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隣の芝が青すぎる件について

隣の芝が青く見えて仕方ない。

どこに旅行してどんな綺麗な景色を見ているのか。誰といるか。どんなおいしいものを食べているのか。どれほど予定が詰まっていて、どれほど心満たされているのか。

日本にいる頃、他の人の生活にはあまり関心がなかった。旅行や遊びの予定を聞かされても「ふ~ん、そうなのね。」で終わっていたし、美術館や映画館、温泉やウィンドウショッピングにひとりでもルンルンと出かけていた。

一方で留学中、予定が無くどこかに自分ひとりで繰り出す気力も失せてしまうと、青芝君はよく私のもとにやって来た。(まさに今も。笑)
「キミは今日もひとりでウロウロオロオロしているのかい?もったいないねえ。ボクなんか、こんな素敵なところに行ったっていうのに!」
ひとりを好んでいたのは逆に家族や仲間と過ごす時間がたくさんあるからだったのか、と思い知る時である。

じつはその青さは錯覚にすぎないかもしれないし、私の芝生だって他の人からは青々と見えているのかも。だが主観的な自分サイドの青さにはいつだって気付いてあげられない。マナの芝生が青く見えている人、どんな眺めか教えてください!という感じである。

「幸せは捉えかた次第。」
青さ比べを始めると、楽しいはずの自分のことも楽しくなくなってしまうのだから、羨むだけ時間とエネルギーがムダ。それをみんなが読めるSNSに書くのだって格好悪い。そんなこと分かっている。これはこれでいいじゃん、そう思えることがすごく大事なんだ。

「あーすればよかったかなこーすればよかったかな......」と無限ドツボにはまりがちな私は、厄介な青芝君とどうすれば距離を置けるのか、思案中である。