ウィルソン麻菜

ライター。noteでは、国際結婚や子育て、仕事で感じたことを。ちいさな心の揺らぎを忘れないための日記や、考えたことをぐるぐる内省する文章を書いてます。ジェンダーやルッキズム、マイクロアグレッションにも興味あり。記憶を言葉にするプロジェクト「このひより」始めました。

ウィルソン麻菜

ライター。noteでは、国際結婚や子育て、仕事で感じたことを。ちいさな心の揺らぎを忘れないための日記や、考えたことをぐるぐる内省する文章を書いてます。ジェンダーやルッキズム、マイクロアグレッションにも興味あり。記憶を言葉にするプロジェクト「このひより」始めました。

マガジン

  • #大切な日が言葉になったなら

    • 13本

    インタビューギフトサービス「このひより」が贈る、「大切な日」を文章に残すプロジェクト。読みながら「自分のときもそうだったな」と思い出したり、「いずれこんな日がくるのかな」と未来に思いを馳せたりできる場です。あなたの大切な日は、いつですか?

  • きみたちと過ごす日々はここに

    娘が生まれた。息子も生まれた。ずんずん大きくなる。はやく元気に大きくなあれ、だけど、そんなにすぐに大きくならないで。眠いとき、イラッとしたとき、辛いとき、でもほとんどが、幸せで嬉しいときを綴った母としてのエッセイ集。何気ない子どもたちの様子を、母の心の揺らぎを、きみたちと過ごす日々をここに。

  • #このひだより

    • 21本

    インタビューギフトサービス「このひより」からのお便りです。新着情報や、運営チームの想いについて定期的に発信しています。

  • 愛しいものを追いかけて。<ものづくりライターの日々>

    「生まれた場所を知れば、物はもっと愛おしい」と気付いてから、物の向こう側を伝えるために書いているライターです。職人さんやメーカー、作り手のインタビューをしています。どんな場所で、どんな人が作ったものなの?ということを知って、大好きになったものたちに囲まれて暮らしたい。そんな私のライターとしての日々をまとめます。

最近の記事

  • 固定された記事

<自己紹介>「ライター・ウィルソン」の話をしたいと思います。

「打席にも立てていないってことなんですよ」 ライター仲間の貝津さんに、ギクリとする言葉をもらった。こんな仕事がしてみたい、こんな働き方がしたい、と話していた末のことだ。 「私たちはこんなにもライターとして届けたいことがハッキリとしているのに、それを伝えてきていない。これはベンチで素振りばかりして、打席には立ててないということらしいんです!」 なるほど。そういえば先日、別の人にも「こんな想いでライターやってて……」と話したら「全然知らなかった!もっと発信した方がいいですよ

    • 脱毛に14年を費やしている私の遷移

      まずはじめに言っておきたいのは、この記事は「脱毛しろ」「するな」「したほうがいい」「毛をなくせ」「毛を守れ」みたいな話はしていないということだ。みんな、自分の毛は好きにしたらいい。 私は今年、34歳となかなか脂の乗ったいい年齢に差し掛かりつつ、脱毛サロンに通っている。30代女性のどのくらいの割合が脱毛サロンに通っているかはわからないが、「20代で済ませた」みたいな人もわりかし多いんじゃないかと推測している。なぜなら、私自身、この脱毛サロンに通い始めたのは20歳の頃だからだ。

      • 電車にのって夏祭りにいく

        夏祭りに行った。わざわざ電車にのって。 行き先は、私が中学生まで住んでいた場所。電車で1時間かけて、家族で出向いた。今住んでいる地域には大きな祭がなく、私の記憶のなかにあった「楽しい夏祭り」を子どもたちにも体験させてあげたいと思ったからだ。 ズラーっと並ぶ屋台、大きな音で通り過ぎる神輿、同級生に会うんじゃないかとソワソワした夕暮れ。全部すごくわくわくして、好きだった。その日の夜ごはんは、みんなで屋台で買い食いするのがうれしかった。 いろんな感情が詰まった夏祭りに20年近

        • 積極的“巻き込まれ力”のススメ

          私は、オリンピックを見ない。 別に「オリンピックなんか見ないもんねーだ!」と思っているわけではなくて、特に自分の意志で「絶対に見たい!」という熱量がないだけだ。テレビドラマや正月の駅伝などもそんな感じで、アニメ以外は自発的に見るということがあまりない気がする。 ところがこの夏、我が家のテレビでは結構な頻度でオリンピックが流れていた。テレビがついていれば、私も子供も吸い込まれるようにソファに座り、気づけば「詩ちゃんがんばれ〜!」とか「スケボのみんな、楽しそうだね〜!」とかわ

