悔しさに燃える瞳は成長への誓い
「もっとできるだろう?」と自分の心を睨みつけるかのような、悔しさの炎が燃える瞳を私は見た。
栃木県で行われている国体フィギュアスケート成年男子FS。最終滑走にしてSP・FSともに1位で完全優勝(都道府県でも優勝)した山本草太選手のFS後のキスクラでふと見せた表情のことだ。
実は私も(と言っては甚だ恐縮の極みではあるが)優勝の喜びの中に、ちょっぴり悔しさを感じている。
時は少し遡って、1月4日。名古屋フィギュアスケートフェスティバル(以下「名フェス」)で、場内スタンディングオベーションの完璧なFSを滑ったのを現地で目撃していたからだ。
アイスショーでリンクサイズが競技リンクより狭かったにもかかわらず、美しい4回転を跳び、さらに後半3F+3Loと今まで見せたことがない攻めのジャンプ構成で、配信中継の解説を務めた鈴木明子さんに「試合ですね」と言わしめた内容だった。
現場にいたファン、配信を見たファンならきっとわかってくれると思う。あの時の会場の驚きと拍手の熱量は、アイスショーの域を超えたまさに試合だったと。
そんなこともあって、もう完全に見る側のハードルを爆上げなさったと私は思っている(少なくとも私は上がった)。また、それをできるだけの力がある選手なのだとも。
そんなことがあっての今年の国体。昨年の国体からの一年を想ったファンは私だけではないはず。
茫然自失なSPの後、とにかくFSは最後まで滑りきってくれさえすれば、それだけでいいと思った昨年の国体。
それが一年後。優勝したのに残る悔しさがある。なんて贅沢なことなんだろう!
ジャッジシート(採点表)を見に競技結果のページを確認したら、予定構成では名フェスで披露した3F+3Loを入れていたことに気づいて(本番では3F+3Tになった)、私の中の悔しさは持ってていいものだと、自分に正直になってみて、少し気持ちが軽くなった。
国体ページの取材記事を読むと、
とあったので、もしかして年始に新しい靴の写真をインスタにアップしていたので、その関係かな?どうなのかな?
そういう状況でも冷静に実施できる構成に変えて滑り切ったのは、今季得たさまざまな経験がいきたんじゃないかなと思う(ど素人の感想ですを添えて)。
国体は無料配信で生中継があり、アーカイブで何度でも見返すことができます。
25日のSP、山本草太選手は43:10あたりから。26日のFSは7:23:00あたりから見られます。ぜひ。
優勝おめでとう!という喜びと、昨年とは全く違う悔しさを感じられる喜びと、また新たな感情を私にくれた。
正直、昨年末の全日本後から、この競技(と推し)を追うことへの覚悟が私には全く足りてないのではないかと激しく落ち込んだ(そしてまだ完全には立ち直れていない)けど、彼のスケートを見ることでしか湧き出てこない感情を手放すことは、やっぱり考えられない。自分に合う応援の仕方を見つけられたらいいなと思う。
1月だけで名フェス、インカレ、国体と3試合も見られて(もう名フェスは試合カウントだ)2022年、希望の幕開けになった。そう、まだまだこれから。成長していくキミを見守れることを幸せに思います。悔しさに燃える瞳は成長への誓いだ。
2月6日(日)のフィギュアスケートTVで名フェスでのFS「これからも僕はいるよ」が放送されることを、そして、艶のある美しさだけじゃない、芯の強さをも持ち合わせる歓喜の「Sota ci sarò」をもう一度、試合の場で……!と祈りつつ……何度でも言うし、何回でも書く。
草太くんのスケートがめっちゃ好っきゃで。
(とちまるくんかわいいな!)