ついにマラソン初体験
去年、夫の付き添いで高みの見物を決め込んだキーウェストマラソン(といっても5km)、走らずにちんたら歩いている人達があまりにも楽しそうだったので、今年は是非私も参加したいと思って、去年の秋頃、早々に参加申し込みをした。
マラソンは日曜日。まずは土曜日に受付に行く。
夢にまで見た超私好みのTシャツがもらえるはずだったけど、今年のデザインは恐ろしくダサダサで、しかも長袖、Vネック。3重苦を背負って、いきなりテンションがだだ下がり。まあでもほら、ゼッケンももらったし、明日頑張るぞ!
相変わらずホテルはバカ高いけれども、今年は首尾よくキャンプ場を予約。
何とキャンプに来たのにテントを忘れてくる大失態。
途中で安物のテントを買ったけれども、使うことなく結局快適に車中泊。最近忘れ物の多い我ら夫婦。もうお互いを責めてもまた次々ぼろがでるので、笑って済ませる。
早めにキャンプ場近くのレストランで夕飯を食べて、9時には就寝、のつもりで支度していたら、隣のサイトのおじさんが話しかけてきた。
おじさんも明日走るんだって。ハーフマラソン。
彼は、乳癌で好きなことができなくなった元カノの姿にショックを受けて、自分の家を売り払い、トライアスロンやらウルトラマラソンに参加しながら、世界中を旅しているとのこと。レースに出たり、自転車で旅するのが楽しくてしょうがないと。いろんな人がいて、いろんな人生があるなあ。おじさんの話が面白すぎて、1時間ほど話し込む。私が「初めてのマラソン(たったの5km)で、歩いて参加するつもりです」って言ったら、「挑戦するって素晴らしいね!」ってキラキラの瞳で褒められて、とってもうれしい。やっぱ人は褒めとくに限るね。
いざ当日。駐車場の少ないキーウエスト。5kmランは7時スタートだけど、念のため、5時半には集合場所近くのガレージに無事駐車。
6時から開いてるはずの公衆トイレが閉まっていて、みんなが隣のバーのトイレに大行列するハプニング。でも、バーの人もニコニコしてるし、並んでいる人達も前後の人達とおしゃべりしながら、混雑具合を見ながら適当に男子トイレにも入ったり、6時半スタートのハーフマラソンの参加者がいれば列の先頭にしてあげたりと和気あいあい。
そして、7時の出走5分前。やる気満々の夫と一緒に最前列へ。といっても、私は遅いので端っこ。ノリノリDJが盛り上げてくれる。
最前列じゃなくて、最後尾に移動しようとしてたけど、結局スタートするまで前に残った。結果的に、きっとこれがよかったんだろう。
カウントダウンの後、いざスタート。私は端によけて、人が群れで飛ぶように走る姿に呆然としつつ、自分も釣られて走り始めた。全ての人が私を軽々追い越していく。500メートルくらい走って、こんなスピードで釣られて走ったら死んでしまうと一旦ストップ。早歩きに切り替える。みんなに追い抜かれて、1人とぼとぼゴールする自分の姿を想像して、絶望的な気分に。
でも、1km過ぎたくらいから、だんだん状況が変わってきた。周りの人達が、顔なじみになってくる。同じようなスピードで歩いたり走ったり、抜きつ抜かれつ、このグループのなかで頑張る希望が湧いてきた。特に変わらないのは、私の隣を前後に行ったり来たりするおばあさんと、抜けないけどずっと同じペースで走ったり歩いたりするパープルのタンクトップのおさげのお姉さん。自分とその2人をゴールデントライアングルと勝手に名付けて、おばあさんに負けない、おさげのお姉さんにおいていかれないことを目標にした。
走る前は、ピクミンブルーム しながら、なんて考えてたけど、そんな余裕は全然なく。でも、いつも散歩で1kmあたり11分とか12分くらいのスピードなのに、8.5分で動けてる。私早いじゃん!(個人比)2km、3km、進むうちに、ペースも掴めてきた。応援が楽しすぎる。 道端でギター、マラカス、バンジョーが鳴り響く。自前のスピーカーを持って、音楽を聴きながら走っている人も。まあ、この時点で走っていると入っても、みんな歩くのと走るのが半々くらいだったかな。
4km、信じられなかったけど、まだまだ行ける。なぜだか走る脚が軽快になってる。調子に乗って、おばあさんを抜き去った。おばあさん、私を引っ張ってくれてありがとう。さらばじゃ。
5km、もうノリノリだった。おさげのお姉さんも抜いて、最後の500メートルは思いっきり走って笑顔でゴールした。
全コース歩く予定だったけど、走れた!目標ゴール時間1時間だったけど、43分でゴールできた!もう自己肯定感瀑上がり。
この年齢で、人生初めての体験ができて幸せ。
来年も絶対来る! タイム縮めたい!ってか10kmも行けるんじゃないか?
とか夢が広がりまくり。
5kmとか絶対無理、って固く思い込んでたけど、やればなんとかなるもんだなあ。ひとつ新しい扉を開けることができました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?