        • 固定された記事

        <自己紹介>「ライター・ウィルソン」の話をしたいと思います。

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          13本
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          6本

        記事

          今日のおばあちゃん

          「この世で誰が一番好きか」と聞かれたら、たぶん「そんなの決められないよ〜」と答えるし、たしかに「一番」なんてなかなか決められるものではない。ああ、でもやっぱり私は(おばあちゃんだな)と、心の一番奥底でこっそり答えると思う。 どうしてこんなに好きなのかはわからない。反抗期が激しく大体のものに一度はムカついてきた私だが、おばあちゃんに対しては生まれてから一度もムカついたことがない。たまにしか会えなかったからかもしれないし、叱るという役割を母が引き受けていてくれたからおばあちゃん

          今日のおばあちゃん

          ちゃんと英語をやらないと、そろそろやべえ気がする。

          私はアメリカ人の夫と結婚し、6歳の娘と3歳の息子を育てている。住んでいるのは日本。子どもが生まれる前、夫婦での話し合いを経て、私たちは子どもと英語で話すことを決めた。主な理由は、日本に住んでいながら英語ができる環境のためには、家庭内は英語がいいだろうということだった。 「僕は母国語だけど、大変なのはあなただと思う。大丈夫?」と夫には最後まで聞かれた。 私自身は日本で生まれ育ち、学生時代に英語を多少勉強した程度の人間なので、第二言語で子育てをすることにもちろん不安はあった。

          ちゃんと英語をやらないと、そろそろやべえ気がする。

          ぽかぽかな誕生日、1万円を握りしめて本屋に行く。

          私は「今日、本屋に行く」と何ヶ月も前から決めていて、その手には1万円が握られていた。1万円と言ってもお札ではなく、「5千円分」の図書券が2枚である。本を買うためだけにしか使えないお金。これで、たらふく本を買いに行くのだ。 なぜ今日なのかといえば、それは私の誕生日だからで、本日の「爆買い」の一番の言い訳である。私は本が好きだけど、読むのが遅いのと収入が少なめなので、「本を買う」のは実はちょっとハードルが高い(と言いつつ、息をするようにAmazonのカートには入れてしまうが)。

          ぽかぽかな誕生日、1万円を握りしめて本屋に行く。

          女の子と男の子、どっちも育てる母としてこの社会に思うこと。

          女の子のお母さんになって見える世界お腹にいる子の性別が「女の子」だとわかったとき、私は喜びもありながら、実は気の重さも感じていた。 なぜか昔から女子同士の争いに巻き込まれることも多かったし、もちろん生理や妊娠の大変さ、それに伴うキャリア形成の難しさなども知っている。自分がある程度「女の人生」を歩んできたからこそ、大切な娘もあの世界に突っ込んでいかなきゃいけないのかい……と、憂鬱だった。 今でも、一番つらくなるのは、性被害の話だ。 高校時代、毎朝のように痴漢に遭って教室で

          女の子と男の子、どっちも育てる母としてこの社会に思うこと。

          「ラプンツェルになりたい」娘の髪をとかしながら、母は泣く。

          娘の髪の毛が、憎い。 この6年間、七五三の直後に一度切っただけのロングヘアは、すでに娘の腰にまで届く勢いで成長を続けている。そして、私はそれを洗面所で、ダイニングテーブルで、風呂場で、親の仇でも討つかの形相でとかし続けている。 娘の髪の毛は細くて繊細で、すぐにリカちゃん人形のようにこんがらがってしまう。どれだけ丁寧にブラッシングしても、翌朝には後頭部に3羽はヒナが住めそうな鳥の巣が完成している。私はそれを、毎日毎日毎日毎日とかす。野生の暴れ馬の尻尾をとかす人がいたら、こん

          「ラプンツェルになりたい」娘の髪をとかしながら、母は泣く。

          いまだ"敬語”との距離感がつかめん

          「あのね、先輩には敬語を使わなきゃいけないの」 音楽室前の廊下で、衝撃が走った。心臓がドキドキして、顔がカーッと熱くなったのがわかった。中学1年の春のことである。 中学に入って、私は幼稚園からずっと仲良しだった幼馴染と同じ吹奏楽部に入った。幼馴染と言っても、私より学年はひとつ上。小学生までは「先輩・後輩」なんて概念もなく、単純に「友達・近所のお姉さん」だった人だ。これまでは年齢や学年なんて意識せず、ずっと「ちゃん」づけ・タメ口だったのだ。そう、ほんの2週間前までは。 「

