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『わたしは光をにぎっている』

武蔵野館で中川龍太郎監督『わたしは光をにぎっている』を鑑賞。予告編でもかなりいい感じだったので、「予告編妄想かわら版」でも取り上げていた。主演は松本穂香さん。父の友人が営む銭湯の主人(光石研)のところにやってきた祖母に育てられていた女性が銭湯で働きながら次第に成長していくという話。ここには東京の開発という問題も描かれていて、居場所になったはずの銭湯も再開発の区画整理で締めざるを得なくなるという内容。とても静かで多くを語らないが、光のやわらかなぬくもりを感じさせる映画だった。

光の中に、とどまったあなたの思いは、思い出の中で佇むように一滴の水滴が落ちていく水面にピチャとはねた、その刹那、その永遠の中に閉じ込められて、もう失われてしまう いつか私は消えるだろう あなたも同じように すべての人はいつか当然のように 消える 思い出はどこかにあるのだろうけど もう触れることもできない 風が標した先に君の大事な人との温度があるのだろう あなたも私ももういない そんな世界の中で 終わりが来るという避けられない時の流れに身を任せてみよう 終わるのだから ちゃんと しゃんと 終わらそう もう思い出しかないのだけど 週末は 毎週やってきて いつか終末していく 始まりの先にあった終わりは 複数的に複合的にさまざまなものを孕んで でもいつか終わりに向かっていく ただの瞬間 出会えたことだけ 関係性や居場所はいつだって変わり続けているのに そうではないと思いたい 変わらないものなどないことを知っているのに どうしてだろう 居場所は失われるし損なわれる いつも突然 関係性も信じたかったものはあなたの中にだけ いつだって奪われるように 私たちは変わり続けて いつか終わる ただ終わる ということだけを光が照らす 光の指す方には あなたの想い出が 思いの外 はっきりと刻まれている 影踏みして虹がかかっていく あなたの微笑みがきらびやかに散っていくのを知らない 水滴が落ちていく 生命が収縮して膨張していく 終わるのだからその中で 果たしてあなたの想い出と思いにいつか出会うのだろうか いやもうそれは時間の中に刹那の中に閉じ込められた いつか邂逅しよう 光と影の終わる先で

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