとするが

和:ちゃんとツイートしてるか見ないといけないからねぇ

〇〇:ちゃんとしてるだろ?早く返せって

和:へぇこんな事やってるんだ?

和は薄目になり、僕にそう言う

〇〇:はぁ。最悪だ。

和:〇〇がこんな垢で5000人もフォロワーを作ってるなんてびっくり

〇〇:絶対あやめに言うなよ?ってか、誰にも言うなよ?

和:えーどうしよっかなぁ

〇〇:まじで頼むって。値引きしなくて良いから

和:値引きはするよ?店のルールだから

〇〇:はぁ。まじで頼むよ?

和:これってあやめちゃんの事言ってるよね?

僕のツイートを見せつける

〇〇:ち、違うから

和:ふぅん

和は怪しむような顔で僕にそう言い

〇〇:何だよ?

和:でも、この目にモザイクが入ってるのは完全にあやめちゃんだもんね?

〇〇:だから、違うって

和:正直に言わないとあやめちゃんに言うよ?

〇〇:はぁ。あやめの事だよ

和:最低だね?

〇〇:ごめん

和:あやめちゃんをこんな下品な目で見てるなんて

〇〇:もう言うなって。まじで頼むぞ

和:じゃあ私の言う事聞いてくれる?

〇〇:はぁ。なに?

和:もう一回私の彼氏になって?

〇〇:それは無理だって

和:じゃあ言うよ?あやめちゃんに

〇〇:もう付き合うのは無理なんだって

店外にて

あやめ:もう〇〇遅いなぁ。なにしてるんだろ

あやめは痺れを切らし、店の中に再び入る

店の中に入ると、和と〇〇が言い合いをしていた。

和:言う事聞かないとあやめちゃんに絶対バラすから

〇〇:他のお願いにしてくれって

和:絶対だめ。〇〇の事好きなの。

〇〇:俺はあやめが好きなの!!

僕は店に響くくらいの大きな声で和にそう言った

あやめ:はぇ

あやめもびっくりして訳の分からない言葉が出る

和:あやめちゃん、居たんだ

〇〇:え?

僕が後ろを振り向くと口がぽかーんと開いたあやめが立っていた。

〇〇:あやめ、今のは違うんだ

あやめ:私も好きだよ?

〇〇:は?え?

あやめ:だから、私も好き

〇〇:え?ほんとに言ってる?

あやめ:うん。

〇〇:え?どうすれば良いの?

僕は和にそう聞く

和:知らないよ。〇〇が決めないと

〇〇:え?俺がここであやめと付き合ったら和、言っちゃうでしょ?

和:もう知らないよ。この際、そんなのどうでも良いよ。皆、見てるし

〇〇:え?

僕が周りを見渡すと、厨房にいた料理人まで僕の方を見ていた。

あやめ:ねぇなにコソコソ話してるの?

〇〇:あーごめんごめん

僕は軽く咳払いをする

〇〇:あのー実はあやめの事めちゃくちゃ女として見てます

和:はぁ。

和は頭を抱える。

あやめ:嬉しい。

和:え?

あやめ:私、ずっと〇〇に女として見られてないと思ってたの。だから、嬉しい

〇〇:お、俺はすっげぇあやめの事女として見てる

あやめ:嬉しい。ありがとう。

〇〇:ちょっと待って

あやめ:なに?

僕は和の方に向かい

〇〇:2,000円で良いよね?

和:う、うん。

僕はレジに2,000円を置き、あやめの手を引き、店を出る

あやめ:どうしたの?

〇〇:なんか皆こっち見てたから

あやめ:そりゃあんな大きい声であんな事言ったら皆、結末は気になるよね

〇〇:俺、あやめの事好きなんだよ。だからさ、付き合ってほしい

あやめ:遅すぎだよ

あやめはそう言い、〇〇の手を握った。

僕とあやめは手を握って、帰り道を歩いた

あやめ:ねぇ何でお会計2,000円だったの?

〇〇:え?そ、それは

あやめ:なに?

〇〇:和がおまけしてくれたんだよ

あやめ:嘘ついてるでしょ?

〇〇:ついてないよ。

あやめ:家に帰ったら〇〇スマホチェックね?

あやめは僕の顔を覗き込みながらそう言った。

あやめの手を握る力が少し強くなったような気もした
[終]

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