          いまだ"敬語”との距離感がつかめん

          イアンに続け!考えすぎる私の解放ものがたり

          ライター仲間の甲斐イアンちゃんの言葉に、ギクリとした。「はい、それ私です」と降参ポーズで両手を挙げたくなる。 何を隠そう、私もかれこれ数年間ずっと黒髪で、息子が生まれてからは刈り上げ上等の短髪を続けてきた。もちろん黒髪ショートが悪いのではない。むしろ大好きな髪型である。が、ギクリとしたのは、そのモチベーションが「だってメンテできないし(どうせ私なんか)」みたいな、ネガティブなものだったところにある。 イアンちゃんの言葉に揺さぶられた人は多かった。SNS上でみんなが「わかる

          イアンに続け!考えすぎる私の解放ものがたり

          1年前、私は生き方の「答え」を求めて、ある学校に入った

          2022年、私は2人目の育休を終えて仕事に復帰した。 ライターとして働き始めてすぐ、立て続けに2回の妊娠・出産を経験した私としては、「よーし、いよいよ子育てとキャリアの両立が本格的に始まるのだ……」と、意気込んで子どもたちを保育園に送り出したのを覚えている。 ところが。4歳児と1歳児を育てながら、自分のキャリアも育てていく、というのはなかなかの至難の業。世の中の多くの人は家庭と仕事の両立ができているはずなのに、私は数ヶ月であっという間にパニック状態になった。 仕事中には

          1年前、私は生き方の「答え」を求めて、ある学校に入った

          「はじめまして」はいつもクリスマス

          2011年の冬、私はバカでかいスーツケースを持ってシカゴに降り立った。心臓と胃のあいだみたいなところが痛む。緊張している。これから2週間ばかし、彼氏(今の夫)の家族とクリスマスを過ごすのだ。 「冬のシカゴは信じられない寒さだから」と、夫に聞かされてビビった私は、ありとあらゆる冬服をスーツケースに詰め込んできた。ニッポンのテクノロジーを詰め込んだヒートテックはもちろん、ジャケットもダウンも、室内で履くためのフワフワの靴下も全部だ。 それを見た夫は腰を抜かして「なんでこんなに

          「はじめまして」はいつもクリスマス

          「お前が信じる俺を信じろ!」の結果、名のない仕事ができた話

          こんな“仕事”が成立するのか……と驚いた話をしたい。ライターの仕事は幅広いとは聞いていたけれど、本当に「機会の数だけ仕事はある」のだ。私はいまだに、この仕事に肩書きや名前をつけられずにいる。 「noteの連載を始めようと思ってて、タイトル何がいいと思います?」 ことの発端は、2022年の正月。取材相手だった前川裕奈さんにカフェで雑談混じりに相談されたことだった。以前にメディア記事で取材をさせてもらい、改めて別の記事のために取材をさせてもらったときだった。取材を終えたあと、

          「お前が信じる俺を信じろ!」の結果、名のない仕事ができた話

          覚えておくことを諦めそうな私とあなたへ

          「子育てはおもしろいから、たくさんメモしておいたらいいよ」 妊娠がわかったとき、ライターの師匠がそう言ってくれたのをきっかけに、私はnoteを始めた。実際、妊娠も出産も子育ても、めちゃくちゃおもしろい。身体の変化は摩訶不思議だし、子どもの動きは魔法のようにまったく予想がつかない。 そして書き始めてみたら、なにより自分の「心の機微」がおもしろいと思った。ぼーっとしていたら過ぎ去ってしまう感情を、時に丁寧に言葉にしてみて、ああでもないこうでもないと考えをこねくり回す。何に喜び

          覚えておくことを諦めそうな私とあなたへ

          スワンの悲劇〜今年2度目の厄”落とし”〜

          私と、ある大きな公園の落とし物担当者の電話での会話である。これが事の全容であり、これ以上なにかを書く必要もない。ただ、気持ちの成仏のために、もう少し書き進めてみることにする。書いたところでどうせ財布が帰ってくるわけでもないのだが(ヤケクソ)。 さて、もう9ヶ月も前のことになるが、私は年末にスマホを落として、年始にウニを踏ん付けるという「レッツ☆厄年」みたいな始まりで、2023年を迎えた。 ミラクルの末に無事にスマホが手元に戻り、皮膚科のレディたちのおかげでウニのトゲも抜け

          スワンの悲劇〜今年2度目の厄”落とし”〜